
祇王寺(ぎおうじ)
門をくぐった瞬間、音が消える。奥嵯峨の竹林の奥に、青もみじの木漏れ日だけが揺れる苔の庭。平家物語に泣いた女性たちが、最後にたどり着いた場所です。
このページでわかること
- 祇王寺の苔庭が夏にこそ美しい理由と、編集部5指標による評価
- 拝観時間・拝観料と、大覚寺との共通拝観券のお得な使い方
- 嵯峨嵐山駅からの歩き方と、竹林の小径からの徒歩導線
- 編集部おすすめの過ごし方5選と、あわせて回りたい近くの見どころ
- 嵐山・嵯峨野エリアの宿の料金比較(楽天、じゃらん、Booking.com)
祇王寺ってどんなお寺?
嵐山の人混みから北へ、竹林を抜け、鳥居本の細い坂道をのぼりきった先。「本当にこの奥にお寺があるのだろうか」と不安になったころ、控えめな茅葺きの門が、そっと現れます。祇王寺です。門をくぐると、それまで背中にあった観光地のざわめきが、まるでスイッチを切ったように消えます。目の前に広がるのは、庭一面をびっしりと覆う苔。その上に、楓の若葉が幾重にも重なって、木漏れ日を細かく砕いています。夏の京都は、盆地特有の重たい暑さで知られますが、この庭に立つと、風が数度ぶん冷たい。苔と青もみじが空気そのものを冷やしているのだと、体で分かります。祇王寺は、平家物語に登場する白拍子・祇王が、平清盛の心変わりによって都を追われ、母と妹とともに出家して庵を結んだと伝わる尼寺です。のちに、祇王から清盛を奪ったはずの仏御前までもがこの庵を訪れ、四人は共に念仏の日々を送ったと語り継がれています。草庵の吉野窓から差し込む光を眺めていると、勝った者も負けた者も、最後は同じ庭の静けさに行き着いたのだという物語が、不思議なほど近くに感じられます。苔庭は約20種類ともいわれる苔が織りなすもので、境内には見本を並べた「祇王寺の苔いろいろ」の展示もあり、足元の緑がただの一色ではないことを教えてくれます。紅葉の名所として名高い寺ですが、人の少ない夏の午前、青もみじの下でひとり庭と向き合う時間こそ、この寺のいちばん贅沢な姿かもしれません。
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基本情報
| 名称 | 祇王寺(ぎおうじ)/正式には高松山 往生院 祇王寺 |
|---|---|
| 所在地 | 京都府京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32 |
| 拝観時間 | 9:00〜16:30(受付終了)。受付終了後も16:50まで拝観できます |
| 拝観料 | 大人500円、小人(小・中・高)100円。祇王寺・大覚寺の2カ寺共通拝観券1,000円(大人券のみ)公式の参拝案内を見る › |
| アクセス | JR嵯峨野線 嵯峨嵐山駅から徒歩約25分。京福電鉄 嵐山駅から徒歩約25分。市バス「嵯峨小学校前」から徒歩約17分 |
| 所要時間の目安 | 庭をゆっくり眺めて30分〜45分 |
| ベストな時間帯 | 開門直後の9時台。人が少なく、苔がいちばん瑞々しい |
| 見どころ | 苔庭、青もみじ、草庵の吉野窓、祇王らの宝篋印塔 |
行き方・駐車場
祇王寺は嵯峨野のいちばん奥、鳥居本エリアにあります。JR嵯峨嵐山駅からも京福電鉄の嵐山駅からも徒歩約25分と、決して近くはありません。ただ、その道のりこそがこの寺の入口です。竹林の小径を抜け、野宮神社を過ぎ、落柿舎の前を通り、化野へ向かう坂をのぼる。歩くほどに人が減り、土産物屋の声が遠ざかり、街が里に変わっていく。その変化を体で感じてから門をくぐると、庭の静けさの意味が違って響きます。バス利用なら市バス「嵯峨小学校前」下車で徒歩約17分。京都駅からは市営28番(大覚寺行)で約50分です。専用駐車場はないため、嵐山周辺の駐車場に停めて歩くか、公共交通を使うのが確実。京都からの日帰り以外に足を延ばすならレンタカーの最安値比較もどうぞ。
嵯峨野は歩く旅、足元から整えて
祇王寺は駅から徒歩約25分、しかも後半は坂道です。嵯峨野は電車とバスと徒歩で回るのが基本ですが、天橋立や丹後方面まで足を延ばすなら車が便利。夏の京都は観光ピークなので、早めの手配が安心です。














季節ごとの楽しみ方
春(3〜5月)
楓が芽吹き、苔が冬の眠りから覚める季節。若葉はまだ淡く、庭全体が黄緑色に輝きます。人出も紅葉期ほどではなく、静かに歩けます。
夏(6〜9月)
青もみじが最も濃くなり、苔がいちばん瑞々しい季節。梅雨の雨上がりは苔が水を含んで発色し、庭が息を吹き返したように見えます。木陰が深く、市街より体感が涼しいのも夏の魅力です。
秋(10〜11月)
散り紅葉が苔の緑を赤く覆う、祇王寺が最も知られる季節。ただし嵯峨野全体が混み合うため、開門直後の訪問が必須です。
冬(12〜2月)
葉が落ち、草庵と苔だけが残る季節。雪が積もれば庭は白と緑の二色になり、訪れる人も少なく、物語の静けさが最も濃く感じられます。
編集部おすすめの過ごし方 5選

1. 開門直後の9時に、庭とふたりきりになる
嵐山の観光客がまだ渡月橋あたりにいる時間帯。9時に門をくぐれば、苔庭を独り占めできる可能性が高い時間です。夜のあいだに湿った苔がいちばん深い緑をたたえるのも、この時間帯です。

2. 草庵に上がり、吉野窓の光を眺める
草庵の丸い吉野窓は、差し込む光が壁に虹色ににじむことから「虹の窓」とも呼ばれます。座って窓を見上げる数分間は、写真を撮る手を止める価値があります。

3. 「苔いろいろ」で足元の緑を見分けてみる
境内には苔の見本が名前つきで並べてあります。これを見てから庭に戻ると、さっきまで一色だった苔が、急に何種類もの表情に分かれて見えてきます。庭の解像度が上がる瞬間です。

4. 竹林の小径から歩いて、静けさの落差を味わう
あえてバスを使わず、竹林の小径、野宮神社、落柿舎と歩いてここまで来る。賑わいが少しずつ剥がれ落ちていく道のりごと味わうのが、奥嵯峨のいちばん贅沢な楽しみ方です。

5. 大覚寺との共通拝観券で、もう一つの嵯峨を見る
祇王寺と大覚寺の2カ寺共通拝観券は1,000円(大人券のみ)。祇王寺の拝観料500円と合わせて考えると、大覚寺の広大な大沢池まで回れて割安です。小さな庵と大きな門跡寺院、対照的な嵯峨を一日で味わえます。
あわせて回りたい、近くの見どころ

瑠璃光院
祇王寺と並ぶ、京都の「緑を見るための庭」。磨き上げた机に青もみじが映り込む「床みどり」で知られ、夏の特別拝観でのみ会えます。苔庭の静けさが好きなら、必ず刺さる一軒です。

嵐山 竹林の小径
祇王寺へ歩いて向かうなら必ず通る、全長約400mの竹のトンネル。公道なので24時間無料で歩けます。人を入れずに撮りたいなら、早朝6〜7時台が勝負です。

野宮神社
竹林の小径の途中にある縁結びの社。樹皮を剥がない黒木鳥居と、じゅうたん苔が夏に美しく映えます。源氏物語ゆかりの地で、祇王寺への道の途中に自然と組み込めます。

嵐山の鵜飼
7月1日から9月23日の夜、渡月橋のたもとの大堰川で行われる伝統漁。昼に苔庭で涼み、夜はかがり火の下で船に揺られる。嵐山の一日をそのまま夜まで延ばせます。

保津川下り
亀岡から嵐山まで約16km、2時間の舟旅。川風と水しぶきが天然のクーラーになります。トロッコ列車で亀岡へ向かい、舟で嵐山に戻ってくるのが定番の組み立てです。
近くの人気飲食店
嵯峨野を歩いたあとは、この土地の名物である湯豆腐を。夏でも、冷房の効いた座敷で庭を眺めながら食べる熱い豆腐は、不思議とごちそうになります。
- 🍲湯豆腐 嵯峨野湯豆腐・京料理京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町/1965年創業📍Googleマップで現在地からのルートを見る
1965年創業、築100年近い数寄屋建築の座敷から日本庭園を眺めながら湯豆腐を味わえる老舗。嵯峨野歩きの締めくくりにふさわしい一軒です。
- 🥢嵯峨とうふ 稲豆腐料理・湯葉京都市右京区嵯峨/国産大豆の自家製豆腐と湯葉📍Googleマップで現在地からのルートを見る
国産大豆を使い、豆腐、湯葉、ひろうすを店で手作り。昆布ダシでやさしく炊いた湯豆腐と自家製湯葉が看板で、気軽に立ち寄れる価格帯も嬉しいところです。
※営業時間、定休日は季節により変動することがあります。訪問前に最新情報をご確認ください。
撮影のコツ
主役は苔と、その上に降る光。人ではなく、光の粒を撮る気持ちでカメラを構えると、この庭の本当の姿が写ります。
- 🍃木漏れ日が斑になる午前中を狙う
太陽が高すぎない9〜10時台は、楓の葉が光を細かく砕いて苔の上に落とします。この斑模様こそが祇王寺の庭の表情。露出をやや暗めに補正すると、緑の深みが出ます。
- 💧雨上がりは苔が発色する
水を含んだ苔は色が濃く、しっとりと光ります。雨の直後や、しとしと降る日は、むしろ狙い目。傘を差しながらの撮影になるので、片手で扱える軽い装備がおすすめです。
このエリアの宿(料金比較)
祇王寺の開門直後を狙うなら、嵐山・嵯峨野に泊まるのがいちばんの近道です。観光客が押し寄せる前の朝、渡月橋を渡って竹林を抜けて歩く。その時間は、この街に泊まった人だけのものです。

嵐山・嵯峨野エリア
朝と夜の嵐山を味わう滞在向き※上記は表示イメージのサンプル価格です。実際の料金・プラン・空室状況は各予約サイトの最新情報をご確認ください。
あると助かるアイテム
駅から徒歩約25分、後半は坂道。そして庭は木陰で、夏は蚊が出ます。この二つに備えておくだけで、祇王寺での時間の質が変わります。
歩きやすいスニーカー嵯峨嵐山駅から徒歩約25分、しかも後半は鳥居本へのぼる坂道です。境内も石段と土の道。履き慣れた靴かどうかで、庭に着いたときの心の余裕がまるで変わります。
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虫除けスプレー苔庭は湿り気があり、木陰も深いので、夏場は蚊が出ます。せっかくの静かな庭で足首を掻いていては台無し。門をくぐる前にひと吹きしておきましょう。
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水筒鳥居本まで来ると自動販売機も店もぐっと減ります。京都の夏は盆地特有の蒸し暑さ。冷たい飲み物を持って歩けば、坂道の25分が散策に変わります。
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御朱印帳祇王寺でも御朱印を受けられます。平家物語ゆかりの尼寺の墨書は、旅の記録としても格別。嵯峨野は寺社が続くエリアなので、一冊持っておくと歩くのが楽しくなります。
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折りたたみ傘苔がいちばん美しいのは雨の日と、その直後。京都の夏は夕立も多く、傘があれば「雨だから中止」が「雨だからこそ」に変わります。日傘兼用なら坂道の日差しにも効きます。
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よくあるご質問(FAQ)
祇王寺の拝観料はいくらですか。
大人500円、小人(小・中・高)100円です。祇王寺と大覚寺の2カ寺共通拝観券は1,000円(大人券のみ)で、両方を回るなら割安になります。
祇王寺の拝観時間は何時までですか。
9:00〜16:30が受付終了で、受付終了後も16:50までは拝観できます。苔が瑞々しく人も少ない開門直後の9時台がおすすめです。
祇王寺は嵯峨嵐山駅から歩いて行けますか。
行けます。JR嵯峨嵐山駅、京福電鉄 嵐山駅のいずれからも徒歩約25分です。市バス「嵯峨小学校前」からなら徒歩約17分。後半は坂道なので歩きやすい靴でどうぞ。
祇王寺は夏でも楽しめますか。
むしろ夏こそおすすめです。青もみじが最も濃く、苔がいちばん瑞々しい季節。木陰が深いため市街より体感が涼しく、紅葉期のような混雑もありません。
祇王寺に駐車場はありますか。
専用駐車場はありません。嵐山周辺の駐車場に停めて歩くか、電車とバスでの来訪が確実です。嵯峨野は道が細く、歩いて回る前提で組み立てるのが快適です。
祇王寺は、京都 夏の2泊3日モデルコースの3日目午前、竹林の小径から歩いてつなぐのが黄金ルート。全行程の回り方はモデルコースでどうぞ。
航空券も、まとめて比較
伊丹空港・関西空港ゆきの国内線をANA、JAL、スカイマークなど横断比較。夏の京都は予約が集中するので、早めのチェックが安心です。
















