「山も、川も、温泉も、ぜんぶ楽しみたい」。
そんな欲張りな気持ちのまま、東京駅で上越新幹線に乗った。上毛高原駅まで、最速62分。デッキに降りた瞬間、空気がひんやりと澄んで、遠くに谷川岳の稜線が見えた。ここが、首都圏の水がめ利根川の、はじまりの町だった。
東京から62分で、水の国へ
拍子抜けするほど、近かった。都心の雑踏から1時間ほどで、車窓は雪解け水を集める山々に変わる。みなかみ町は、群馬県の最北端。谷川岳をはじめ日本百名山に数えられる名峰に囲まれ、町のどこを歩いても水の音がした。川のせせらぎ、湯けむり、グラスの中の天然水。この町の主役は、ぜんぶ水だ。
天神平、雲とおなじ高さで深呼吸
まず向かったのは、谷川岳ロープウェイ。土合口駅からゴンドラに揺られて約15分、天神平に着くと、視界がいっきに開けた。眼下には幾重にも連なる山並み。夏は緑の草原、秋は錦の紅葉、冬は一面の銀世界になる場所だ。登山をしなくても、この景色に会える。それがうれしい。

水上寺で、「世乃中の鏡」と十三仏の話に足が止まる
温泉街の外れ、湯原の高台に、朱塗りの仁王門が静かに建っていた。成田山水上寺。千葉の大本山成田山新勝寺から明治21年に不動明王を勧請した分院で、本尊は日本三体不動尊と呼ばれる由緒ある尊像だ。境内の掲示「世乃中の鏡」に、こうあった。「親は苦労して財産を作り、子は理屈を語り楽して暮す、孫は使いはたして夜逃する」。そして最後の一行、「苦労知らざる者に感謝なし」。旅先で、思いがけず背筋が伸びた。本堂に上がると、お寺の方々がとても親切に迎えてくださり、堂内を無料で案内していただいた。人は亡くなったあと、十三の仏さまに導かれて十三の段階を踏んでいくのだという、死後の世界のお話。その最初の七日目を司るのが、ここの本尊でもある不動明王だと教わった。観光のつもりで上った石段の先に、静かに死生観へ触れる時間が待っていた。

山も、川も、湯も。
ぜんぶが「水のはじまり」だった。
利根川のはじまりで、水と遊ぶ
みなかみは、関東屈指のアウトドアの聖地でもある。雪解け水で水量が増す春から初夏の利根川は、ラフティングのハイシーズン。半日6,000円前後から、初心者でもガイドと一緒に急流に挑める。カヌー、キャニオニング、バンジージャンプ。遊び方は選び放題だ。私は川沿いの遊歩道を歩くだけにしたけれど、聞こえてくる歓声だけで、十分に心が跳ねた。

そして夜は、18の湯けむりの中へ
日が暮れたら、いよいよ温泉だ。みなかみ町には、水上、谷川、湯檜曽、宝川、猿ヶ京、法師など、歴史も泉質も異なる18の温泉地が点在し、「みなかみ18湯」と呼ばれている。延べ470畳の大露天風呂で知られる宝川温泉、三国街道の湯治場の面影を残す法師温泉。湯船に体を沈めると、今日一日の景色が、湯けむりの向こうにゆっくりと溶けていった。
AIコンシェルジュ マリンちゃんこの余韻のまま、
あなただけのみなかみへ。
行き先と日程を選ぶだけ。天神平、水上寺、18の湯めぐり。あなたのための時系列プランを、私がつくります。気に入ったら、そのまま予約まで。
登録不要ですぐ試せます・1日3回まで無料ここからは、はじめてのみなかみ観光でも迷わないための実用ガイドです。谷川岳ロープウェイや水上寺といった見どころ、東京からのアクセス、半日・1日のモデルコース、焼肉やそばなどのグルメ、みなかみ18湯の日帰り温泉、ベストシーズン、そして温泉宿の料金比較まで、まとめて解説します。
みなかみの見どころ|谷川岳・水上寺・たくみの里
みなかみ観光の見どころは、水上温泉街を中心とした利根川沿いと、月夜野・猿ヶ京方面に分かれます。まずは外せない名所から押さえましょう。
谷川岳ロープウェイ・天神平日本百名山・谷川岳の中腹、天神平へ約15分の空中散歩。往復大人3,000円。夏は高山植物、秋は紅葉、冬はスキーと、季節ごとに景色が一変します。紅葉の見頃は例年9月下旬から10月下旬です。
成田山 水上寺大本山成田山新勝寺から明治21年に勧請された分院で、本尊は日本三体不動尊と伝わる不動明王。朱塗りの仁王門と、境内の掲示「世乃中の鏡」の言葉が心に残ります。水上温泉街から徒歩圏です。
道の駅 みなかみ水紀行館水上温泉街の入口にある道の駅。利根川水系の魚を集めた水産学習館(大人350円、小中学生150円)では、トンネル水槽やドクターフィッシュ体験が人気。地場産の土産も揃います。
たくみの里須川宿の面影を残す里山に、そば打ちや和紙、木工など体験工房が点在するエリア。着物レンタルで里山さんぽもできます。道の駅を起点に、のんびり歩いて回れます。
宝川温泉 汪泉閣延べ470畳、4つの湯船の大露天風呂で世界的に知られる一軒宿。毎分約1,800Lの源泉が掛け流され、湯あみ着を着て入るスタイルなので日帰りでも安心して楽しめます。
猿ヶ京温泉・赤谷湖三国街道の関所町として栄えた湯の町。眼下に赤谷湖を望む高台に宿が並びます。戦国時代には上杉謙信も越えた峠道の、歴史の気配が残るエリアです。
みなかみへのアクセス・行き方
みなかみへは上越新幹線が便利です。玄関口は上毛高原駅。東京駅から最速62分で着きます。車なら関越自動車道の水上ICが起点です。
上越新幹線とき号で東京駅から上毛高原駅まで最速62分。上毛高原駅から水上温泉方面へはバスで約20分、タクシーで約20分
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上越線の水上駅が温泉街の最寄り。高崎駅から上越線で約1時間。水上駅から温泉街へは徒歩圏、谷川岳ロープウェイへはバスで約25分
関越自動車道・水上ICから水上温泉街(道の駅みなかみ水紀行館)まで約5分。猿ヶ京温泉方面は月夜野ICが便利
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おすすめはシェアサイクルのecobikeです。みなかみ町内にポートがあり、スマホアプリで借りて返せるので、駐車場を探さずに温泉街や川沿いを気ままに回れます。バスは上毛高原駅、水上駅を起点に主要スポットへ路線があります。ecobikeでシェアサイクルを借りる ›
谷川岳と水上温泉街だけなら日帰りも可能。18湯めぐりやアウトドア体験を組み合わせるなら一泊二日がおすすめです
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みなかみ観光モデルコース(半日・1日・一泊)
山、川、湯と主役が多い町なので、目的を絞ると満足度が上がります。目的にあわせて選んでください。

1半日さんぽ(約3〜4時間)
道の駅みなかみ水紀行館 → 利根川沿いの遊歩道 → 水上寺 → 水上温泉街で日帰り湯。水上駅周辺だけで完結する王道ルートです。

21日たっぷり
午前に谷川岳ロープウェイで天神平 → 昼はそば処で昼食 → 午後は水上寺と温泉街さんぽ → 夕方に日帰り温泉。山と湯を両取りする欲張りコース。

3一泊二日
1日目はラフティングなどのアウトドア体験と焼肉の夕食、2日目は宝川温泉や猿ヶ京方面へ。18湯から宿を選ぶ楽しみは、泊まってこそ味わえます。
みなかみのグルメ|水の恵みを食べる
名水の町は、食の町でもあります。みなかみの美味しい水が育てた味を、旅の楽しみに加えてください。
そば温泉街、街道沿い名水が育む香り高いそばは、みなかみ食べ歩きの定番。温泉街や街道沿いに名店が点在します。
ダムカレー町内提供店利根川水系の5つのダムがある「ダムの聖地」ならでは。アーチ式、重力式、ロックフィル式と、実在のダムの形式をライスで再現した3タイプを町内の店で食べ比べできます。道の駅みなかみ水紀行館の食堂でも味わえます。
生どら焼水上温泉街★3.3469件生クリーム入りのどら焼きは、散策のお供にぴったり。元祖として知られる小荒井製菓では、ガラス越しに製造工程も見られます。
豚肉料理・焼肉上牧★3.53241件群馬県は豚肉の名産地。自家製生ハム「はもん」で知られる育風堂精肉店など、肉の名店が点在します。夜は焼肉という選択肢も(おすすめ店は後述)。
クラフトビール・スイーツ水上温泉街★3.2022件水源の町の水で仕込んだクラフトビールや、季節のフルーツを使ったスイーツも見逃せません。OCTONE Brewingでは出来たての一杯を楽しめます。秋から初冬は特産のりんごが旬を迎えます。
※掲載の評価は食べログの確認時点(2026年8月16日)のものです。リンクには広告(アフィリエイト)を含みます。
みなかみ18湯|日帰り温泉の楽しみ方
みなかみ町には、水上、谷川、うの瀬、湯檜曽、向山、宝川、湯の小屋、上の原、上牧、月夜野、真沢、奈女沢、湯宿、赤岩、高原千葉村、川古、猿ヶ京、法師の18の温泉地があり、総称してみなかみ18湯と呼ばれます。泉質も雰囲気も異なる湯が町内に点在するのは、県内最大級の温泉郷ならでは。宝川温泉のように日帰り入浴を受け付けている宿も多いので、湯めぐりを目的に訪れる価値があります。
みなかみ周辺の観光スポット
時間に余裕があれば、少し足を延ばしてみましょう。水の町らしい、個性の強いスポットが揃います。


矢木沢ダム(アーチ式)
利根川最上流のアーチ式ダム。毎年5月に行われる年に一度の点検放流は、総放流量約6万トンの大迫力で、多くの見物客が集まります。

藤原ダム(重力式)
水上温泉街から一番近い、どっしりとした重力式コンクリートダム。ダムカレーの「重力式」のモチーフで、ダムめぐりの起点にちょうどいい一基です。

奈良俣ダム(ロックフィル式)
石を積み上げたロックフィル式の巨大ダム。堤体を見上げる迫力と、ならまた湖の静かな水面が対になった、奥利根らしい景色が待っています。

スキー場(水上高原・ほうだいぎ)
水上高原リゾートは、本州では希少な本格的な犬ぞり体験ができることで知られます。町内最大級の群馬みなかみほうだいぎスキー場は、上質な雪質と長い滑走距離が自慢です。
月夜野ホタルの里
例年6月中旬から7月中旬、約2kmの遊歩道でホタルが舞います。ゲンジボタルとヘイケボタルの両方を同時に見られる貴重な場所で、みなかみの水の清らかさを光で実感できます。
みなかみのベストシーズン
みなかみは、四季それぞれに主役が変わる町です。春は雪解け水で利根川が最も豊かになる季節で、ラフティングのハイシーズン。4月には残雪の谷川岳を背景に桜が咲きます。夏は水遊びとホタル、そして高原の避暑。秋は谷川岳の紅葉が例年9月下旬から10月下旬に見頃を迎え、りんご狩りも楽しめます。冬は上質なパウダースノーのスキーと、雪見露天。犬ぞりのような雪の体験も待っています。
迷ったら、紅葉とアウトドアを両取りできる初秋か、新緑と激流ラフティングの初夏がおすすめです。
みなかみの温泉宿を比較して予約する
18の温泉地から選べるのが、みなかみ泊の醍醐味です。同じ宿でも予約サイト(OTA)ごとに料金やプラン、ポイント還元が異なるため、複数サイトを見比べてから予約するのがいちばんお得です。予算別に、編集部が選んだ3軒をご紹介します。
ホテル湯の陣(伊東園ホテルズ)リーズナブル|ゆびそ温泉朝夕バイキングにアルコール飲み放題まで付く定額スタイルで、コスパ重視派の定番。2つの大浴場それぞれに露天風呂があり、谷川岳の麓の静かな湯檜曽で気楽に温泉を楽しめます。
坐山 みなかみ(旧:水上館)スタンダード|水上温泉利根川の渓流沿いに立つ、15の湯めぐりが名物の温泉宿。2026年にリブランドし、谷川岳を望む高層階の和室や、愛犬と泊まれる客室も。水上駅から徒歩約10分と立地も便利です。
別邸 仙寿庵ラグジュアリー|谷川温泉谷川岳の懐、清流沿いに立つ全室露天風呂付きの宿。ガラス張りの回廊から庭の四季を眺める設えで、「一生に一度は泊まりたい」と名前が挙がる特別な一軒です。
※価格は楽天トラベルの1名1泊あたり最低料金(2026年8月16日時点の実測)。プラン、人数、日程で変わります。じゃらん、一休は各サイトで最新料金をご確認ください。
※TRAVEL HUBは各予約サイトの料金をまとめて比較できるメディアです。当サイト自体は予約・決済を行いません。みなかみの宿をまとめて比較する
夜は焼肉。みなかみ唯一の焼肉店「桂来」
アウトドアで思いきり遊んだ日の夜は、しっかり食べたい。水上温泉街の一角にある焼肉 桂来(かつら)は、みなかみ町で唯一の焼肉店です。地元の精肉店から仕入れる中落ちカルビとハラミが看板メニューで、無煙ロースターの店内は温泉街の夜にちょうどいい賑わい。ランチは11:30〜14:30(L.O.14:00)、ディナーは17:00〜21:00(L.O.20:00)、水曜定休です。
焼肉 桂来(かつら)焼肉・みなかみ町湯原(水上温泉街)2006年開業。地元精肉店仕入れの中落ちカルビ、ハラミと、自家製ナムルが人気。温泉街の宿から歩いて行けるのもうれしいポイントです。
食べログで見る・予約 ›
みなかみの近くの飲食店
そばだけでなく、ピザやとんかつ、ラーメン、スイーツまで。みなかみ町内で食べログ評価の高いお店を、ジャンル横断でご紹介します(写真、評価は食べログより。営業時間や定休日は訪問前に最新情報をご確認ください)。
窯焼きピザの店ラ・ビエールピザ水上温泉街★3.67水上駅からすぐ、薪窯で焼き上げる本格ピザの店。温泉街の散策途中に立ち寄りやすく、みなかみで一番評価の高い飲食店のひとつです。
山雨堂そば・食堂須川(たくみの里)★3.64たくみの里の里山にたたずむそば処。体験工房めぐりの合間の昼食にちょうどよく、地元の食堂らしい落ち着いた一杯が待っています。
月夜野庭 銀の月とんかつ月夜野★3.59群馬の豚肉を味わうならここ。衣の軽いとんかつが評判で、上毛高原駅から車ですぐ。旅の初日の昼食にも使いやすい立地です。
菓子工房 大とろ牛乳スイーツ上牧★3.54とろける食感の牛乳スイーツで知られる菓子工房。ドライブの休憩や、温泉のあとのおやつにぴったりの一軒です。
そば処 角弥そば湯檜曽★3.51谷川岳の帰り道にある、みなかみを代表するそば処。名水が育てたそばを、へぎそばのスタイルで味わえます。
ラーメン香華ラーメン上津★3.46地元で長く愛される町のラーメン店。観光地価格ではない普段づかいの一杯で、旅の締めにもちょうどいい満足感です。
体験・アクティビティ:日本屈指の激流に、飛び込む
みなかみのアウトドアは「見る」より「飛び込む」が正解です。雪解け水が生む利根川の激流ラフティングは日本屈指と言われ、春から秋までキャニオニングやカヌーなど水の遊びが目白押し。初心者向けの半日ツアーが充実しているので、旅程に半日だけ組み込むのがおすすめです。
激流ラフティング雪解け水が生む利根川の激流は日本屈指。春は迫力満点、夏から秋は水量が落ち着き、家族連れや初心者でも楽しめます。
- キャニオニング・カヌー
滝つぼへ滑り落ちるキャニオニングと、湖上をのんびり進むカヌー。水の町みなかみらしい「川あそび」の二大定番です。
そのほかの体験利根川に架かる諏訪峡大橋のブリッジバンジー、冬のスノーアクティビティ、たくみの里のそば打ちや和紙すきまで。季節ごとに遊びの顔ぶれが変わります。
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みなかみ観光のよくあるご質問(FAQ)
みなかみ観光の所要時間はどれくらい。
東京から日帰りでも楽しめますか。
みなかみへのアクセス・行き方は。
紅葉の見頃はいつですか。
ラフティングのシーズンはいつですか。
車がなくても観光できますか。
※風景写真の一部はWikimedia Commonsのライセンス素材を使用しています(天神平: Kentaro Ohno, CC0 / Kentaro Ohno, CC BY 2.0・谷川岳ロープウェイ: Qurren, CC BY-SA 3.0・谷川岳: Raita Futo, CC BY 2.0・天神平リフト: yuukokukirei, CC BY 3.0・たくみの里: Filler, CC BY-SA 3.0・宝川温泉: nobiinue, CC BY-SA 2.1 JP・赤谷湖、矢木沢ダム: Qurren, CC BY-SA 3.0・土合駅: RSSFSO, CC BY-SA 4.0・水上寺本堂(雪): Manishprabhune, CC BY-SA 4.0)。店舗写真は食べログ、宿写真は楽天トラベルおよび各施設公式サイトより。水紀行館、ダムカレー、そば、ラフティング、バンジー、源泉、法師温泉の写真はみなかみ町観光協会、群馬県公式観光サイト、各施設公式サイトより。ゴンドラ車内、藤原ダム、奈良俣ダム: Qurren, CC BY-SA 3.0。ほうだいぎスキー場: Kamimoku International Ski School, CC BY-SA 3.0。

