
二手橋(にてばし)
別れるために架けられた橋が、この国にいくつあるだろう。旧軽の賑わいが尽きた先、木立の底に、その小さな橋はある。
このページでわかること
- 二手橋の名が「別れ」に由来すると伝わる理由と、編集部5指標による評価
- 旧軽井沢銀座通りの北端から、歩いてたどり着くまでの道のり
- 橋のたもとに続く犀星の径と、室生犀星文学碑の見どころ
- 編集部おすすめの過ごし方5選と、あわせて歩きたい近くの見どころ
- 軽井沢エリアの宿の料金比較(楽天、じゃらん、Booking.com)
二手橋ってどんなところ?
旧軽井沢銀座通りを北へ、北へと歩いていくと、土産物屋の看板もソフトクリームの行列も、いつのまにか背後に消えています。かわりに現れるのは木立です。道は細くなり、空気がひんやりと重くなり、やがて足元から水の音が立ち上がってくる。矢ヶ崎川です。その流れに、小さな橋が一本架かっています。二手橋です。名前の由来には説があります。江戸時代、中山道の軽井沢宿は江戸から数えて十八番目の宿場でした。旅籠は最盛期に百軒近くを数え、そこには数百人の飯盛女が働いていたと伝えられます。宿場の江戸側の出入口にあたるこの場所で、飯盛女たちは旅立つ客を見送り、そして二手に分かれた。だから二手橋なのだ、という説です。旅籠で出会った旅人同士が名残を惜しみながら別れた橋、という説も語られますが、飯盛女の見送りに由来するという説のほうが信憑性が高いとされています。どちらにせよ、この橋が背負っているのは「別れ」です。それが、この橋のいちばん奇妙なところかもしれません。橋というのは本来、隔てられたものをつなぐために架けるものです。それなのにこの橋の名は、つないだ先で別れることを言っている。渡り切ってしまえば、もう戻らない。そういう場所として、二百年以上ここに架かってきました。今の二手橋は、拍子抜けするほど地味です。案内板がなければ通り過ぎてしまうくらいの、木立の中の小さな橋。人はほとんどいません。旧軽銀座から歩いてわずか十分ほどの距離に、これほど静かな場所が残っていることのほうが、むしろ驚きです。橋のたもとからは犀星の径と呼ばれる小道が続き、室生犀星の文学碑が、苔むした石積みを背に静かに立っています。軽井沢を愛した文人たちが、この静けさを選んだ理由が、立ってみるとよくわかります。
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基本情報
| 名称 | 二手橋(にてばし) |
|---|---|
| 所在地 | 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢(旧軽井沢銀座通りの北端、矢ヶ崎川) |
| 料金 | 公道に架かる橋のため、通年無料で通行・見学できます |
| 見学時間 | 特に定めはありません。ただし木立の中で夜間は照明が乏しく足元が見えないため、日中の訪問を |
| 駐車場 | 二手橋に専用駐車場はありません。旧軽井沢ロータリー周辺の有料駐車場を利用し、旧軽井沢銀座通りを歩いて向かうことになります |
| アクセス | JR軽井沢駅北口からバス約7分、「旧軽井沢」下車、徒歩約10分 |
| 所要時間の目安 | 橋と犀星の径をあわせて20〜30分 |
| ベストな時間帯 | 人の少ない早朝。旧軽銀座が動き出す前が、この橋の本来の顔です |
行き方・駐車場
二手橋へは、旧軽井沢銀座通りを北の突き当たりまで歩くのがいちばん確実です。JR軽井沢駅北口からバスに乗り、約7分の「旧軽井沢」で下車。そこから銀座通りを抜けて徒歩約10分ほどで、木立の中の橋にたどり着きます。ここで知っておいてほしいことがあります。二手橋に専用の駐車場はありません。そもそも旧軽井沢銀座通り自体が歩行者で賑わう道で、車で橋の前まで乗り付けるという発想が向いていません。車で来る場合は、旧軽井沢ロータリー周辺の有料駐車場に停めて、あとは歩く。それがこの橋への正しい入り方です。もっとも、歩いて向かうこと自体がこの橋の体験の半分を占めています。土産物屋の賑わいが少しずつ遠のき、木立が濃くなり、水の音が近づいてくる。その移り変わりを足で味わってこそ、突き当たりの静けさが効いてきます。バスを降りてからの十分間は、無駄な時間ではありません。
軽井沢までの新幹線は早めに比較を
二手橋は旧軽井沢銀座通りの北端にあり、駅からバスと徒歩で完結します。現地でレンタカーは必要ありません。かかるのは軽井沢駅までの往復だけ。人のいない橋に立ちたいなら早朝が狙い目なので、宿と一緒に押さえてしまうのが確実です。








季節ごとの楽しみ方
春(3〜5月)
木々が芽吹き、川沿いの光が急に明るくなる季節。高原の春は遅く、四月でも朝は冷え込みます。訪れる人がまだ少なく、橋を独り占めできる可能性がいちばん高い時期です。
夏(6〜9月)
木立が濃く茂り、橋の周りだけ気温が数度下がったように感じられます。旧軽銀座が一年でいちばん混む季節ですが、この橋まで足を延ばす人はぐっと減ります。水辺なので虫は出ます。
秋(10〜11月)
木々が色づき、川面に葉が流れていきます。別れの橋という名前が、いちばんしっくりくる季節かもしれません。日が短いので、夕方の訪問は足元に注意を。
冬(12〜2月)
葉が落ちて視界が抜け、木立の骨格と橋の形がはっきり見えるようになります。訪れる人は極端に減り、静けさは一年で随一。冷え込みと路面の凍結には十分な備えを。
編集部おすすめの過ごし方 5選

1. 欄干にもたれて、水の音だけを聞く
この橋には見るべき絶景がありません。あるのは水の音と、木立の匂いと、自分の足音が消えたあとの静けさだけです。だからこそ、何もしない時間が似合います。五分でいい、ただ立ってみてください。

2. 犀星の径を歩き、文学碑の前に立つ
橋のたもとから続く小道が犀星の径です。苔むした石積みを背に、室生犀星の文学碑が静かに立っています。軽井沢を愛した文人が何を見ていたのか、同じ場所に立つと少しだけわかります。

3. 川沿いの石像に、時間の長さを見る
川沿いには古い石像が佇んでいます。誰が、いつ置いたのか。二百年前、この橋で客を見送った人たちも、同じ石を見ていたのかもしれません。想像するには十分な材料です。

4. 旧軽の賑わいと、続けて歩く
旧軽井沢銀座通りの人混みで火照った頭を、この木立で冷ます。軽井沢という街の振れ幅は、この二つを同じ日に歩いて初めて実感できます。順番は銀座通りからが自然です。

5. 足を延ばして、旧碓氷峠へ向かう
二手橋の先は、旧碓氷峠へ向かうハイキングコースにつながっています。橋を渡って一時間半ほど登れば、県境の大パノラマが待っています。本気で歩く日は、この橋がスタート地点です。
あわせて回りたい、近くの見どころ

旧軽井沢銀座通り
二手橋へ向かうなら、必ず通ることになる道。煉瓦色の石畳が続く、避暑地の顔とも言える商店街です。通行は無料の公道で、石窯パンやソフトクリームの食べ歩きが名物。この賑わいと、橋の静けさの落差こそが軽井沢の正体です。

軽井沢ショー記念礼拝堂
1895年に軽井沢最初の教会建造物として建てられた、今も現役の礼拝堂。軽井沢を避暑地として世に知らしめたA.C.ショー師が宣教師をつとめた教会で、日中は年間を通して原則開かれています。橋の静けさの次に、木の静けさを。

旧碓氷峠見晴台
標高約1,200m、長野と群馬の県境に立つ展望台。浅間山から八ヶ岳まで一望できます。軽井沢町公式サイトによれば、旧軽井沢銀座通り入口から旧碓氷峠ハイキングコースを徒歩約1時間30分。その道は、二手橋のすぐ先から始まります。

万平ホテル
起源は1764年開業の「亀屋」、現在のアルプス館は1936年完成というクラシックホテル。カフェテラスは宿泊者以外も利用できます(予約は受け付けず順番待ち受付)。橋の静けさに浸ったあとの一服にどうぞ。

雲場池
スワンレイクの愛称を持つ、周囲約800mの池。風が凪ぐと水面が鏡になり、新緑や紅葉をそのまま映します。二手橋の「流れる水」に対して、こちらは「静止した水」。同じ日に両方歩くと、軽井沢の水の表情の幅がわかります。
近くの人気飲食店
二手橋のほとりに飲食店はありません。ここでは、橋へ向かう道である旧軽井沢銀座通り沿いの、老舗2店をご紹介します。どちらも橋から歩いて戻れる距離です。
- ☕ミカドコーヒー 軽井沢旧道店カフェ・喫茶旧軽井沢銀座通り沿い/10:00〜17:00(季節により異なり要確認)/不定休(夏期無休)/〜¥999📍Googleマップで現在地からのルートを見る
旧軽銀座の名物、モカソフトの店。橋から戻ってきた足で、そのまま列に並べます。木立の中で冷えた体に、冷たいソフトというのも妙な話ですが、これが軽井沢の作法です。
食べログで見る › - 🥐ブランジェ浅野屋 軽井沢旧道本店パン・ベーカリー旧軽井沢銀座通り沿い/9:00〜17:00(7月中旬〜8月は7:00〜21:00)/無休/昼〜¥999📍Googleマップで現在地からのルートを見る
1933年から旧軽で焼き続けている老舗ベーカリー。夏場は朝7時から開いているので、人のいない早朝の二手橋を狙うなら、ここでパンを買ってから向かうという手が使えます。
食べログで見る ›
※営業時間、定休日は季節により変動することがあります。訪問前に最新情報をご確認ください。
撮影のコツ
二手橋は「映える橋」ではありません。派手さも絶景もない。それでも撮る価値があるのは、ここに静けさそのものが写るからです。そのための実践的なコツをまとめました。
橋そのものより、橋から見える景色を撮る二手橋は小さく地味な橋です。橋の全景を撮ると、ただの古い橋の写真にしかなりません。狙うべきは欄干に手をかけて見下ろした先、木立と水の続きです。橋は主役でなく、額縁として使ってください。
石像や苔を、引かずに寄って撮る木立の中は光が乏しく、引いて撮ると全体がぼんやり沈みます。石像、苔、濡れた岩肌。近づいて質感を撮ったほうが、この場所の湿った空気が伝わります。
晴天より、雨上がりを狙う木立と苔と沢の組み合わせは、乾いていると色が出ません。雨上がりに来ると、苔が発色し、水量が増え、空気に霧が混じります。天気予報が悪い日こそ、この橋の当たり日です。
碑文は、正面から真っすぐに文学碑を斜めから撮ると文字が歪んで読めなくなります。碑と正対して、真っすぐ。読める写真は、あとで自分が読み返すときにいちばん効きます。
このエリアの宿(料金比較)
人のいない二手橋に立てるのは、早朝だけです。日中の旧軽銀座は人で埋まり、その流れは橋の手前まで届きます。日帰りでこの時間に合わせるのはかなり難しい。逆に言えば、軽井沢に泊まった人だけが、本来の静けさの中でこの橋を渡れます。

軽井沢エリア(旧軽井沢周辺)
早朝の静けさを狙い撃ちする滞在向き※上記は表示イメージのサンプル価格です。実際の料金・プラン・空室状況は各予約サイトの最新情報をご確認ください。
あると助かるアイテム
二手橋は木立の中の水辺です。売店も自販機もありません。虫と冷えと足元、この三つに備えておけば、静けさを気持ちよく味わえます。
歩きやすい靴橋のそばに駐車場はなく、旧軽井沢から歩いて向かうことになります。橋の先の犀星の径は土と落ち葉の道で、雨上がりはよく滑ります。旧碓氷峠まで足を延ばすなら、なおさら足元が要です。
虫除けスプレー木立に囲まれた水辺です。夏場、橋の上で立ち止まって水音を聞いていると、確実に狙われます。せっかくの静けさの中で腕をはたいていては元も子もありません。
防寒・防風パーカー木立の底の橋は、旧軽銀座より体感で数度低く感じます。真夏でも早朝ははっきり涼しい。羽織り一枚あるかないかで、橋の上に留まっていられる時間がまるで変わります。
折りたたみ傘この橋がいちばん美しいのは雨上がりです。つまり、雨の日に出かける価値があるということ。木立が雨をある程度は防いでくれますが、犀星の径を歩くなら一本あると心強いです。
水筒橋のほとりに売店も自販機もありません。早朝なら旧軽銀座の店もまだ開いていない時間です。温かいものを入れておくと、水音を聞く時間がそのままご褒美になります。
よくあるご質問(FAQ)
二手橋の名前の由来を教えてください。
中山道の軽井沢宿は江戸から十八番目の宿場で、旅籠は最盛期に百軒近くを数え、数百人の飯盛女が働いていたと伝えられます。宿場の江戸側の出入口にあたるこの場所で、飯盛女たちが旅立つ客を見送り、そこで二手に分かれたことが名の由来とされる説が有力です。旅籠で出会った旅人同士が名残を惜しんで別れた橋、という説も語られています。
二手橋に駐車場はありますか。
二手橋に専用駐車場はありません。旧軽井沢ロータリー周辺の有料駐車場に停めて、旧軽井沢銀座通りを歩いて向かうことになります。
二手橋の見学に料金はかかりますか。
かかりません。公道に架かる橋のため、通年無料で通行・見学できます。
二手橋へのアクセス方法を教えてください。
JR軽井沢駅北口からバスで約7分、「旧軽井沢」で下車し、旧軽井沢銀座通りを北へ徒歩約10分です。銀座通りの突き当たりの先、木立の中にあります。
二手橋の周辺には何がありますか。
橋のたもとからは犀星の径と呼ばれる小道が続き、室生犀星文学碑が立っています。また橋の先は旧碓氷峠へ向かうハイキングコースにつながっており、軽井沢町公式サイトによれば旧軽井沢銀座通り入口から見晴台まで徒歩約1時間30分です。
二手橋は、軽井沢モデルコースの旧軽さんぽの締めに置くのが黄金ルート。全行程の回り方はモデルコースでどうぞ。
航空券も、まとめて比較
遠方から軽井沢を目指すなら、羽田や成田までの国内線をANA、JAL、スカイマークなど横断比較。空席は日々動くので早めのチェックが安心です。
















