
保津川下り(ほづがわくだり)
舟が瀬に入った瞬間、水しぶきが顔にかかって、思わず声が出る。亀岡から嵐山まで16km、2時間。京都の猛暑を、川風ごと置き去りにする舟旅です。
このページでわかること
- 保津川下りが夏の京都で「天然クーラー」と呼ばれる理由と、編集部5指標による評価
- 2026年の料金・出船時刻と、平日と土日祝で運航が変わる仕組み
- トロッコ列車と組み合わせた定番ルートの組み立て方
- 編集部おすすめの過ごし方5選と、あわせて回りたい近くの見どころ
- 嵐山・嵯峨野エリアの宿の料金比較(楽天、じゃらん、Booking.com)
保津川下りってどんな体験?
京都の夏は、盆地に熱がたまる街です。アスファルトの照り返しと湿気で、日陰にいても汗が引かない。そんな日に、JR亀岡駅から徒歩約8分の乗船場から舟に乗り込むと、世界が切り替わります。舟が岸を離れて数分、両岸から迫る山の影に入ったとたん、空気が変わるのです。渓谷を抜けてきた風が水面をなでて、体温をさらっていく。冷房ではない、川そのものが生んだ涼しさです。保津峡は、亀岡から嵐山まで約16km。この距離を約2時間かけて下っていきます。穏やかな淵ではゆったりと山を見上げ、瀬に入れば一転、船頭が竿を突き、舟が岩の間を縫って跳ねる。水しぶきが顔にかかって、船中から悲鳴とも歓声ともつかない声が上がります。この緩急こそが保津川下りの正体で、絶景を「眺める」のではなく「くぐり抜ける」体験になっているのが、ほかの遊覧船と決定的に違うところです。しかも操るのは、エンジンではなく人。船頭が竿と櫂と舵を持ち替えながら、岩の位置を体で覚えた技で舟を導いていきます。江戸時代に角倉了以が開削し、かつては丹波の材木や米を京へ運んだ水路。その物流の道が、いま観光の舟旅として生きているのです。そして到着するのは嵐山、渡月橋のたもと。トロッコ列車で亀岡へ向かい、舟で嵐山に戻ってくる。この組み合わせが定番になっているのは、行きと帰りで同じ渓谷を、線路と水面という違う高さから二度味わえるからです。
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基本情報
| 名称 | 保津川下り(亀岡→嵐山) |
|---|---|
| 乗船場 | 京都府亀岡市(JR亀岡駅から徒歩約8分)。着船場は嵐山・渡月橋のたもと |
| コース | 約16km、所要 約2時間 |
| 料金 | 大人6,000円、子供4,500円(幼児〜小学生)。身長80cm未満は乗船できません公式の料金ページを見る › |
| 出船時刻 | 3月10日〜12月13日は9:00〜15:00。平日は9:00/10:00/11:00/12:00/13:00/14:00/15:00の毎時出船。土日祝は定員が集まり次第出船 |
| 予約 | オンライン予約システムあり。当日券も購入できます |
| 運休 | 増水時・荒天時は運休。年末年始(12月29日〜1月4日)と船舶検査日は運航なし |
| 定番の組み合わせ | トロッコ列車で嵐山→亀岡、保津川下りで亀岡→嵐山に戻る周遊ルート |
行き方・駐車場
乗船場はJR亀岡駅から徒歩約8分。京都駅からJR嵯峨野線(山陰本線)で亀岡まで約30分なので、京都市街からの日帰りはとても簡単です。定番はトロッコ列車との組み合わせ。JR嵯峨嵐山駅に隣接するトロッコ嵯峨駅から、トロッコ亀岡駅まで渓谷沿いを走り、そこからバスなどで乗船場へ移動して舟に乗る。行きは線路の高さから渓谷を見下ろし、帰りは水面の高さから同じ谷を見上げることになります。マイカーの場合、亀岡の乗船場に停めてしまうと、舟は嵐山に着くので車のもとへ戻る必要があります。電車で往復するほうが圧倒的に楽です。京都から丹波や天橋立へ足を延ばすならレンタカーの最安値比較もどうぞ。
亀岡へは電車、その先は車が効く
保津川下りは亀岡発の嵐山着なので、車で乗船場へ行くと戻るのが面倒です。電車での往復が正解。ただし丹波の里や天橋立まで足を延ばすなら車が便利で、夏は繁忙期のため早めの確保が安心です。














季節ごとの楽しみ方
春(3〜5月)
3月10日から9:00〜15:00の運航に切り替わります。両岸の山桜と芽吹いたばかりの若葉が渓谷を彩り、水量も安定して舟旅がいちばん穏やかな季節です。
夏(6〜9月)
川風と水しぶきが天然のクーラーになる本番。緑が最も濃く、瀬を越えるたびに水を浴びて涼めます。ただし梅雨や台風の増水時は運休になるため、当日の運航確認は必須です。
秋(10〜11月)
渓谷が赤と黄に染まる最盛期。舟の上から見上げる紅葉は、遊歩道からでは絶対に見られない角度です。予約が最も取りにくい季節でもあります。
冬(12〜2月)
12月中旬から3月9日までは10:00〜14:30の冬期船。座敷舟に暖房が入り、雪の渓谷を暖かい舟から眺めるという、夏とは正反対の贅沢が味わえます。
編集部おすすめの過ごし方 5選

1. トロッコ列車で上って、舟で下る
嵐山から亀岡へトロッコで向かい、保津川下りで嵐山に戻る。これが定番と呼ばれる理由は、同じ渓谷を線路の高さと水面の高さの二度、まったく違う速度で味わえるからです。往路と復路が両方とも観光になります。

2. 船頭の竿さばきを、ずっと見ている
この舟はエンジンではなく人が操ります。船頭は竿と櫂と舵を持ち替えながら、岩の位置を体で覚えた技で舟を導く。景色に飽きたら、ぜひ船頭の手元を見てください。2時間まったく飽きません。

3. 川の上の売店で、いか焼きを買う
終盤、どこからともなく売店の舟が近づいて横づけします。いか焼き、おでん、みたらし団子、甘酒に缶ビール。川の真ん中で焼きたてを買うという体験自体が、もう思い出。現金を用意しておきましょう。

4. 平日の9時発を狙って、朝の渓谷を独り占めする
平日は9:00から毎時出船。いちばん早い便は水面に朝もやが残ることもあり、光も柔らかい。土日祝は定員が集まり次第の出船なので、静かに下りたいなら平日の朝一択です。

5. 着いた嵐山で、そのまま夜の鵜飼へ
舟は渡月橋のたもとに着きます。夏なら、その同じ川で夜に鵜飼が行われている。昼は水しぶきを浴びて下り、夜はかがり火を眺めて浮かぶ。一本の川で一日を完結させる贅沢です。
あわせて回りたい、近くの見どころ

嵐山の鵜飼
7月1日から9月23日の夜、着船場と同じ渡月橋のたもとから出る屋形船で見る伝統漁。乗合は大人3,000円で予約不要。昼に下った川に、夜もう一度浮かぶ。同じ水が、まるで別物になります。

祇王寺
奥嵯峨の苔庭と青もみじ。平家物語ゆかりの尼寺です。舟を下りたあと、賑わう嵐山を北へ抜けていくと、まったく音のない庭にたどり着きます。動と静の落差が効きます。

嵐山 竹林の小径
全長約400mの竹のトンネル。着船場から歩いてすぐで、川で涼んだあと竹の木陰でもう一度涼めます。公道のため24時間無料、無人を狙うなら早朝6〜7時台です。

野宮神社
竹林の小径の中に佇む縁結びの社。樹皮を剥がない黒木鳥居とじゅうたん苔が夏に美しく映えます。参拝無料で、竹林を歩く流れに自然と組み込めます。

五山送り火
8月16日20:00の大文字を皮切りに、5つの火が5分おきに灯ります。嵯峨の鳥居形は20:20点火で、渡月橋付近が公式の観覧地。昼に舟で着いた場所が、夜には送り火の特等席になります。
近くの人気飲食店
乗船前の腹ごしらえは亀岡で。この街は丹波の食材が集まる「京の台所」で、ブランド牛の亀岡牛でも知られています。
- 🥩さか井食堂食堂・亀岡牛亀岡市本町74/亀岡牛名店会 加盟店📍Googleマップで現在地からのルートを見る
亀岡牛名店会に加盟する、旧城下町の本町にある食堂。乗船場と同じ亀岡の中心部にあり、舟に乗る前に地元のブランド牛を味わえます。
- 🛍️かめまるマート(JR亀岡駅観光案内所)物産・観光案内JR亀岡駅2階/9:00〜17:00(年末年始休)📍Googleマップで現在地からのルートを見る
亀岡市観光協会が運営する駅2階の案内所兼売店。丹波の黒豆を使った商品や地酒が並びます。乗船場へ向かう前に、当日の運航状況もここで聞けます。
※営業時間、定休日は季節により変動することがあります。訪問前に最新情報をご確認ください。
撮影のコツ
舟は動き、水はかかる。2時間ずっと構えていると疲れるので、狙いどころを絞るのが賢いやり方です。
- 💦瀬の直前に構え、越えたらしまう
船頭が竿を持ち替え、姿勢を低くしたら瀬が近い合図。そこだけ連写して、越えたらすぐしまう。この切り替えができると、機材を濡らさずに一番いい瞬間だけを持ち帰れます。
- 🏞️淵では、山を見上げるアングルで
穏やかな淵は、両岸の山が水面に映り込む時間。水面の高さから見上げる渓谷は、トロッコや遊歩道からでは絶対に撮れない角度です。低く構えるほど、この舟でしか撮れない一枚になります。
このエリアの宿(料金比較)
舟が着くのは嵐山、渡月橋のたもと。2時間の舟旅で心地よく疲れた体で、そのまま宿にチェックインできるのがこのエリアに泊まる強みです。夏なら夜は鵜飼、翌朝は無人の竹林へ。一本の川を軸に、丸一日が組み上がります。

嵐山・嵯峨野エリア
川旅の締めくくりに泊まる滞在向き※上記は表示イメージのサンプル価格です。実際の料金・プラン・空室状況は各予約サイトの最新情報をご確認ください。
あると助かるアイテム
2時間、屋根のない区間があり、瀬では実際に水がかかります。「濡れる前提」で持ち物を選ぶだけで、水しぶきが不安ではなく楽しみに変わります。
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日焼け止め2時間、川の上。水面の照り返しは想像以上で、しかも塗り直すタイミングがありません。乗船前にしっかり塗っておくと、下船後に後悔せずに済みます。
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偏光サングラス川面のギラつきを抑えると、水の中の岩や流れの筋まで見えるようになります。船頭がどこを狙って竿を突いているのかが分かり、舟旅の解像度が一段上がります。
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小銭入れ終盤に横づけしてくる川の売店は現金払い。いか焼きやみたらし団子を「財布が奥にあるから」と諦めるのは、あまりにもったいない。濡れた手でもさっと出せる小銭入れが効きます。
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よくあるご質問(FAQ)
保津川下りの料金と所要時間は。
大人6,000円、子供4,500円(幼児〜小学生)です。亀岡から嵐山まで約16kmを約2時間かけて下ります。身長80cm未満のお子さまは乗船できません。
保津川下りは予約が必要ですか。
オンライン予約システムがあり、前日までの予約が確実です。当日券も購入できますが、繁忙期は満席になることもあるため、予約しておくと安心です。
保津川下りの出船時刻を教えてください。
3月10日〜12月13日は9:00〜15:00の運航で、平日は9:00から15:00まで毎時出船。土日祝は定員が集まり次第の出船です。12月中旬〜3月9日は冬期船で10:00〜14:30となります。
保津川下りは濡れますか。
濡れます。瀬を越えるときに水しぶきがかかるのが保津川下りの醍醐味です。防水スマホケースを用意し、濡れて困るものはバッグの奥へしまっておきましょう。
保津川下りが運休になるのはどんなときですか。
増水時や荒天時は運休になります。年末年始(12月29日〜1月4日)と船舶検査日も運航しません。当日の運航状況は公式サイトでご確認ください。
保津川下りは、京都 夏の2泊3日モデルコースの3日目午後、トロッコ列車で亀岡へ入って嵐山に戻るのが黄金ルート。全行程の回り方はモデルコースでどうぞ。
航空券も、まとめて比較
伊丹空港・関西空港ゆきの国内線をANA、JAL、スカイマークなど横断比較。夏の京都は予約が集中するので、早めのチェックが安心です。
















