「大鳥居を見て、お参りして、それで帰るのはもったいない」。
宮島口からフェリーに乗り込みながら、そう思った。海に浮かぶ朱の鳥居は、もう写真で知っている。今回の旅の主役は、この島が瀬戸内から受け取ってきた味のほうだ。
島に着いて、まずはあなご飯
フェリーがわずか十分で桟橋に着く。潮の匂いをたどって参道に入ると、どこからか香ばしいタレの匂いが流れてきた。宮島のあなご飯は、瀬戸内でよく獲れた穴子を焼き、甘辛いタレをまとわせて、炊き込んだご飯の上に隙間なく並べる。もとは宮島口の駅弁から広まったものだという。ふっくらした身に箸を入れると、ほろりとほどけて、香ばしさと甘みが一度に押し寄せる。海の青さより先に、この一杯で「宮島に来た」と体が納得した。

炭の上で、牡蠣がひらく
表参道商店街を歩けば、店先の網の上でぱちぱちと音を立てて牡蠣が焼かれている。広島は全国有数の牡蠣どころで、宮島はその海の玄関口。殻ごと網にのせると、やがて口がかぱっとひらき、湯気と潮の香りが立ちのぼる。熱いのをレモンでいただくと、ぷりっとした身から海のうまみがあふれ出した。冬が旬というが、通年で焼き牡蠣や牡蠣フライを出す店も多い。一個ずつ買って、歩きながら頬張るのが宮島の作法だと教わった。

参道は、甘い匂いの通り道
お腹が落ち着いたら、参道の食べ歩き。宮島銘菓のもみじ饅頭は、こしあんや粒あん、クリーム、チーズと種類も豊富で、焼きたてを一個から買える。さらに驚いたのが揚げもみじ。もみじ饅頭を串に刺して衣をつけ、からりと揚げた宮島生まれのおやつで、紅葉堂が始めたものだという。外はさっくり、中の生地はふんわり温かく、あんがとろける。焼きたての和菓子を手に、鹿が寝そべる参道をそぞろ歩く。これ以上ぜいたくな午後があるだろうか。

絶景は、写真でも知っていた。
けれど島の味は、来て、食べて、はじめて出会える。
潮が満ちて、鳥居が海に浮かぶ
午後、参拝のため厳島神社へ。ちょうど潮が満ちてきて、朱塗りの回廊も、沖の大鳥居も、海の上にゆらりと浮かんで見える。宮島は島そのものが古くから神の宿る場所とされ、社殿を海の上に建てたのもそのためだという。回廊を渡る風は涼しく、さっき食べた甘いものの余韻を、ゆっくりと落ち着かせてくれた。干潮になれば鳥居の根元まで歩いて行けると聞く。潮の時刻を調べて、満ちる海と引く海、どちらも見てから帰りたくなった。

弥山を下りて、最後の一杯
ロープウェーで弥山の中腹へ上がると、瀬戸内の島々が銀色に光っていた。原始のままの森を抜けて展望台に立つと、風が汗を流していく。下山して参道に戻り、島の焙煎所のコーヒーで一日を締めくくった。夕暮れが近づくと、大鳥居のシルエットが茜色の空に沈んでいく。絶景の展望台よりも、あなご飯ののれんをくぐった瞬間や、焼き牡蠣を頬張った参道のほうが、なぜか強く胸に残っている。宮島は絶景の島で、そして間違いなく、うまい島だった。

マリンちゃんさあ、あなたも
味わいに行こう。
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登録不要ですぐ試せます・1日3回まで無料ここからは、はじめての宮島グルメでも迷わないための実用ガイドです。地元でも評価の高い名店16軒を、あなご飯、焼き牡蠣・海鮮、島の食事処、もみじ饅頭・スイーツ、カフェの5カテゴリに分けて、営業時間、定休日、予算、桟橋からの目安つきで紹介。実際の営業時間で組んだ食べ歩き1日モデルプラン、旅程づくりに効く定休日早見表、名物の相場、宿の料金比較まで、この1ページで宮島の食は全部わかります。
宮島に来たら、最初の一食は迷わずあなご飯を。瀬戸内で獲れた穴子を焼き、甘辛いタレで炊いたご飯にのせる島の看板料理で、相場は1杯2,000円前後。人気店は昼が勝負で、売り切れ次第のれんを下ろす店もあります。混み合う前の11時台の入店がいちばん確実です。
あなごめしうえの 宮島口本店あなご飯宮島口★3.653,607件明治後期創業、あなご飯の駅弁を世に広めたとされる名店。宮島口の桟橋そばにあり、店内での食事は10時から、弁当の受け渡しは9時からと朝が早いのが特徴です。焼いた穴子の香ばしさと甘辛いタレ、炊き込みご飯の三位一体は行列必至。フェリーに乗る前後どちらでも寄れます。予算は2,000円台が目安。
ふじたやあなご飯宮島・大聖院近く★3.57936件島内であなご飯といえば名前が挙がる老舗。厳島神社から大聖院へ向かう静かな通りにあり、穴子をふっくらと焼き上げた一杯は身がほろりとほどけます。営業は昼のみで、売り切れると早じまいすることもあるため、早めの時間がおすすめ。落ち着いて島の看板料理を味わいたい人に。
みこと屋あなご飯宮島・町家通り★3.5353件穴子を丁寧に仕込む、こぢんまりとした一軒。店内飲食は昼と夜の二部制で、お弁当は11時から売り切れ次第の販売です。時間帯によっては予約や取り置きが安心。喧騒から少し離れて、穴子そのものの味をじっくり楽しみたいときに向いています。予算は3,000円台が目安。
あなごめし 和田あなご飯宮島・表参道★3.47334件表参道商店街の一角で、あなご飯を手ごろに味わえる人気店。11時から売り切れ次第の営業で、観光の合間にふらりと寄れる立地が魅力です。香ばしく焼いた穴子とタレのしみたご飯は、食べ歩きの多い宮島でしっかり座って食べたいときの一杯にぴったり。
広島は全国有数の牡蠣の産地。宮島の表参道では、店先で殻ごと焼く焼き牡蠣を1個から食べ歩きできます。旬は冬ですが、通年で焼き牡蠣や牡蠣フライを出す店も。熱々を立ち食いするのが島の醍醐味です。
焼がきの はやし牡蠣宮島・清盛通り★3.721,010件宮島で焼き牡蠣といえばまず名が挙がる、島内屈指の高評価店。殻付きのまま炭で焼いた牡蠣は、身がぷっくりと縮まず、海のうまみがぎゅっと詰まっています。焼き牡蠣のほか牡蠣フライや牡蠣めしなど、牡蠣づくしの定食も充実。着席でゆっくり味わえるのも人気の理由です。
牡蠣屋牡蠣宮島・表参道★3.562,067件表参道商店街にある牡蠣専門店。焼き牡蠣、牡蠣フライ、生牡蠣まで一皿で食べ比べられる「牡蠣屋定食」が名物で、牡蠣に合わせた自家製オイルやワインも揃うオイスターバー的な一軒です。シーズンにより営業時間が変わり、売り切れ次第閉店するため、早い時間の来店が安心です。
沖野水産海鮮宮島・表参道★3.43179件店頭の網で焼き牡蠣を焼く、食べ歩きにうれしい海鮮の店。焼き牡蠣を1個から買え、穴子の串やあなご飯なども手ごろに楽しめます。予算は数百円からと財布にやさしく、参道歩きの途中でつまむのにぴったり。熱々を立ち食いする、宮島らしい一品を気軽にどうぞ。
食べ歩きに疲れたら、腰を据えて瀬戸内の恵みを。穴子や牡蠣を使った郷土料理から、地の魚を握る寿司まで、宮島には落ち着いて食事ができる店もそろっています。夜まで営業する店は島内では貴重なので、予約が安心です。
天扇寿司宮島・町家通り★3.66155件瀬戸内の地魚や穴子を握る、島内でも評価の高い寿司・創作料理の店。昼はランチ、夜はおまかせのコースが中心で、静かな町家通りで落ち着いて味わえます。ディナーは特別な日向けの価格帯なので、まずはランチでその実力を試すのもおすすめ。人気店のため予約が確実です。
まめたぬき郷土料理宮島・錦水館内★3.49625件老舗旅館「錦水館」に併設された郷土料理の食事処。あなご飯や牡蠣料理はもちろん、穴子の握りや島の惣菜を一度に楽しめる欲張りな一軒です。昼も夜も営業しているので、島内で夕食をとりたいときの心強い選択肢。予算は3,000円台からが目安です。
いな忠食堂宮島・清盛通り★3.47369件あなご飯やうどん、海鮮の定食を出す、地元にも観光客にも愛される食堂。店先で揚げもみじも売っており、食事のあとにそのまま食べ歩きへ移れます。土日祝は営業時間が少し長め。気取らず宮島の定番をひととおり味わいたいときに便利な一軒です。
宮島の食べ歩きといえば、もみじ饅頭と揚げもみじ。焼きたてのもみじ饅頭は1個100円前後、揚げもみじは1本200円前後と、数百円で幸せになれる寄り道がそろいます。あんの種類やクリーム、チーズなど、店ごとの個性を食べ比べるのも楽しみ方です。
紅葉堂 本店揚げもみじ宮島・表参道★3.641,795件もみじ饅頭を串に刺して揚げた「揚げもみじ」を生み出したとされる、明治後期創業の老舗。定番のこしあんに加え、クリームやチーズなど揚げもみじのバリエーションも豊富です。表参道商店街の中ほどにあり、店先で受け取る揚げたてはさっくり熱々。宮島の食べ歩きの主役です。
岩村もみじ屋もみじ饅頭宮島・中江町★3.64639件古くから続く、昔ながらのもみじ饅頭一筋の店。素朴で上品なこしあんの饅頭は、焼きたてを一個から買えます。派手さはないぶん生地とあんの素直なおいしさが際立ち、ファンの多い一軒。売り切れ次第閉店することもあるので、見かけたら迷わず手に取るのがおすすめです。
紅葉堂弐番屋揚げもみじ宮島・表参道★3.61752件紅葉堂の姉妹店で、揚げもみじの食べ歩きに特化した一軒。表参道の分かりやすい場所にあり、注文してから揚げてくれる熱々を、歩きながら頬張れます。こしあんやクリーム、チーズなど数種類がそろい、価格は数百円。行列していても回転が速く、待ち時間が短いのもうれしいところ。
博多屋もみじ饅頭宮島・表参道★3.57440件もみじ饅頭と、生地がしっとりもちもちの「生もみじ」で知られる店。表参道商店街にあり、こしあんや抹茶など種類も多彩。焼きたてを試食させてくれることもあり、食べ比べておみやげを選べます。価格は1個100円台からと手ごろで、まとめ買いにも便利な一軒です。
宮島は日帰りの参拝客が多く、夜は驚くほど静かになる島。だからこそ、歩き疲れた午後のカフェ時間が贅沢です。自家焙煎のコーヒーや手作りのケーキで、潮の香る島の空気の中、ひと息つきましょう。多くの店が夕方には閉まるので、休憩は早めが正解です。
宮島珈琲カフェ宮島・表参道★3.51372件表参道商店街で味わえる、こだわりのコーヒーが評判のカフェ。丁寧に淹れた一杯とスイーツで、食べ歩きの合間にほっと落ち着けます。テイクアウトにも対応しているので、コーヒー片手に参道を歩くのも気持ちのいい過ごし方。9時から開くので、朝いちばんの一杯にもうってつけです。
サラスヴァティカフェ宮島・表参道★3.49171件ケーキとコーヒーを楽しめる、島では少し大人びた雰囲気のカフェ。自家製のスイーツと本格的なコーヒーが評判で、夜はバーとしても使えます。参道の喧騒からひと息つきたいときの隠れ家的な一軒。予算は1,000円台からと、ゆっくり過ごすご褒美休憩にちょうどいい価格帯です。
※営業時間、定休日、価格は2026年8月時点の公開情報です。島の店は臨時休業や早じまい、季節による時間変更も多いため、訪問前に最新情報をご確認ください。「食べログで見る・予約」は食べログの各店舗ページへ移動します。ネット予約に対応していない店舗は、掲載の電話番号からご予約ください。
風景写真はWikimedia Commonsのライセンス画像を使用しています: 大鳥居の夕景 (Jakub Hałun, CC BY 4.0)、大鳥居 (Pistachio001, CC BY-SA 3.0)、社殿と鏡の池 (さかおり, CC BY-SA 4.0)、紅葉谷 (tina_kazusa, CC BY 3.0)、弥山からの眺め (HKT3012, CC BY-SA 4.0)、表参道商店街 (芦田荒角, CC BY-SA 4.0)、社殿と鳥居 (Bernard Gagnon, CC BY-SA 3.0)、もみじ饅頭 (Ocdp, CC0)。店舗写真は食べログ掲載の各店舗ページより。
食べ歩き1日モデルプラン|実際の営業時間で組んだ一日
16店の営業時間をもとに、フェリーで渡ってから夕暮れの大鳥居まで、無理なく回れる一日を組みました。あなご飯に始まり、焼き牡蠣と揚げもみじの食べ歩き、そして潮の満ち引きと絶景で締める、宮島まるごと一日です。
- 9:30
宮島口からフェリーで渡る約10分の船旅。デッキから海に浮かぶ大鳥居が近づいてくる。うえのの弁当を先に確保しても食べログ予約 › - 10:00
厳島神社を参拝朝のうちに社殿と回廊へ。潮の時刻を調べて、満ち潮なら海に浮かぶ大鳥居を狙う - 11:00
ふじたやであなご飯開店直後を狙って島の看板料理を。売り切れ前の早い時間が安心(不定休)食べログ予約 › - 12:30
焼がきの はやしで焼き牡蠣殻ごと炭火で焼いた牡蠣を。海のうまみを熱々のうちにレモンで(水、木休)食べログ予約 › - 14:00
紅葉堂 本店で揚げもみじ揚げたてのさっくり熱々を、鹿の歩く参道を眺めながら食べ歩き(不定休)食べログ予約 › - 15:00
宮島珈琲でひと休み丁寧に淹れた一杯で、歩き疲れた体をクールダウン。弥山や紅葉谷へ向かう前に食べログ予約 › - 17:00
大鳥居の夕景を眺める茜色に染まる海と鳥居のシルエット。今日食べたものを思い返しながら、島時間の締めくくり
定休日早見表|木曜と水曜は要注意
宮島の食べ歩きには、実は「曜日の罠」があります。とくに木曜はあなご・牡蠣の名店が重なって休むので、旅程づくりの前にこの表をチェックしてください。
| 月曜 | みこと屋 |
|---|---|
| 火曜 | あなごめし 和田、天扇(第1、第3火曜) |
| 水曜 | 焼がきの はやし、天扇。焼き牡蠣の名店と寿司が休み。あなごめしうえのは水曜も営業しています |
| 木曜 | 焼がきの はやし、あなごめし 和田、いな忠。あなご・牡蠣・食堂の主力が重なって休み。木曜はふじたや、牡蠣屋、うえのが頼りになります |
| 金曜 | 定休の店はほぼなし。そのぶん混むので、昼は早めに |
| 土日 | ほとんどの店が営業。参拝客で混み合うため、あなご飯は開店直後を狙って |
| 不定休 | ふじたや、牡蠣屋、沖野水産、まめたぬき、紅葉堂 本店、岩村もみじ屋、紅葉堂弐番屋、博多屋、宮島珈琲、サラスヴァティ。当日の営業はSNSや電話で確認を |
宮島の名物お品書き
店選びに迷ったら、まずは島の名物から。どれも瀬戸内の海と宮島の歴史が育てた、ここでしか出会えない味です。
エリア別・宮島グルメの楽しみ方
宮島の食は、エリアごとに顔が変わります。桟橋から続く表参道を軸に、社殿まわりや紅葉谷、本土側の宮島口を組み合わせるのがおすすめです。
表参道商店街 | 桟橋から厳島神社へ続く食べ歩きの中心。焼き牡蠣、揚げもみじ、もみじ饅頭の名店が軒を連ね、宮島グルメの大半はこの通りで味わえます |
|---|---|
厳島神社・大鳥居周辺 | 参拝の前後に立ち寄れるあなご飯の名店や甘味処が点在。潮の満ち引きで表情を変える大鳥居とセットで巡りたいエリア |
紅葉谷・大聖院エリア | 弥山ロープウェーの入口となる紅葉の名所。商店街の喧騒から少し離れ、静かに甘味やコーヒーで休みたいときに |
宮島口(本土側) | フェリー乗り場のある本土側。あなご飯発祥とされる名店や牡蠣の店があり、渡る前後の食事に便利です |
予約・混雑・旅のコツ
- あなご飯は昼前が狙い目:人気店は昼どきに行列ができ、売り切れ次第閉まる店もあります。開店直後の11時台の入店が安心です。
- 島は徒歩で回れる:名店の多くは桟橋から続く表参道に集まっています。宮島島内は歩いて食べ歩けるのが魅力。荷物はコインロッカーに預けて身軽に。
- アクセスはJRとフェリー:広島市街からJRで宮島口へ、そこからフェリーで約10分。宮島・広島の宿を比較して、朝いちばんの静かな島を狙うのもおすすめです。
- 夜は静か、休憩は早めに:宮島は日帰り客が多く、夕方には多くの店が閉まります。カフェ休憩や買い物は早めに済ませ、島に泊まるなら夜の静けさと朝の大鳥居を独り占めできます。
モデルコースに組み込むなら
参拝と食を無理なく両立させるなら、朝の参拝、昼のあなご飯、午後の食べ歩きという一日の型がおすすめです。広島の旅程づくりは、尾道・しまなみ海道モデルコースもあわせて参考にどうぞ。宮島の大鳥居や弥山の絶景に、この記事の名店を差し込めば、景色と味の両方で忘れられない旅になります。
宮島の宿を比較して予約する
食べ歩きの拠点は、島に泊まって夜と朝の静けさを味わうか、広島市街を拠点に動くかで旅の性格が変わります。同じ宿でも予約サイト(OTA)ごとに料金やプラン、ポイント還元が異なるため、複数サイトを見比べてから予約するのがいちばんお得です(下記の価格は表示イメージのサンプルです)。
※TRAVEL HUBは各予約サイトの料金をまとめて比較できるメディアです。当サイト自体は予約・決済を行いません。宮島の宿をまとめて比較する




宮島口(本土側)


