
軽井沢千住博美術館
床が、傾いています。水平でない床の上で滝の絵を見る。その違和感こそが、この建築の答えです。
このページでわかること
- 西沢立衛が設計した「傾斜した一室空間」の意味と、編集部5指標による評価
- 料金・開館時間と、12月26日〜2月末という冬期休館の落とし穴
- 館内は撮影禁止。それを知ったうえでどう楽しむか
- 編集部おすすめの過ごし方5選と、あわせて回りたい近くの見どころ
- 軽井沢エリアの宿の料金比較(楽天、じゃらん、Booking.com)
軽井沢千住博美術館ってどんなところ?
入って最初に気づくのは、床が傾いていることです。ふつう美術館の床は水平です。作品を正しく見せるために、鑑賞者の身体を安定させるために、床は平らであるべきだと誰もが思っている。ところがこの美術館の床は、ゆるやかに傾いていきます。設計した建築家・西沢立衛は、これを「ゆるやかに傾斜していく、ランドスケープのような一室空間」と説明しています。既存の地形を削らず、その傾きのまま建物を載せたのです。つまりあなたが歩いているのは、床であると同時に、軽井沢の地面そのものです。仕切りのない一室空間に、ガラス屋根の中庭が4つ。深い庇とシルバースクリーン、UVカットガラスが光を濾して、館内には柔らかい明るさだけが届きます。千住博自身が「光あふれる、明るい美術館」と語る通りの空間です。中庭の庭には150種類以上のカラーリーフプランツが植えられ、見頃は5月中・下旬頃から10月上旬頃。壁で区切られていないので、作品を見ているあいだも視界の端にはいつも緑がいます。森を歩きながら、その途中で絵に出会う。そういう体験になるように作られています。2011年に開館し、2026年で15周年。軽井沢町公式サイトによれば、初期から近作まで約50点を展示しています。千住博の言葉に、こんな一節があります。「異質なもの同士がハーモニーを奏でたときに、本当に美しい調和が生み出される」。傾いた床と、水の絵と、窓の外の森。異質なものが同居しているこの場所は、その言葉の実物見本と言えるかもしれません。なお、館内の写真撮影はできません。持ち帰れるのは記憶だけです。
フォトギャラリー




基本情報
| 名称 | 軽井沢千住博美術館(HIROSHI SENJU MUSEUM KARUIZAWA) |
|---|---|
| 所在地 | 〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町長倉815(Tel 0267-46-6565) |
| 開館時間 | 9:30〜17:00(入館は16:30まで) |
| 休館日 | 毎週火曜日(ただし祝日、GW、7〜9月は開館)、冬期休館12月26日〜2月末日(公式サイトの記載) |
| 入館料 | 一般1,500円、学生1,000円、中学生以下無料。障がい者と介助者1名は無料。団体は15名以上1,200円、50名以上1,100円 |
| 開催中の展覧会 | 「シンウォーターフォール 千住博が山水図で描く時空の記憶、未来と希望」2026年3月1日〜12月25日。併催のギャラリー展「シンウォーターフォール 回廊 -Corridor-」は2026年7月2日〜9月14日(公式サイトの記載) |
| 所要時間の目安 | 一周約30分程度(混雑状況による。公式サイトの記載) |
| アクセス | 軽井沢駅からタクシー約10分/中軽井沢駅からタクシー約5分/上信越自動車道 碓氷軽井沢ICから車で約15分。7月1日〜9月は軽井沢駅から「急行 塩沢湖線」が運行し、美術館まで約15分(いずれも公式サイトの記載) |
| 駐車場 | 乗用車60台、自転車30台、大型バス5台。料金の記載は公式サイトにありません |
| 館内の注意 | 写真・ビデオ撮影、通話、配信はできません。飲食不可、ペット不可、鉛筆以外の筆記具は不可。大きな荷物は受付で預かり。車椅子4台を無料で貸し出し |
| 公式情報 | 軽井沢千住博美術館 公式サイト ›/ご来館にあたって › |
行き方・駐車場
軽井沢千住博美術館は軽井沢駅から離れた長倉エリアにあります。公式サイトが案内しているのは、軽井沢駅からタクシーで約10分、中軽井沢駅からタクシーで約5分、上信越自動車道の碓氷軽井沢ICから車で約15分。7月1日から9月にかけては、軽井沢駅から「急行 塩沢湖線」が運行し、美術館まで約15分と公式が案内しているので、夏に訪ねるなら電車とバスだけでも十分たどり着けます。駐車場は乗用車60台、自転車30台、大型バス5台。料金については公式サイトに記載が見当たらなかったため、断定は避けます。行く前に必ず確認してほしいのが休館日です。毎週火曜日が休館ですが、祝日、GW、そして7〜9月は開館します。逆に12月26日から2月末日までは冬期休館で、この期間はまるごと閉まります。冬の軽井沢旅行に組み込もうとして予定が崩れる、というのがこの美術館で最も起きやすい失敗です。
長倉エリアを回るならレンタカー
千住博美術館は軽井沢駅からタクシー約10分の長倉エリア。絵本の森美術館やタリアセンなど、塩沢湖周辺の文化施設とまとめて回るなら車が圧倒的に自由です(7〜9月は軽井沢駅から急行 塩沢湖線も運行しています)。夏の軽井沢はレンタカーが早く埋まるので、日程が決まったら先に押さえておくのが安心です。














季節ごとの楽しみ方
春(3〜5月)
冬期休館が明けて動き出す季節。公式によればカラーリーフガーデンの見頃は5月中・下旬頃からで、春の終わりにようやく庭が本領を発揮しはじめます。火曜休館ですが、GWは開館しています。
夏(6〜9月)
7〜9月は火曜も開館する、いちばん行きやすい季節。軽井沢駅からの急行 塩沢湖線も7月1日から走ります。深い庇とUVカットガラスで濾された館内の光は、外の日差しの強さと対照的に、驚くほど穏やかです。
秋(10〜11月)
カラーリーフガーデンの見頃は10月上旬頃まで。白いサインの前の紅葉が真紅に染まる季節でもあります。10月から火曜休館が戻るので、曜日にご注意を。ガラス越しに紅葉を見ながら滝の絵を見る贅沢があります。
冬(12〜2月)
12月26日〜2月末日は冬期休館です。それ以前の12月中旬までなら、晩秋〜春のウインターガーデン(黄や銀青の針葉樹、珊瑚色のミズキ、白樺)が見られます。冬の訪問は日程を必ず公式でご確認ください。
編集部おすすめの過ごし方 5選

1. 床が傾いていることを、足で確かめる
設計した西沢立衛が「ゆるやかに傾斜していく、ランドスケープのような一室空間」と呼んだ床です。既存の地形をそのまま生かしているため、あなたが歩いているのは床であると同時に軽井沢の地面でもある。意識して歩くと、ただの美術館が急に不思議な場所になります。

2. 4つの中庭を、順に抜けていく
仕切りのない一室空間に、ガラス屋根の中庭が4つ配置されています。壁で区切られていないので、作品を見ながら視界の端にはいつも緑がいる。「森を歩きながら絵に出会う」という設計思想は、この中庭を抜けるときにいちばんはっきり体感できます。

3. ウォーターフォールを、傾いた床の上で見る
開催中の「シンウォーターフォール 千住博が山水図で描く時空の記憶、未来と希望」は2026年3月1日〜12月25日。水が落ちる絵を、水平でない床の上で見る。この組み合わせは、この美術館でしか成立しません。7月2日〜9月14日はギャラリー展「回廊 -Corridor-」も併催されています。

4. カラーリーフガーデンで、150種類の緑を見分ける
庭には150種類以上のカラーリーフプランツ。見頃は5月中・下旬頃から10月上旬頃と公式が案内しています。花の派手さで見せる庭ではなく、葉の色だけで組み立てられた庭です。地味に思えて、いちばん長く眺めてしまうのがここでした。

5. 撮影できないぶん、長く立ち止まる
館内は写真・ビデオ撮影が禁止です。スマホを構えられないと、人は不思議とよく見るようになります。30分で一周できる規模なのに、気づくと倍の時間が経っている。持ち帰れるのが記憶だけという制約は、実はこの美術館の贈り物です。
あわせて回りたい、近くの見どころ

軽井沢絵本の森美術館(ムーゼの森)
世界の絵本原画を収める森の中の美術館。千住博美術館と同じ長倉エリアにあり、車で回る一日にまとめて組み込めます。7〜9月は無休。「日本画の静けさ」と「絵本の物語」を続けて浴びる半日は、想像よりずっと充実します。

軽井沢タリアセン(塩沢湖)
塩沢湖を中心にした複合文化ゾーン。ペイネ美術館、軽井沢高原文庫、深沢紅子野の花美術館を併設しています。千住博美術館の現代建築を見たあとに、湖畔の文学と美術をまとめて。同じ塩沢エリアで動線がつながります。

石の教会 内村鑑三記念堂
建築家ケンドリック・ケロッグ設計、石とガラスのアーチが重なる教会。公式サイトによれば見学受付は10:00〜17:00で、団体見学は不可です。西沢立衛の白い一室空間と、ケロッグの石のアーチ。軽井沢の建築を二つ続けて見る日にどうぞ。

星野温泉 トンボの湯
1915年開湯、全浴槽が源泉かけ流しの日帰り温泉。10:00〜22:00(最終入場21:15)です。美術館は16:30が最終入館なので、見終わったあとの夕方にちょうど収まります。静かに絵を見た日の締めくくりに。

雲場池
風が凪ぐと水面が鏡になる、軽井沢駅近くの池。通年無料で開放されています。館内で水の絵を見たあとに、本物の水鏡を見に行く。ウォーターフォールの余韻が残っているうちに立つと、絵の見方が少し変わっているはずです。
近くの人気飲食店
千住博美術館は長倉エリアにあり、まわりに飲食店が密集しているわけではありません。ただし館内にはブランジェ浅野屋が併設されており、これが実質いちばん近い選択肢です。ここでは美術館の至近で実在を確認できた2店をご紹介します(同じ長倉でも星野エリア側の店は歩ける距離ではないため、あえて外しました)。
- 🥐ブランジェ浅野屋 千住博美術館店パン・カフェ・デリ長倉815(美術館に併設)/月〜金 9:00〜17:00、土日祝 8:00〜17:00/火曜定休(祝日・GW・7〜9月は営業)/冬期休業12/26〜2/28/¥1,000〜¥1,999📍Googleマップで現在地からのルートを見る
軽井沢の老舗ベーカリーが、美術館の中に構える店。住所が美術館と同じ長倉815で、これ以上近い店はありません。休館日と冬期休業も美術館と連動しているので、美術館が開いていれば開いていると考えて大丈夫です。
食べログで見る › - 🍷エルミタージュ ドゥ タムラフレンチ(完全予約制)長倉820-98(美術館至近)/水〜日 昼12:00〜13:00、夜17:30〜19:30/月・火定休/昼¥10,000〜¥14,999、夜¥15,000〜¥19,999/完全予約制📍Googleマップで現在地からのルートを見る
美術館のすぐ近くにあるフレンチ。完全予約制で、入店時間も昼12:00〜13:00と絞られています。ふらりと寄れる店ではありませんが、絵を見る一日を特別な食事で締めたいなら、事前予約の価値は十分にあります。
食べログで見る ›
※営業時間、定休日は季節により変動することがあります。訪問前に最新情報をご確認ください。
撮影のコツ
この美術館は館内の写真・ビデオ撮影が禁止です。つまり撮れるのは外観と庭だけ。制約がある場所ほど、撮れるものは絞られます。その一枚を良くするためのコツをまとめました。
まず、館内では撮らないコツの前に大前提です。公式サイトの案内どおり、館内は写真・ビデオ撮影、通話、配信ができません。スマホはしまってください。そのかわり、外観と庭は自由に撮れます。撮影意欲は全部そちらに振り向けるのが正解です。
庇の曲線を、下から追うこの建築の主役は、どこまでも伸びる白い庇です。正面から引いて撮ると、ただの白い建物になります。庇の下に入って、曲線が折れながら続いていく方向にカメラを向けてください。線がいちばん気持ちよく流れる角度が必ずあります。
ガラスの映り込みを、敵ではなく主役にする曲面ガラスには周りの木々が映り込みます。反射を消そうとすると、この建築の面白さまで消えます。むしろ映った森にピントの意識を置くと、建物と森が一枚に重なる。西沢立衛が狙った「森の中の一室」が、そのまま写真になります。
白い面に、色を一点だけ添える外観は白が支配的です。紅葉、カラーリーフガーデンの葉、青空。何か一色を画面の端に置くと、白の清潔さが引き立ちます。秋なら白いサインと真紅の紅葉の組み合わせが鉄板で、色を足すのはそれ一点で十分です。
このエリアの宿(料金比較)
この美術館は所要約30分。それだけ聞くと日帰りの隙間に入りそうですが、実際は長倉エリアにあり、絵本の森美術館やタリアセンと組み合わせて半日仕事になります。しかも入館は16:30まで。軽井沢に泊まれば、開館直後のいちばん静かな時間に、傾いた床の上を独り占めできます。

軽井沢エリア(軽井沢駅周辺)
長倉・塩沢の美術館めぐり滞在向き※上記は表示イメージのサンプル価格です。実際の料金・プラン・空室状況は各予約サイトの最新情報をご確認ください。
あると助かるアイテム
屋内の美術館なので装備はほとんどいりません。それでも「傾いた床を30分歩く」「庭に出る」「撮影できない」というこの館の事情に、素直に効く5つを選びました。
歩きやすい靴床がゆるやかに傾斜している美術館です。歩けないような急坂ではありませんが、水平でない床の上に30分立ち続けるのは、思っている以上に足に来ます。庭にも出るので、靴は素直なものが正解です。
羽織ものガラスの多い館内は空調が効いています。庭と館内を行き来する構造なので、屋外の暑さと屋内の涼しさを何度も往復することになる。さっと着脱できる一枚があると、作品に集中できます。
折りたたみ傘中庭とカラーリーフガーデンという、屋外に出る前提の美術館です。軽井沢の夏は夕立が多く、庭を見る時間だけ雨に当たるのは惜しい。鞄に一本入れておくと、天気に予定を削られません。
コンパクト双眼鏡意外に思われるかもしれませんが、大きな作品の細部を見るのに効きます。撮影できない館内では、記憶に焼き付けるしかない。近づけない位置の筆致や滝の白の粒立ちを引き寄せて見ると、持ち帰れる記憶の解像度が上がります。
モバイルバッテリー館内は撮影禁止ですが、外観と庭では撮ります。しかも長倉エリアは駅から離れており、移動でも地図アプリを使い続けることになる。塩沢エリアの美術館を何館か回る日は、電池が先に力尽きがちです。
よくあるご質問(FAQ)
軽井沢千住博美術館の入館料はいくらですか。
公式サイトによれば、一般1,500円、学生1,000円、中学生以下は無料です。障がい者と介助者1名は無料。団体は15名以上で1,200円、50名以上で1,100円になります。
軽井沢千住博美術館の休館日を教えてください。
毎週火曜日が休館です。ただし祝日、GW、7〜9月は開館します。また12月26日〜2月末日は冬期休館となり、この期間は開いていません。開館時間は9:30〜17:00(入館は16:30まで)です。
軽井沢千住博美術館へのアクセス方法を教えてください。
公式サイトによれば、軽井沢駅からタクシーで約10分、中軽井沢駅からタクシーで約5分、上信越自動車道の碓氷軽井沢ICから車で約15分です。7月1日から9月にかけては軽井沢駅から「急行 塩沢湖線」が運行し、美術館まで約15分と案内されています。駐車場は乗用車60台、自転車30台、大型バス5台です。
軽井沢千住博美術館は館内の写真撮影ができますか。
できません。公式サイトの案内によれば、館内での写真・ビデオ撮影、通話、配信は不可です。あわせて飲食不可、ペット不可、鉛筆以外の筆記具も不可となっています。外観と庭の撮影は可能です。
軽井沢千住博美術館の見学にはどれくらい時間がかかりますか。
公式サイトによれば、一周約30分程度が目安です(混雑状況によります)。仕切りのない一室空間で、ガラス屋根の中庭が4つ配置されており、カラーリーフガーデンの見頃は5月中・下旬頃から10月上旬頃と案内されています。庭までゆっくり見るなら、もう少し余裕を持つと安心です。
軽井沢千住博美術館は、軽井沢モデルコースの2日目、塩沢エリアで涼をとる一手。全行程の回り方はモデルコースでどうぞ。
航空券も、まとめて比較
遠方から軽井沢を目指すなら、羽田や成田までの国内線をANA、JAL、スカイマークなど横断比較。空席は日々動くので早めのチェックが安心です。
















