
坊ガツル湿原・久住山(ぼうがつるしつげん・くじゅうさん)
三俣山、大船山、平治岳に抱かれた盆地の湿原と、その先にそびえる九重連山の主峰。長者原や牧ノ戸峠から自分の足で歩いた人だけが辿り着ける、静けさと大展望のエリアです。
このページでわかること
- 坊ガツル湿原と久住山が九重連山でも特別な存在と呼ばれる理由と、編集部5指標評価
- 坊ガツル湿原(標高約1,230m)が2005年にタデ原湿原とともにラムサール条約登録された背景
- 久住山(1,786.5m)が九重連山の主峰と位置づけられていること(本土最高峰は隣の中岳1,791m)
- 牧ノ戸峠・長者原、それぞれの登山口からの往復コースタイムの目安
- 九州最高所の温泉、法華院温泉山荘に浸かる楽しみ方
坊ガツル湿原・久住山ってどんなところ?
九重連山の懐、三俣山・大船山・平治岳・久住山に四方を囲まれた盆地に、標高約1,230mの坊ガツル湿原が広がります。国内でも希少な中間湿原で、2005年には長者原のタデ原湿原とともに「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」としてラムサール条約に登録されました。車で乗り入れることはできず、長者原か牧ノ戸峠からそれぞれ自分の足で歩いてはじめて辿り着ける場所。だからこそ守られてきた静けさが、ここにはあります。湿原の南端には法華院温泉山荘が立ち、標高約1,300mという九州最高所に湧く温泉として知られる一軒宿。歩いて2時間かけてたどり着いた疲れを、単純温泉の湯がほぐしてくれます。坊ガツルからさらに足を延ばせば、九重連山の主峰・久住山(1,786.5m)へ。一等三角点を持ち、大分県が公式に「主峰」と位置づける山ですが、本土最高峰の座は東隣の中岳(1,791m)が持っています。山頂に立てば、阿蘇の外輪山まで見渡せる日もある大パノラマ。そして例年5月下旬から6月中旬にかけては、法華院温泉山荘周辺から大船山・平治岳の斜面にかけて、ミヤマキリシマが山肌をピンク色に染め上げます。湿原歩き、山小屋の温泉、登山の達成感。三拍子そろった、くじゅう高原でもっとも懐の深いエリアです。
フォトギャラリー


基本情報
| 名称 | 坊ガツル湿原(ぼうがつるしつげん)/久住山(くじゅうさん) |
|---|---|
| 所在地 | 大分県竹田市久住町有氏(法華院温泉山荘一帯)。登山口は九重町長者原、牧ノ戸峠 |
| 標高 | 坊ガツル湿原 約1,230m/久住山 1,786.5m(一般に1,787mと表記) |
| 入山料 | 無料 |
| 登録 | 2005年、タデ原湿原とともに「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」としてラムサール条約登録 |
| ミヤマキリシマ見頃 | 例年5月下旬〜6月中旬。法華院温泉山荘周辺、大船山・平治岳一帯 |
| 登山口とコースタイム | 長者原→坊ガツル 片道約2時間(雨ヶ池越経由)。牧ノ戸峠→久住山 往復約4時間 |
| 法華院温泉山荘 | 標高約1,300m、九州最高所の一軒宿(通年営業)。立ち寄り湯500円、宿泊1泊2食10,000円〜、素泊り7,000円〜 |
行き方・駐車場
坊ガツル・久住山へは、大きく2つの登山口があります。ひとつは長者原。長者原ビジターセンター脇の登山口から九州自然歩道を進み、標高1,350mの雨ヶ池越を経由して坊ガツルまで片道約2時間。起伏の少ない歩きやすいコースで、湿原と法華院温泉山荘を目的地にするなら長者原が定番です。もうひとつは牧ノ戸峠。やまなみハイウェイの最高地点にある登山口から沓掛山、扇ヶ鼻分岐、久住分れを経て久住山山頂まで、往復のコースタイムは約4時間が目安です。牧ノ戸峠からは舗装された遊歩道で始まるため、九重連山の登山口の中では最も歩きやすい部類に入ります。坊ガツルと久住山の両方を1日で回る場合、長者原から坊ガツルを経由して久住分れへ上がり、久住山を往復して長者原へ戻るコースが一般的で、休憩を含め日帰りでも6〜8時間ほどの行程になります。体力に自信がなければ、坊ガツルでのテント泊や法華院温泉山荘への宿泊をはさんで1泊2日で計画するのが安心です。長者原、牧ノ戸峠のいずれも駐車場があり、大分自動車道 九重ICから車で約20〜30分(概算)。レンタカー未手配ならレンタカーの最安値比較からどうぞ。
長者原・牧ノ戸峠の登山口までレンタカーで
坊ガツル・久住山へは公共交通の便が限られるため、長者原や牧ノ戸峠の登山口まではレンタカーが現実的です。くじゅう高原の他のスポットとあわせて回るなら、なおのこと車移動が便利です。














季節ごとの楽しみ方
春(4〜5月)
残雪が久住山の山肌に残る季節。山開きとともに登山シーズンが本格化しますが、朝晩はまだ冷え込みます。
夏(6〜8月)
5月下旬から6月中旬にかけて、ミヤマキリシマが法華院温泉山荘周辺から大船山・平治岳の斜面をピンク色に染めます。梅雨時期は天候の急変にも注意が必要です。
秋(9〜11月)
ススキが湿原一面を覆い、大船山を中心に紅葉が見頃を迎えます。空気が澄み、久住山山頂からの見通しが良くなる時期です。
冬(12〜3月)
積雪と霧氷で山全体が白く染まります。防寒具と登山経験が必須で、初心者だけでの入山はおすすめしません。
編集部おすすめの過ごし方 5選

1. 坊ガツル湿原の静けさに浸る
三俣山、大船山、平治岳に囲まれた盆地に立つと、車の音も届かない静けさに包まれます。長者原から歩いてきた疲れが報われる瞬間です。

2. ミヤマキリシマの群落を歩く(5月下旬〜6月中旬)
法華院温泉山荘周辺から大船山、平治岳にかけて、山肌がピンク色に染まる時期。年によって見頃が前後するので、直前の開花情報を確認してから出発してください。

3. 法華院温泉山荘で汗を流す
九州最高所、標高約1,300mに湧く一軒宿の温泉。立ち寄り湯500円で、歩いてきた疲れをほぐせます。宿泊も可能で、通年営業です。

4. 久住山の山頂から九重連山を一望する
一等三角点が置かれた山頂からは、九重連山の稜線が360度に広がります。天候に恵まれれば、遠く阿蘇の外輪山まで見渡せることもあります。

5. テント泊で高原の夜を過ごす
坊ガツルには広いテント場があり、夏は多くの登山者で賑わいます。満天の星と、朝一番の湿原の静けさは、日帰りでは味わえない体験です。
あわせて回りたい、近くの見どころ

タデ原湿原・長者原
坊ガツルへの登山口となる長者原にある、国内最大級の中間湿原。坊ガツルとともにラムサール条約に登録された、木道で気軽に歩ける姉妹湿原です。

やまなみハイウェイ(牧ノ戸峠)
久住山のもうひとつの登山口。標高1,330mの峠から、くじゅう連山と阿蘇方面を一望できます。舗装された道から始まる、比較的歩きやすい登山口です。

くじゅう花公園
登山のあとに立ち寄りやすい、標高850mの花のテーマパーク。歩いてきたくじゅう連山を遠くから眺め直せる場所です。
近くの人気飲食店
坊ガツル・久住山エリアで食事ができるのは、実質的に法華院温泉山荘のみ。登山口の長者原周辺まで戻れば、やまなみハイウェイ沿いの食事処が選べます。
※営業時間、定休日は季節により変動することがあります。訪問前に最新情報をご確認ください。
撮影のコツ
坊ガツル・久住山の見どころは、湿原の静けさとミヤマキリシマ、そして山頂からの大パノラマ。荷物が重くなる登山だからこそ、撮る場面を絞り込むのがコツです。
朝霧の坊ガツルを狙うなら前泊で早朝の坊ガツルは霧が立ち込めることがあり、幻想的な一枚が撮れます。狙うなら坊ガツルでのテント泊や法華院温泉山荘への宿泊が近道です。
テント泊、宿泊は事前の準備、予約を忘れずに
ミヤマキリシマは山肌全体を引きで見頃は例年5月下旬〜6月中旬。花のアップよりも、山肌一面がピンクに染まる様子を引きで収めるとスケール感が伝わります。
登山道から外れず、群落には立ち入らないでください
山頂は360度パノラマで久住山の山頂は視界を遮るものがほとんどありません。九重連山の稜線をぐるりと収める広角の一枚がおすすめです。
山頂は強風になりやすく、足元に注意してください
このエリアの宿(料金比較)
坊ガツル・久住山そのものに泊まるなら法華院温泉山荘か坊ガツルのテント場が拠点。前泊、後泊には長者原に近い九重・日田・天瀬エリアの宿を取ると、登山の前後がスムーズです。

九重・日田・天瀬エリア
早朝出発、下山後の温泉に便利な拠点※上記は表示イメージのサンプル価格です。実際の料金・プラン・空室状況は各予約サイトの最新情報をご確認ください。
あると助かるアイテム
坊ガツル・久住山は本格的な登山道具が必要なエリア。長者原からでも往復4〜5時間、久住山まで足を延ばせば日帰りでも6〜8時間の行程になります。
トレッキングシューズ雨ヶ池越から久住分れまで、岩がちな道と木道が入り混じります。足首をしっかり支えるトレッキングシューズが安心です。
マウンテンパーカー(防風・撥水)久住山の山頂付近は風が強く、天候も変わりやすい環境です。雨具を兼ねられる1枚があると行動の自由度が変わります。
ヘッドライト日没が近づく下山や、坊ガツルでのテント泊、法華院温泉山荘周辺の移動で両手が空くヘッドライトが役立ちます。
速乾タオル(法華院温泉用)法華院温泉山荘の立ち寄り湯や宿泊で使う一枚。登山中の汗拭きにも使えて、荷物を減らせます。
ステンレスボトル登山口から坊ガツルまでの道中に自販機はありません。法華院温泉山荘で給水できますが、多めに持って出発してください。
よくあるご質問(FAQ)
坊ガツル・久住山への入山料はかかりますか。
かかりません。長者原、牧ノ戸峠いずれの登山口も入山無料です。法華院温泉山荘の立ち寄り湯のみ500円が必要です。
ミヤマキリシマの見頃はいつですか。
例年5月下旬から6月中旬です。法華院温泉山荘周辺から大船山、平治岳一帯の斜面がピンク色に染まります。年によって前後するため、直前の開花情報の確認をおすすめします。
長者原と牧ノ戸峠、どちらの登山口がおすすめですか。
坊ガツル湿原や法華院温泉山荘が目的なら、起伏の少ない長者原コース(片道約2時間)が歩きやすくおすすめです。久住山の山頂を最短で目指すなら、往復約4時間の牧ノ戸峠コースが定番です。
法華院温泉山荘は予約なしで日帰り入浴できますか。
立ち寄り湯は500円で利用できますが、営業状況は季節や天候で変わることがあります。宿泊を希望する場合は事前予約が必須です。
坊ガツルでテント泊はできますか。
できます。坊ガツルには広いテント場があり、夏場は多くの登山者で賑わいます。飲料水、食料、雨具など、テント泊に必要な装備は自分で担ぎ上げる必要があります。
坊ガツル・久住山は、くじゅう高原モデルコースでタデ原湿原・長者原と組み合わせて計画するのが定番。日帰りか宿泊かで行程が大きく変わるので、全体の回り方はモデルコースでどうぞ。
航空券も、まとめて比較
熊本空港IN、大分空港OUTの周遊なら、往路と復路で空港を変える組み方が定番です。ANA、JAL、スカイマークなど各社の運賃を横断比較できます。

















