
中町通り(なかまちどおり)
白と黒の格子模様が、通りの奥までずっと続いている。何度も焼けた町が、それでも諦めずに考え抜いた答えが、この美しさでした。
このページでわかること
- 中町通りになまこ壁の土蔵が並ぶことになった理由と、街並みの見どころ、編集部5指標による評価
- 中町・蔵シック館のなりたちと、4月から12月の土曜に立つ「日本一短い朝市」
- 行き方・駐車場と、松本城や縄手通りからの歩き方
- 編集部おすすめの過ごし方5選と、あわせて回りたい近くの見どころ
- 松本市街エリアの宿の料金比較(楽天、じゃらん、Booking.com)
中町通りってどんな通り?
白い漆喰に、黒い平瓦を菱形に貼り付けて、継ぎ目を白く盛り上げる。この模様をなまこ壁と呼びます。中町通りを歩くと、その白と黒の格子が、通りの奥までずっと続いていきます。これは装飾のために生まれた模様ではありません。中町は善光寺街道沿いの町で、酒造業や呉服の問屋が集まって栄えました。ところが江戸末期から明治にかけて、南深志一帯は何度も大火に見舞われ、主要な施設や町家が次々と失われます。燃えては建て、また燃える。その繰り返しのなかで、商人たちが選んだ答えが「土蔵」でした。分厚い土壁で火を防ぎ、その壁が雨で崩れないように瓦を貼る。生き延びるための必死の工夫が、結果としてこの端正な模様になったのです。美しさの正体が防火だったと知ってから見上げると、同じ壁がまるで違って見えてきます。今その蔵の中には、松本の民芸やクラフト、器の店、カフェが入っています。通りの中ほどにある中町・蔵シック館は、宮村町にあった造り酒屋「大禮酒造」の母屋、土蔵、離れの三棟を移築したもの。母屋と土蔵は明治21年に建てられたと伝わり、離れは大正12年の増築、平成8年10月に開館しました。松本駅から歩ける距離にありながら、一本入ればもう時間の進み方が違う。そういう通りです。
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基本情報
| 名称 | 中町通り(なかまちどおり) |
|---|---|
| 所在地 | 長野県松本市中央2丁目10-13 |
| 営業時間 | 通りの散策は自由。各店舗の営業時間、定休日は店ごとに異なります |
| 料金 | 散策自由(無料)。中町・蔵シック館も見学無料 |
| 街並み | 善光寺街道沿いの問屋町として発展。度重なる大火を受け、防火のために築かれたなまこ壁の土蔵が今も数多く残ります |
| 中町・蔵シック館 | 造り酒屋「大禮酒造」の母屋、土蔵、離れの三棟を移築し平成8年10月に開館。母屋と土蔵は明治21年築と伝わり、離れは大正12年の増築 |
| 朝市 | 4月〜12月の毎週土曜9:30〜。地元農家の野菜や季節の花が並び、10分ほどで売り切れる「日本一短い朝市」として知られます |
| アクセス | JR松本駅お城口から徒歩約15分。タウンスニーカー東コースで約5分。車は松本ICから約15分 |
| 問い合わせ | 中町商店街振興組合 0263-36-1421 |
| 所要時間の目安 | 通りを歩くだけなら30分、店をのぞきながらだと2時間以上 |
行き方・駐車場
JR松本駅お城口から東へ徒歩約15分。市内周遊バス「タウンスニーカー」東コースなら約5分で着きます。松本城からは南へ歩いて10分ほど、女鳥羽川を渡ればもう中町です。縄手通りとは川を挟んで向かい合っているので、橋を一本渡るだけで下町の賑わいから蔵の街へと表情が変わります。松本市美術館からも徒歩5分ほどと近く、街歩きの流れにそのまま組み込めます。車の場合は松本ICから約15分。通りは道幅が広くないので、市街の駐車場に停めて歩くのが確実です。松本を拠点に上高地や乗鞍まで足を延ばすなら、レンタカーの最安値比較もあわせてどうぞ。
レンタカーは早めに予約を
中町は徒歩とバスで回れますが、松本を拠点に上高地の沢渡駐車場や乗鞍高原、白骨温泉まで足を延ばすなら車が要ります。夏休みや連休は台数が早く埋まるので、宿と一緒に押さえるのが安心です。














季節ごとの楽しみ方
春(3〜5月)
4月から土曜の朝市が始まります。松本城の花見のあとに川を渡って中町へ、という流れがいちばん気持ちのいい季節。朝市は9:30から、10分ほどで完売します。
夏(6〜8月)
白壁が日差しを跳ね返して眩しいほど。蔵を使った店やカフェが多いので、暑い時間は中に入って涼むのが正解です。上高地帰りの午後にもよく合います。
秋(9〜11月)
光の角度が下がり、なまこ壁の凹凸に影が出て模様がくっきり立ち上がります。撮影目的ならこの季節を。朝市も12月まで続きます。
冬(12〜2月)
雪が積もると、白壁と黒瓦と雪で、通りが一枚の墨絵のようになります。1月から3月は朝市が休みで、店ごとに冬の休業もあるためご確認を。
編集部おすすめの過ごし方 5選

1. 通りの端に立って、奥まで見通す
まず一本の通りとして眺めてください。白と黒の格子が、遠近法で吸い込まれるように奥へ続きます。一軒ずつ見るのは、その全体を受け取ってからでも遅くありません。

2. 中町・蔵シック館に入ってみる
造り酒屋の母屋、土蔵、離れを移築した三棟。明治21年の梁がそのまま頭上を走っています。見学は無料。蔵の中がどれだけ静かで涼しいか、体で確かめてください。

3. 井戸で水を汲んでみる
松本は湧き水の街です。通りには井戸があり、今も水が湧き続けています。夏なら、この一杯のためだけに歩いてくる価値があるほど冷たい。

4. 民芸とクラフトの店を、ゆっくり冷やかす
松本は民芸の街でもあります。器、木工、染物。蔵の中に並ぶ手仕事を、買う前提を捨てて眺める時間が、じつはこの通りのいちばんの贅沢です。

5. 川を渡って縄手通りへ抜ける
女鳥羽川を挟んだ向こうは、カエルがシンボルの縄手通り。落ち着いた蔵の街と、賑やかな下町。橋一本でこれだけ表情が変わる街は、そう多くありません。
あわせて回りたい、近くの見どころ

縄手通り
女鳥羽川を挟んで向かい側、カエルがシンボルの下町商店街。365日歩行者天国で食べ歩きが楽しめます。蔵の街から橋を一本渡るだけで、空気ががらりと変わります。

松本市美術館
草間彌生の故郷に立つ美術館。館前の野外彫刻『幻の華』は観覧券なしで見られます。なまこ壁の白と黒のあとに、赤い水玉。松本の振れ幅を体感できます。

四柱神社
四柱の神を祀る「願いごとむすびの神」。縄手通りに隣接する市街中心のパワースポットで、参拝は自由です。中町からは川を渡ってすぐ。

国宝 松本城
現存天守をもつ国宝5城の一つ。中町から北へ歩いて10分ちょっと。朝いちばんに城、昼は中町で食事と買い物、という組み方が混雑を避けやすい流れです。

国宝 旧開智学校校舎
明治9年竣工の擬洋風建築で、近代学校建築として初の国宝。商人が守った蔵の白と黒、文明開化のハイカラさ。松本の「建物を見る一日」に組み込みたい一軒です。
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近くの人気飲食店
中町は通りそのものに店が並び、女鳥羽川を渡れば縄手通り、少し歩けば松本駅。松本名物の山賊焼から信州そば、老舗の喫茶まで、すべて徒歩圏に収まっています。
珈琲 まるも喫茶店松本民芸家具の空間/定休:月曜、火曜📍Googleマップで現在地からのルートを見る旅館まるもに併設された喫茶店。松本民芸家具に囲まれた空間で、時間の進み方が少しだけ遅くなります。中町を歩くなら、ここで一息つくために予定を空けておきたい一軒。
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女鳥羽そばそば自家石臼挽き/松本駅から徒歩圏📍Googleマップで現在地からのルートを見る地元の玄蕎麦を自家石臼で挽く手打ちそば。三種の味を楽しめる名物「三礼そば」があります。中町から女鳥羽川沿いへ抜ける散歩の口実にどうぞ。
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河昌鳥料理・山賊焼松本名物 山賊焼の名店/定休:火曜📍Googleマップで現在地からのルートを見る松本の山賊焼を語るなら外せない一軒。鶏もも一枚がそのまま揚がって出てくる迫力を、ぜひ現地で。蔵の街を歩き回ったあとの一皿として申し分ありません。
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こばやし 本店そば四柱神社の近く/定休:木曜📍Googleマップで現在地からのルートを見る松本の老舗そば処。中町から川を渡った四柱神社の近くにあり、蔵の街と縄手通りの散策のあいだに、無理なく挟める立地です。
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※営業時間、定休日は季節により変動することがあります。訪問前に最新情報をご確認ください。
撮影のコツ
白と黒がはっきり分かれた被写体は、露出と構図で結果が大きく変わります。店内は撮影の可否が店ごとに違うので、必ず確認を。ここでは通りでの狙い方をまとめます。
通りは奥行きで見せる、縦構図が効く細長い通りは、真ん中に立って奥まで見通す縦構図が強い。左右の蔵が一点に向かって収束し、街並みが続いている感じがそのまま写ります。
なまこ壁は、思い切って寄る建物全体を撮ると模様が潰れます。壁に近づいて格子だけを画面いっぱいに入れると、白い盛り上がりの立体感と手仕事の跡がはっきり出ます。
井戸は水面の光を拾う湧き続ける水は、光を受けてきらきら動きます。少ししゃがんで水面を手前に、奥に蔵を入れると、松本が水の街であることまで一枚に収まります。
白飛びが怖いなら、曇りの日を狙う白壁は晴天だと飛びやすい被写体。薄曇りの日は光が回って、白と黒の階調がどちらも残ります。雨上がりなら石畳の照り返しも味方になります。
このエリアの宿(料金比較)
中町は松本駅から徒歩圏。市街に泊まれば、店が開く前の静かな通りを独り占めできます。土曜の朝市を狙うなら、前泊がいちばん確実。浅間温泉、美ヶ原温泉まで含めれば、街歩きと湯を両立させる選択肢も豊富です。

松本市街(松本駅・松本城周辺)
街歩きと上高地の拠点に※上記は表示イメージのサンプル価格です。実際の料金・プラン・空室状況は各予約サイトの最新情報をご確認ください。
あると助かるアイテム
石畳を歩き、蔵をのぞき、器を買う。中町の一日は「歩く」と「買う」でできています。それを前提に選びました。
歩きやすいスニーカー松本駅から徒歩約15分、そこから縄手通り、松本城へとつなぐと一日でかなりの距離になります。石畳は見た目より足に響くので、履き慣れた一足を。
コインケース/小銭入れ朝市の野菜、たい焼き、蔵の店の小さな器。中町は「少額を何度も払う」通りです。個人商店では現金のみの店もあるので、小銭がすぐ出せると気持ちよく買えます。
ステンレスボトル/水筒松本は湧き水の街で、中町の井戸をはじめ市街には水汲み場が点在します。空のボトルを持っていけば、そのまま汲んで飲めます。買うより、この水のほうがずっと贅沢です。
モバイルバッテリーなまこ壁、蔵シック館、井戸、店先の器。数十メートルごとに足が止まって、そのたびにシャッターを切ることになります。地図とキャッシュレス決済も電池を食います。
折りたたみ傘中町から縄手通り、松本城への移動はすべて屋外です。松本は夏に夕立が来ることも。ただ、雨に濡れたなまこ壁は艶が出ていちばん美しいので、傘があれば粘れます。
よくあるご質問(FAQ)
中町通りのなまこ壁はなぜ生まれたのですか。
防火のためです。中町は善光寺街道沿いの問屋町として栄えましたが、江戸末期から明治にかけて南深志一帯が度重なる大火に見舞われ、多くの町家が失われました。そこで商人たちが火に強い土蔵を建て、土壁を雨から守るために平瓦を貼り、継ぎ目を漆喰で盛り上げたのがなまこ壁です。美しさは、生き延びるための工夫の結果でした。
中町通りの散策に料金はかかりますか。
かかりません。通りの散策は自由で、中町・蔵シック館の見学も無料です。各店舗での買い物や飲食は別途必要になります。営業時間と定休日は店ごとに異なるため、目当てのお店があれば事前にご確認ください。
中町通りの朝市はいつ開かれていますか。
4月から12月の毎週土曜、朝9時30分からです。地元農家による新鮮な野菜や季節の花が並びますが、わずか10分ほどで売り切れてしまうため「日本一短い朝市」と呼ばれています。狙うなら開始前に着いておくのが確実です。
中町・蔵シック館とはどんな施設ですか。
中町に隣接する宮村町にあった造り酒屋「大禮酒造」の母屋、土蔵、離れの三棟を移築し、平成8年10月に開館した施設です。母屋と土蔵は明治21年に建てられたと伝わり、離れは大正12年に増築されました。見学は無料で、蔵の中の空気をそのまま体感できます。
松本駅から中町通りへはどう行けばよいですか。
JR松本駅お城口から東へ徒歩約15分です。市内周遊バス「タウンスニーカー」東コースなら約5分。松本城からは南へ徒歩約12分、女鳥羽川を渡ればすぐで、縄手通りとは川を挟んで向かい合っています。車は松本ICから約15分です。
中町通りは、上高地・松本 1泊2日モデルコースの2日目、国宝松本城と縄手通りのあとに昼食とセットで組み込むのが黄金ルート。全行程の回り方はモデルコースでどうぞ。
航空券も、まとめて比較
信州まつもと空港(松本空港)ゆきの国内線をFDA、JALなど横断比較。便数が限られるので、日程が決まったら早めのチェックが安心です。
















