
隧通し・冠水渓(ずいどおし・かんすいけい)
湯川が石灰岩を掘り抜いてつくった、高さ6m、長さ20mの天然のトンネル。観光案内所から歩いて10分の場所に、それはあります。
このページでわかること
- 隧通しと冠水渓がどうやってできたのかと、編集部5指標による評価
- 白骨温泉観光案内所からの歩き方と、所要時間(徒歩約10分)
- 吊橋から見下ろす湯川の渓谷と、紅葉が水面に映る季節
- 白骨温泉へのアクセス(上高地とは違い、マイカーで行けます)
- 白骨温泉エリアの宿の料金比較(楽天、じゃらん、Booking.com)
隧通し・冠水渓ってどんな場所?
白骨温泉の宿の並びから、湯川の谷へ向かって下りていく道があります。歩いて10分ほど。木の階段を伝って谷底に近づくと、水の音がだんだん大きくなり、やがて岩に開いた大きな穴が見えてきます。これが隧通しです。高さ6m、長さ20m。人が掘ったわけではありません。湯川の急流が、長い時間をかけて石灰岩を削り、とうとう向こう側まで穿ってしまった、ただそれだけのことです。ただそれだけのことが、目の前にあると圧倒されます。水は今も同じ場所を流れていて、いま自分が見ているのは完成形ではなく、途中経過なのだと気づくからです。その隧通しの周りに広がる渓谷が冠水渓です。木道を下りていくと吊橋があり、そこから見下ろす湯川の流れは、白骨温泉の中でもとりわけ美しい一角とされています。とくに秋。カエデやナナカマドの鮮やかな色が水面に映り込んで、谷全体が染まります。白骨温泉といえば乳白色の湯ですが、この土地の本当の主役は、その湯をつくった水そのものかもしれません。石灰質を含んだ水が岩を溶かし、噴湯丘や球状石灰石といった珍しい地形をつくり、そして温泉を白く濁らせている。隧通しは、その水の力をいちばん分かりやすい形で見せてくれる場所です。宿の湯に浸かる前に、ここに立ち寄ってみてください。湯の白さの理由が、少しだけ腑に落ちます。
フォトギャラリー




基本情報
| 名称 | 隧通し・冠水渓(ずいどおし・かんすいけい) |
|---|---|
| 所在地 | 長野県松本市安曇白骨温泉 |
| できかた | 湯川の急流が石灰岩を穿ってできた天然のトンネル。高さ6m、長さ20m |
| 料金 | 無料(見学自由) |
| アクセス | 白骨温泉観光案内所から徒歩約10分。木道を下ると冠水渓に吊橋があります |
| 見どころ | 吊橋から見下ろす湯川の渓谷。秋は紅葉が水面に映り込みます |
| すぐ近くの見どころ | 展望台(隧通しから乗鞍高原方面へ向かった先)、噴湯丘・球状石灰石(観光案内所から徒歩約8分) |
| 注意 | 谷へ下りる道です。濡れた木道や落ち葉で滑ることがあります。歩きやすい靴で |
| 所要時間の目安 | 往復とゆっくり眺める時間を含めて30分〜1時間 |
行き方・駐車場
白骨温泉は上高地とは違い、マイカーで直接入れます。長野自動車道の松本ICから国道158号を高山方面へ進み、沢渡の先で県道300号(白骨温泉方面)へ。各宿と観光案内所周辺に駐車場があります。冬季は路面が凍結するため、必ず冬用タイヤかチェーンを。公共交通ならアルピコ交通上高地線の新島々駅から白骨温泉行きの路線バスがあります。本数が限られるため、往路と復路の時刻を先に押さえてから出かけてください。松本まわりのドライブならレンタカーの最安値比較からどうぞ。隧通しと冠水渓へは白骨温泉観光案内所から徒歩約10分。木道を下って谷へ近づくと、冠水渓に吊橋が架かっています。なお、隣接する上高地は通年マイカー規制ですが、白骨温泉にその規制はありません。混同しないようご注意ください。
白骨温泉へは車が便利です
上高地と違い、白骨温泉はマイカーで直接入れます。新島々駅からの路線バスは本数が限られるため、隧通し、竜神の滝、公共野天風呂とめぐり、乗鞍高原まで足を延ばすなら車が圧倒的に自由。冬季は必ず冬用タイヤかチェーンを。














季節ごとの楽しみ方
春(4〜5月)
雪解け水で湯川の水量が増し、隧通しを抜ける流れがいちばん力強くなる季節。芽吹きの淡い緑と、削られた白い岩肌のコントラストが鮮やかです。
夏(6〜8月)
標高約1,400m。谷底は水の音と木陰で、下界とは別の涼しさがあります。避暑地としての白骨温泉が本領を発揮する時期です。虫除けはあると快適です。
秋(9〜11月)
本命の季節。カエデやナナカマドの鮮やかな色が水面に映り込み、冠水渓が一年でいちばん美しくなります。11月下旬になると冬の気配が近づきます。
冬(12〜3月)
標高約1,400mの谷は雪と氷の世界になります。遊歩道は凍結し、公共野天風呂も11月25日から4月中旬まで冬季休業。訪ねるなら宿と道路状況を必ず先に確認してください。
編集部おすすめの過ごし方 5選

1. 岩に開いた穴の前に、ただ立つ
高さ6m、長さ20mの穴を、水だけでつくった。その事実の前では、説明はいりません。写真を撮る前に、まず水の音を聞いてください。

2. 冠水渓の吊橋から見下ろす
木道を下った先にある吊橋。ここから見下ろす湯川の渓谷は、白骨温泉の中でもとりわけ景色がいいとされる一角です。足元に気をつけて。

3. 秋、水面に映る色を待つ
紅葉のころ、鮮やかな色が水面に映り込みます。風が止んだ数秒だけ、水鏡になる。その数秒を待つのが、この場所の正しい過ごし方です。

4. 湯の白さの理由を確かめる
石灰質を含んだ水が岩を溶かして隧通しをつくり、同じ成分が湯を乳白色に濁らせています。渓谷を見てから湯に入ると、あの白さの意味が変わって見えます。

5. 竜神の滝とセットで歩く
竜神の滝は観光案内所から徒歩約2分、隧通しは約10分。白骨温泉の散策路は短くまとまっているので、両方まわっても1時間ほど。宿のチェックイン前後にちょうど収まります。
あわせて回りたい、近くの見どころ

竜神の滝
観光案内所から徒歩約2分、沢渡方面へ向かう道の右手にあります。苔むした岩肌を、幾筋もの水が白糸のように流れ落ちる小滝。1月から2月には氷柱になります。

白骨温泉 公共野天風呂
渓谷の底で乳白色の硫黄泉に浸かれる共同野天風呂。大人700円、小学生以下400円。散策で冷えた体を温めて帰るなら、ここが最短ルートです。

泡の湯
白濁の大露天風呂で全国的に知られる老舗旅館。日帰り入浴は受付10:30〜13:30と短く、急に休むこともあるため、当日の電話確認が欠かせません。

番所大滝
乗鞍三名滝で最大の水量を誇る、落差約40mの大滝。白骨温泉から乗鞍高原へ抜ける道すがらに寄れます。水の力を見るという意味では、隧通しと同じ主題の場所です。

善五郎の滝
落差21.5m、幅8mの端正な滝。駐車場から徒歩約15分で、冬は氷瀑になります。白骨温泉と乗鞍高原を一日でまわるなら、外せない一本です。
近くの人気飲食店
白骨温泉に飲食店街はありません。食事処は数えるほどで、そのほとんどが宿に併設されています。営業時間も昼どきに限られることが多いので、行き当たりばったりではなく、先に決めておくのが確実です。
煤香庵(ばいこうあん)お食事処・日帰り入浴食事 11:00〜14:30/日帰り入浴 10:00〜18:00/水曜定休/冬季休業あり📍Googleマップで現在地からのルートを見る築250年の建物を移築した民芸調のお食事処。ひしゃく型のかごで蕎麦を温めて食べる郷土食『とうじ蕎麦』と、乳白色の湯で炊いた温泉粥が名物です。日帰り入浴も併設。
食べログ予約 ›
お休み処 球道お休み処・日帰り入浴食事 11:00〜14:00/日帰り入浴 9:00〜22:00📍Googleマップで現在地からのルートを見る白骨温泉の中では夜遅くまで湯に入れる、貴重なお休み処。散策のあとに軽く食べて、ゆっくり温まって帰る、という組み立てができます。
泡の湯旅館旅館・日帰り入浴日帰り入浴 受付10:30〜13:30(14:00退館)/大人1,000円、子ども600円/要事前電話確認📍Googleマップで現在地からのルートを見る白濁の大露天風呂で全国に知られる老舗。日帰り入浴は受付時間が短いうえ、燃料事情などで急に休むことがあります。訪ねる前に必ず電話(0263-93-2101)で確認を。
かつらの湯 丸永旅館旅館・日帰り入浴日帰り入浴 11:00〜15:00/客室10室📍Googleマップで現在地からのルートを見る客室10室の小さな宿。日帰り入浴の受付時間が昼どきに重なるので、散策の折り返し地点として湯だけ借りる、という使い方に向いています。
※営業時間、定休日は季節により変動することがあります。訪問前に最新情報をご確認ください。
撮影のコツ
谷底は暗く、水は速い。街の感覚のままシャッターを切ると、たいてい思った絵になりません。二つだけ覚えておいてください。
水の流れは、遅いシャッターで谷底は光が少ないぶん、スローシャッターが使いやすい環境です。手すりや岩にカメラを固定して、水を糸のように流してみてください。急流の力が、かえって静かに写ります。
三脚は通行の妨げになる場所では使わないこと
穴だけでなく、谷ごと入れる隧通しに寄りすぎると、ただの岩の穴になってしまいます。少し引いて、削られた岩と、その上に立つ森と、下を流れる水を一緒に入れると、この地形が生まれた理由まで写り込みます。
遊歩道と吊橋の上から(柵の外へ出ないこと)
入浴中の様子は撮らない散策路は公共野天風呂の近くを通ります。入浴施設にカメラを向けないのは、この土地を訪ねる者としての最低限の礼儀です。谷と水を撮りましょう。
入浴施設周辺での撮影は厳禁
このエリアの宿(料金比較)
白骨温泉は、日帰りで湯だけ浴びて帰るにはもったいない場所です。宿の数は限られ、コンビニも自販機の列もなく、夜は本当に真っ暗になります。聞こえるのは湯川の音だけ。乳白色の湯に浸かって、何もしない時間を持ち帰るための一泊です。

上高地・乗鞍・白骨エリア
何もしない一泊を味わう滞在向き※上記は表示イメージのサンプル価格です。実際の料金・プラン・空室状況は各予約サイトの最新情報をご確認ください。
あると助かるアイテム
白骨温泉の散策路は短いのですが、谷へ下りる道です。標高約1,400m、売店もほとんどありません。持っていくと当日ラクになるものをまとめました。
トレッキングシューズ谷へ下りる木道と階段は、濡れると滑ります。落ち葉の季節はとくに。グリップの効く靴で行くだけで、安心感がまるで違います。
マウンテンパーカー(防風・撥水)標高約1,400m。谷底は日が差しにくく、夏でもひんやりします。水しぶきも飛ぶので、撥水性のある一枚が快適です。
虫除けスプレー沢沿いの林は夏場は虫が多めです。吊橋の上でゆっくり写真を撮るつもりなら、これがあるかないかで滞在時間が変わります。
ステンレスボトル/水筒白骨温泉に自販機の列はありません。散策のあとに温泉、という流れなら、水分は先に用意しておくのが確実です。
モバイルバッテリー山間部は電波が弱く、端末の消耗が早くなります。地図もバス時刻も宿の連絡もスマホ頼みなので、予備の電源が要ります。
よくあるご質問(FAQ)
隧通しと冠水渓へはどうやって行きますか。
白骨温泉観光案内所から徒歩約10分です。木道を下って谷へ近づくと、冠水渓に吊橋が架かっています。見学は無料で、時間の制限もありません。ただし谷へ下りる道なので、歩きやすい靴で行ってください。
隧通しはどうやってできたのですか。
湯川の急流が石灰岩を長い時間をかけて削り、向こう側まで穿ってできた天然のトンネルです。高さ6m、長さ20mあります。人の手でつくられたものではありません。同じ石灰質の水が、白骨温泉の湯を乳白色に濁らせています。
白骨温泉はマイカーで行けますか。
行けます。隣接する上高地は通年マイカー規制ですが、白骨温泉にその規制はありません。松本ICから国道158号を高山方面へ進み、沢渡の先で県道300号に入ります。ただし冬季は路面が凍結するため、冬用タイヤかチェーンが必須です。
隧通しと冠水渓の見頃はいつですか。
秋です。カエデやナナカマドの鮮やかな色が湯川の水面に映り込み、冠水渓が一年でいちばん美しくなります。雪解けで水量が増す春も見応えがあります。冬季は遊歩道が凍結するため、道路と現地の状況を必ず先に確認してください。
隧通しの近くにほかの見どころはありますか。
あります。竜神の滝は観光案内所から徒歩約2分、噴湯丘・球状石灰石は徒歩約8分、三十三観音は徒歩約3分。隧通しから乗鞍高原方面へ向かった先には展望台もあります。白骨温泉の散策路は短くまとまっているので、まとめて歩けます。
隧通し、冠水渓の散策は、上高地・松本 モデルコースで白骨温泉に泊まる日の、チェックイン前後に入れるのがちょうどいい配分です。全行程の回り方はモデルコースでどうぞ。
航空券も、まとめて比較
信州まつもと空港ゆきの国内線をFDA、JALなど横断比較。松本からはレンタカーで白骨温泉まで入れます。空席は日々動くので早めのチェックが安心です。
















