
大正池(たいしょういけ)
1915年、焼岳が火を噴いた。梓川はせき止められ、森は水に沈んだ。その日の記憶が、いまも水の中に立っています。
このページでわかること
- 大正池が1915年の焼岳噴火で生まれた経緯と、編集部5指標による評価
- 通年マイカー規制のもとでの行き方、大正池バス停での途中下車のコツ
- 朝靄がいちばん美しい時間帯と、河童橋まで歩く自然研究路の所要時間
- 編集部おすすめの過ごし方5選と、あわせて歩きたい近くの見どころ
- 上高地・乗鞍・白骨エリアの宿の料金比較(楽天、じゃらん、Booking.com)
大正池ってどんな池?
バスを降りて、坂を少し下ります。木立が途切れると、目の前に灰色がかった水面がひろがり、その中から枯れた木が何本も立っている。生きていない木が、水の上でまっすぐ立ち続けている光景に、はじめて見る人はたいてい言葉を失います。この池ができたのは1915年。焼岳が噴火し、流れ出た泥流が梓川をせき止めました。逃げ場を失った水は森を飲み込み、一夜にして池が生まれた。水中に残る立ち枯れ木は、そのとき水没した森の生き残りです。つまりこの景色は、自然が自然を壊してつくった風景であり、いまも少しずつ姿を変え続けています。池の向こうには、噴煙をたなびかせる焼岳。振り返れば穂高連峰。風のない朝、水面はそれらを鏡のように映し取り、朝靄がゆっくりと立ちのぼります。上高地でいちばん写真が撮られる時間帯が、この池の夜明けです。バスは大正池バス停で途中下車でき、ここから河童橋までは梓川に沿った自然研究路が続いています。上流へ歩くほど水は澄み、森は深くなる。多くの人が大正池から歩きはじめるのは、この谷がいちばんドラマチックに変化していく順番だからです。
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基本情報
| 名称 | 大正池(たいしょういけ) |
|---|---|
| 所在地 | 長野県松本市安曇上高地 |
| エリア | 中部山岳国立公園(上高地)、標高約1,490m |
| 成り立ち | 1915年(大正4年)の焼岳の噴火で梓川がせき止められて誕生 |
| 料金 | 無料(見学自由) |
| 開通期間 | 例年4月17日〜11月15日。冬期は閉鎖(最新の日程は上高地公式サイトでご確認ください) |
| アクセス | 上高地行きバス「大正池」バス停下車すぐ。通年マイカー規制のため沢渡またはあかんだなでシャトルバス、タクシーに乗換 |
| 所要時間の目安 | 池のほとりの散策で30分程度、大正池から河童橋まで歩くなら約1時間 |
| ベストな時間帯 | 朝靄が出る早朝。無風の日は水鏡になりやすい |
行き方・駐車場
大正池へは、上高地行きのバスを「大正池」バス停で途中下車します。バスターミナルまで行かずにここで降り、池を見てから河童橋まで歩くのが上高地の王道の順路です。上高地は通年マイカー規制です。自家用車はレンタカー、自動二輪を含めて釜トンネルより先へは入れません。松本市方面からは沢渡(さわんど)駐車場(1日800円)、高山市方面からはあかんだな駐車場(1日600円)に停め、シャトルバスかタクシーに乗り換えます。沢渡から上高地までのシャトルバスは往復2,800円、片道1,500円、所要約25〜30分。公共交通なら松本駅からアルピコ交通上高地線で新島々へ約30分、そこから上高地行きバスで約1時間です。釜トンネルの通行時間は通常5:00〜19:00、7月と8月のみ5:00〜20:00で、帰りのバスの最終時刻が行程の締切になります。最新の運行日程と時刻は上高地公式サイトで必ずご確認ください。沢渡やあかんだなまでの移動にレンタカーを使うなら、レンタカーの最安値比較からどうぞ。
レンタカーは沢渡・あかんだなまでの足に
上高地の中へは車で入れませんが、沢渡やあかんだなの駐車場までは車が便利です。松本や高山を組み合わせる旅なら、レンタカーとシャトルバスの組み立てが最も自由が利きます。夏休みと紅葉期は早めの手配が安心です。














季節ごとの楽しみ方
春(4〜5月)
開通直後は焼岳も穂高もまだ白く、水面に映る雪の稜線が際立ちます。芽吹き前で木々の葉が少ないぶん、立ち枯れ木の造形がいちばんくっきり見える季節です。
夏(6〜8月)
緑が水面を覆い、池は深い翠色に変わります。朝晩の気温差が大きいこの時期は、朝靄の発生率も高め。日中でも川風はひんやりとしています。
秋(9〜11月)
カラマツの黄葉と焼岳、水鏡の三重奏。冷え込みが強まるぶん朝靄はもっとも濃くなり、一年で最も写真家が集まる季節です。
冬(11月中旬〜4月中旬)
閉山期間で、バスも宿も休みに入ります。一般の観光として訪れることはできません。次のシーズンの開通を待ちましょう。
編集部おすすめの過ごし方 5選

1. 夜明けの朝靄を待つ
無風で冷え込んだ朝、水面から靄が立ちのぼります。太陽が稜線を越えた瞬間、靄が金色に変わる。この数分のために上高地へ泊まる人がいます。

2. 水鏡の穂高連峰を探す
焼岳ばかりが有名ですが、池の反対側からは穂高連峰が映ります。風が完全に止んだ数秒を狙うと、上下対称の一枚が撮れます。

3. 立ち枯れ木の物語を読む
水中に立つ木は、1915年に水没した森の生き残りです。年々本数が減り、この景色は同じ形では二度と見られません。今日見えているものが、今日だけのものです。

4. 河童橋まで自然研究路を歩く
大正池から田代池、田代橋を経て河童橋へ。高低差のない約1時間の道です。上流へ行くほど水が澄んでいく変化を、足で感じられます。

5. 焼岳の噴煙を目で確かめる
この池をつくった張本人が、いまも噴煙を上げています。北アルプス唯一の活火山。景色の美しさの裏側にある力を、ここでは同時に見ることになります。
あわせて回りたい、近くの見どころ

田代池・田代湿原
樹林の中から突然ひらける浅い池と湿原。大正池から河童橋へ向かう自然研究路の途中にあり、大正池とセットで歩くのが定番です。




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近くの人気飲食店
大正池のまわりは、上高地の中でも特に静かなエリア。食事処は限られるので、河童橋まで歩いてから食べる前提で計画すると無理がありません。
大正池ホテルホテル・食事処大正池バス停すぐ/池のほとりに建つ一軒宿📍Googleマップで現在地からのルートを見る大正池のほとりに建つ一軒宿。バス停の目の前なので、朝靄の大正池を狙う人の拠点になります。食事の提供内容と時間は公式サイトでご確認ください。
上高地食堂食堂・定食上高地バスターミナル隣接/早朝から営業📍Googleマップで現在地からのルートを見るバスターミナルの隣にある、上高地でもっとも気軽な食堂。早朝から開いているので、始発のバスで着いてそのまま朝食、という使い方ができます。
五千尺ホテル上高地 LOUNGEカフェ・スイーツ河童橋のたもと/レアチーズケーキ、信州産りんごのアップルパイ📍Googleマップで現在地からのルートを見る河童橋の目の前に建つホテルのスイーツカフェ。穂高連峰を仰ぎながらケーキをいただく時間は、山を歩いたあとのごほうびそのものです。営業時間は公式サイトでご確認ください。
上高地帝国ホテルホテルラウンジ田代橋近く/宿泊者以外もラウンジを利用可📍Googleマップで現在地からのルートを見る1933年開業、赤い三角屋根が森に映える日本初の本格山岳リゾートホテル。ロビーラウンジは宿泊者以外も利用でき、アップルパイが名物です。営業時間は公式サイトでご確認ください。
※営業時間、定休日は季節により変動することがあります。訪問前に最新情報をご確認ください。
撮影のコツ
大正池は、上高地でもっとも三脚が並ぶ場所。条件を読めるかどうかで、持ち帰る一枚が変わります。
冷え込んだ無風の朝を狙う朝靄は、放射冷却で冷えた無風の朝に出ます。前夜が晴れて冷え込んだ日ほど確率が上がります。日の出の30分前には池のほとりに立っていたいところです。
おすすめ時間帯:日の出前後(靄が最も濃い)
水鏡は「風待ち」で決まる水面が鏡になるのは無風の一瞬だけ。波が立ったら焦らず待ちます。数分単位で凪ぐ瞬間が来るので、構図を決めて待つのが正解です。
おすすめ時間帯:早朝(日中は風が立ちやすい)
立ち枯れ木を主役に置く山だけを撮ると、どこの山岳写真か分からなくなります。水中の立ち枯れ木を前景に入れると、大正池にしかない一枚になります。
レンズの目安:広角〜標準(前景と山を両立しやすい)
樹林を額縁に使う自然研究路の木立の間から狙うと、枝葉が自然な額縁になります。定番の構図に飽きたら、一歩下がって森ごしに撮ってみてください。
混雑を避けるなら:早朝、または夕方のバスが引けたあと
このエリアの宿(料金比較)
大正池の朝靄は、始発のバスでは間に合わないことがあります。日の出前にこの池のほとりに立てるのは、上高地に泊まった人だけ。上高地内のホテルのほか、沢渡や乗鞍高原、白骨温泉の宿から通う組み立ても人気です。

上高地・乗鞍・白骨エリア
山岳リゾートと温泉宿から選べる※上記は表示イメージのサンプル価格です。実際の料金・プラン・空室状況は各予約サイトの最新情報をご確認ください。
あると助かるアイテム
大正池は上高地でも特に冷え込むエリアです。売店やコンビニは期待できません。朝いちばんを狙うなら、装備がそのまま成果になります。
マウンテンパーカー(防風・撥水)夜明けの大正池は真夏でも息が白くなります。放射冷却で冷えた朝ほど靄が出るので、寒い朝こそ狙い目。その寒さに耐えられる一枚が要ります。
トレッキングシューズ池のほとりは砂利と木道。大正池から河童橋まで歩くなら約1時間の道のりになるので、足元の安定が一日を左右します。
双眼鏡大正池にはカモなどの水鳥が集まります。対岸の焼岳の噴煙も、双眼鏡があるとはっきり確認できます。
ステンレスボトル/水筒大正池周辺に自動販売機は多くありません。河童橋まで歩く前提なら、出発前に水分を確保しておくと安心です。
モバイルバッテリー夜明けを待って撮り続けると電池は一気に減ります。低温下ではさらに消耗が早い。帰りのバス時刻を調べる電池を残すためにも一つ。
よくあるご質問(FAQ)
上高地へマイカーで行けますか。
行けません。上高地は通年マイカー規制で、自家用車はレンタカーや自動二輪を含めて釜トンネルより先へ入れません。松本方面からは沢渡駐車場(1日800円)、高山方面からはあかんだな駐車場(1日600円)に停め、シャトルバスかタクシーに乗り換えます。
沢渡から上高地までのシャトルバスの料金と所要時間を教えてください。
往復2,800円、片道1,500円で、所要は約25〜30分です。最新の時刻表と運賃はアルピコ交通と上高地公式サイトでご確認ください。
大正池の朝靄は必ず見られますか。
確実ではありません。朝靄は、前夜が晴れて放射冷却で冷え込んだ無風の朝に出やすくなります。気象条件次第なので、日程に余裕があるほど出会える確率は上がります。
大正池から河童橋までどのくらい歩きますか。
自然研究路を通って徒歩約1時間です。高低差はほとんどなく、途中に田代池や田代橋があるので、寄り道しながらでも無理なく歩けます。
大正池はいつでも訪れることができますか。
できません。上高地の開通期間は例年4月17日〜11月15日で、冬期は閉鎖されます。釜トンネルの通行時間は通常5:00〜19:00、7月と8月のみ5:00〜20:00です。最新の日程は上高地公式サイトでご確認ください。
大正池は、上高地・松本 1泊2日モデルコースの出発点。ここでバスを降りて河童橋へ歩く順番が、この谷をいちばん美しく見せてくれます。全行程の回り方はモデルコースでどうぞ。
航空券も、まとめて比較
信州まつもと空港ゆきの国内線をFDA、JALなど横断比較。遠方から上高地を目指すなら、松本または高山を起点にする組み立てが便利です。空席は日々動くので早めのチェックが安心です。
















