
瑠璃光院 夏の特別拝観(るりこういん)
磨き上げられた黒い机に、窓の外のもみじが落ちている。二階の書院に上がった人だけが、その一瞬に息を止める。
このページでわかること
- 瑠璃光院の「床みどり」が生まれる仕組みと、編集部5指標による評価
- 夏の特別拝観の期間・時間・拝観料と、秋との決定的な違い(夏は予約不要)
- 叡電八瀬比叡山口駅からの行き方と、鞍馬・貴船とつなぐ叡電1本の組み立て
- 編集部おすすめの過ごし方5選と、あわせて回りたい近くの見どころ
- 洛北エリアの宿の料金比較(楽天トラベル、じゃらん、Booking.com)
瑠璃光院ってどんなお寺?
京都の北、比叡山の麓に八瀬という小さな里があります。壬申の乱で背に矢を受けた大海人皇子が、この地の釜風呂で傷を癒したという伝承から「矢背」と書いたとも伝わる、古くからの保養の地です。瑠璃光院は、その山あいに建つ浄土真宗の寺院。もとは大正から昭和にかけて整えられた数寄屋造りの別荘で、一年のうち限られた期間しか門を開きません。この寺の名を全国に知らしめたのが、二階の書院にある一枚の写経机です。磨き込まれた黒い天板が、大きく開いた窓の外の景色を、そっくりそのまま映し取る。秋なら燃えるような紅葉が机の上に落ちて「床もみじ」に、そして夏は、山の斜面を覆い尽くす新緑が机に降りてきて「床みどり」になります。理屈で言えば、ただの反射です。けれど実際にその部屋に上がると、誰もが言葉を失って立ち止まる。窓の外に緑があり、机の上にも緑があり、その二つの緑のあいだに、自分だけがいる。畳に座って見上げれば、緑は天井にまで届いています。秋の瑠璃光院は予約が要る、人気の頂点のような場所です。けれど夏は違います。2026年の夏の特別拝観は7月1日から8月17日まで、予約不要。同じ机に、同じ静けさで、ふらりと会いに行けます。庭には瑠璃色に苔むした「瑠璃の庭」が広がり、山門への石段はひんやりと湿っている。京都市街が体温を超える日でも、ここは八瀬の谷風が通っていきます。
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基本情報
| 名称 | 無量寿山 光明寺 京都本院 瑠璃光院 |
|---|---|
| 所在地 | 京都府京都市左京区上高野東山55 |
| 夏の特別拝観 | 2026年7月1日(水)〜8月17日(月)予定。通年公開ではないため、期間外は拝観できません |
| 拝観時間 | 10:00〜17:00(受付終了16:30) |
| 拝観料 | 大人(18歳以上)2,000円/学生(中高生)1,000円 ※学生証の提示が必要 |
| 予約 | 夏の特別拝観は予約不要、直接来訪できます(秋の特別拝観は予約制)。最新は公式サイトでご確認ください |
| アクセス | 叡山電鉄「八瀬比叡山口」駅から徒歩約5分 |
| 所要時間の目安 | 1時間〜1時間30分(書院、瑠璃の庭、臥龍の庭をゆっくり) |
行き方・拝観の順路
出町柳駅から叡山電鉄に乗って約15分、終点のひとつ「八瀬比叡山口」で降ります。ホームに降りた瞬間、空気の温度が違うのがわかるはずです。駅から高野川沿いを上流へ徒歩約5分。石段を上がった先が山門です。この寺は通年公開ではありません。2026年の夏の特別拝観は7月1日〜8月17日の予定で、10時開門、受付は16時30分まで。夏は予約不要なので、朝いちばんに叡電で来て、鞍馬・貴船へ抜ける日程が組みやすいのが利点です(秋は予約制になり、この気軽さがなくなります)。書院では靴を脱いで上がるので、脱ぎ履ぎしやすい靴が快適。市内観光は電車が速いですが、京都府北部まで足を伸ばす日があるならレンタカーの最安値比較もどうぞ。
八瀬へは叡電が最短。クルマは郊外の日に
瑠璃光院そのものは叡電八瀬比叡山口駅から徒歩5分で、周辺は道が細く駐車も限られます。ただ、大原や美山、日本海側まで足を伸ばす日があるなら、レンタカーの有無で一日の射程が変わります。夏休みは車両が早く埋まるので、日程が決まった時点での確保が安心です。














季節ごとの楽しみ方
春(3〜5月)
春の特別拝観が行われる年があります。芽吹いたばかりのもみじは葉が薄く、机に映る緑がいちばん明るく、透明に近い季節です。
夏(6〜9月)
2026年は7/1〜8/17が夏の特別拝観。予約不要で「床みどり」に会える貴重な期間です。八瀬は市街より涼しく、書院に吹き抜ける谷風がごちそうになります。
秋(10〜11月)
「床もみじ」の本番。全国から人が集まり、拝観は予約制になります。夏とは料金・条件が変わるので、必ず公式で確認を。
冬(12〜2月)
基本的に公開期間外で、門は閉じています。八瀬は雪が積もる土地ですが、その景色を境内から見られる機会はごく限られます。
編集部おすすめの過ごし方 5選

1. 10時の開門に合わせて、二階へまっすぐ上がる
「床みどり」の主役は写経机です。開門直後なら机の前が空いていて、誰の背中も映り込みません。まず二階、それから庭。この順番だけは守る価値があります。

2. 立って見ず、畳に座って見上げる
ほとんどの人が立ったまま机を見下ろして、写真を撮って帰ります。畳に腰を下ろすと、窓の外の緑と机の緑が視線の高さでつながり、部屋そのものが緑に沈んで見える。これが本当の見え方です。

3. 「瑠璃の庭」の苔を、しゃがんで見る
瑠璃色に輝くことからその名がついた庭。一面の苔は、遠目には絨毯ですが、しゃがむと一本一本が小さな森だとわかります。雨あがりの日は色が濃く、いちばん瑠璃に近づきます。

4. 山門の石段で、街の暑さを脱ぐ
八瀬比叡山口駅から高野川沿いを歩いて、この石段の下に立つ。ここから上は空気が変わります。急がずに一段ずつ上がると、街で溜め込んだ熱が抜けていくのがわかる。拝観はもう始まっています。

5. 叡電1本で、鞍馬・貴船へ北上する
八瀬も鞍馬も貴船も、すべて叡電沿線。午前に瑠璃光院、午後は鞍馬の木の根道か貴船の川床、という一日は、市街に一度も戻らずに涼だけを渡り歩く贅沢な組み立てです。
あわせて回りたい、近くの見どころ

鞍馬寺・木の根道
瑠璃光院と同じ叡電沿線の山寺。杉木立が夏も木陰を作る天然クーラーです。愛山費500円、本殿は9:00〜16:15。鞍馬から貴船西門へ抜ける約2.5kmの山越えは、徒歩約90分の名物ルート。詳しくは鞍馬寺で紹介しています。

下鴨神社 糺の森・みたらし祭
世界遺産。叡電の起点・出町柳から徒歩圏で、瑠璃光院の帰りに寄れます。原生林の糺の森は真夏でも涼しく、7月下旬のみたらし祭では御手洗池に膝下まで浸かれます(献灯料500円)。詳しくは下鴨神社で紹介しています。

鴨川デルタ
叡電の終点・出町柳の目の前。賀茂川と高野川が出会う三角州で、亀や千鳥の飛び石を渡って川に降りられます。無料、常時開放。八瀬からの帰り道、夕涼みにそのまま寄れる位置です。飛び石の渡り方は鴨川デルタで紹介しています。
近くの人気飲食店
八瀬は山あいの小さな里で、店の数はごく限られます。だからこそ、ここにある一軒はどれも理由があって残っている店です。
コーヒースタンド 聖 八瀬比叡山口コーヒースタンド・テイクアウト9:00〜16:00/八瀬比叡山口駅から徒歩約1分📍Googleマップで現在地からのルートを見る高野川のほとりにトレーラーハウスで構える、京都大原のコーヒースタンド聖の2号店。大原名物の赤紫蘇を使ったティーやジュース、ジェラートが夏の看板です。基本はテイクアウトですが、わずかにテラス席あり。叡電を降りて拝観前の一杯にも、帰りの待ち時間にも。
公式サイトを見る ›
山ばな平八茶屋日本料理・懐石昼11:30〜15:00(最終入店13:00)/夜17:00〜21:30(最終入店19:00)/水曜定休、夏季・冬季休業あり/京都市左京区山端川岸町8-1📍Googleマップで現在地からのルートを見る16世紀末の天正年間に、若狭街道(鯖街道)の街道茶屋として創業した洛北の老舗料亭。名物は創業以来の「麦飯とろろ汁」で、丹波産つくね芋を出汁でなめらかにのばした一椀です。瑠璃光院と同じ高野川沿い、叡電で数分の距離。特別拝観の日を、そのまま特別な一日にしたい人へ。
公式サイトを見る ›
※営業時間、定休日は季節により変動することがあります。訪問前に最新情報をご確認ください。
撮影と拝観のコツ
「床みどり」は、条件が揃わないと写真に写りません。同じ机の前に立っても、帰ってから見返して落胆する人と、息を呑む人がいます。分かれ目は3つだけです。
カメラを机の高さまで下げる立ったまま見下ろすと、映るのは天板そのもの。腰を落として天板とほぼ同じ高さから見ると、反射の角度が変わって緑が濃く立ち上がります。「床みどり」が撮れないという声のほとんどは、目線が高すぎるだけです。
窓の外と机を、一枚に入れる机の反射だけを切り取ると、何を見ているのかわからない絵になります。窓枠、外の本物の緑、机の中の緑。この3つを縦に重ねると、あの部屋で起きていることが写真の中でも起きます。
三脚は使わない、撮ったら譲る公式に三脚・一脚の使用と商用写真の無断撮影は禁止されています。机は多くの人が待つ場所なので、長い居座りは景色そのものを壊します。手持ちで数枚撮って、あとは目で見る。それがいちばん濃く残ります。
このエリアの宿(料金比較)
八瀬・大原を含む洛北は、京都市街の喧騒から一歩引いた場所。夜になると虫の声しかしない土地に泊まると、朝10時の開門にいちばん近い場所から一日が始まります。市街のホテルから叡電で来る人が大半だからこそ、この静けさは泊まった人だけのものです。

下鴨・上賀茂・貴船エリア(八瀬・洛北)
静けさと涼を求める滞在向き※上記は表示イメージのサンプル価格です。実際の料金・プラン・空室状況は各予約サイトの最新情報をご確認ください。
あると助かるアイテム
八瀬は山あい。駅から寺まで徒歩5分とはいえ、川沿いの道と石段があり、天気も市街とは別に動きます。持っていくと当日がラクになるものを5つ。
保冷ボトル(水筒)八瀬は自販機もコンビニもごくわずか。拝観に1時間半かかることを考えると、冷たい飲みものを持って叡電に乗るのが正解です。
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折りたたみ傘八瀬は比叡山の麓。市街が晴れていても、午後に山側だけ夕立が来ることがあります。苔と青もみじは雨あがりがいちばん美しいので、傘があれば雨は敵ではなくなります。
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UVカットのたためるハット駅から寺までの川沿いは日なた。書院に上がるときは脱ぐことになるので、鞄に押し込める畳めるタイプが正解です。
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歩きやすいシューズ山門への石段は苔が乗って湿っていることがあり、サンダルは滑ります。書院では靴を脱いで上がるので、脱ぎ履ぎが面倒でないものを選ぶと快適です。
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モバイルバッテリー書院では誰もが夢中で撮ります。そのうえ八瀬から鞍馬・貴船へ北上すると電波が弱く、電池の減りが加速します。叡電1本で一日を回すなら、あって困りません。
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よくあるご質問(FAQ)
瑠璃光院の夏の特別拝観はいつからいつまでですか。
2026年は7月1日(水)から8月17日(月)までの予定です。拝観時間は10:00〜17:00で、受付は16:30に終了します。瑠璃光院は通年公開ではなく、期間外は拝観できません。日程は年によって変わるため、必ず公式サイトで最新をご確認ください。
瑠璃光院の夏の拝観に予約は必要ですか。
夏は予約不要です。公式の案内でも「予約制ではございませんので直接お越しください」とされています。秋の特別拝観は予約制になるため、ふらりと訪ねられるのは夏ならではの利点です。
瑠璃光院の拝観料はいくらですか。
大人(18歳以上)2,000円、学生(中高生)1,000円です。学生料金には学生証の提示が必要です。京都の寺院としては高めの設定ですが、通年公開ではない書院と庭を含む拝観と考えると納得の内容です。
瑠璃光院で写真は撮れますか。
個人の通常撮影は可能です。ただし公式の案内で、三脚や一脚の使用、撮影会、商用写真の無断撮影は禁止されています。写経机の前は多くの人が待つ場所なので、手持ちで数枚撮ったら次の方に譲るのがマナーです。
「床みどり」はどうすればきれいに見えますか。
鍵は目線の高さです。立って見下ろすと机の天板そのものしか見えません。腰を落として天板とほぼ同じ高さから見ると、反射角が変わって緑が濃く立ち上がります。畳に座って窓の外と机を一続きに眺めるのが、いちばん深い見え方です。
瑠璃光院は、京都の夏 モデルコースの叡電1本で北へ抜ける一日に組み込むのが黄金ルート。全行程の回り方はモデルコースでどうぞ。
航空券も、まとめて比較
伊丹空港・関西空港ゆきの国内線をANA、JAL、ジェットスターなど横断比較。夏の京都は空席が日々動くので、早めのチェックが安心です。
















