
垣花樋川(かきのはなひーじゃー)
林の中の石畳を100mほど下りきると、岩肌から水が噴き出しています。名水百選に選ばれた湧水は、真夏でも足が痛くなるほど冷たい。
このページでわかること
- 垣花樋川が名水百選に選ばれた理由と、編集部5指標による評価
- 男川(いきががー)・女川(いなぐがー)という男女で分けられた水場の意味
- 石畳を約100m下るという、想像以上にハードな行き方と靴選び
- トイレも売店もない、という訪問前に知っておきたい現実
- 南城市エリアの宿の料金比較(楽天、じゃらん、Booking.com)
垣花樋川ってどんな場所?
道路脇の目立たない入口から、木々に覆われた石畳の坂を下っていきます。傾斜はかなりきつく、100mほど下ると急に視界が開けて、石垣に据えられた樋から水が勢いよく噴き出しているのが目に入ります。これが垣花樋川です。1985年(昭和60年)に環境省の名水百選に選ばれた湧水で、沖縄県内では数少ない選定地のひとつ。琉球石灰岩の地層に浸み込んだ雨水が、長い時間をかけて濾過され、岩盤の割れ目から湧き出しています。おもしろいのは、この水場が用途ごとに分けられているということです。向かって右から流れるのが男川(いきががー)、その上手の左から流れるのが女川(いなぐがー)。女川は水浴び用とされ、さらに下の浅い泉はウマアミシーと呼ばれ、馬に水を飲ませたり洗ったりする場所でした。生活のすべてがこの一か所の水に依存していた時代の設計が、そのまま残っています。石畳の坂の途中には、水を汲んで運ぶ女性たちが荷を下ろして休んだという石も置かれています。水道が通るまで、集落の人々は毎日この坂を水甕を抱えて往復していました。今は観光地として整えられていますが、トイレも売店も自動販売機もありません。それがかえって、この場所が「見せるために作られた景色」ではないことを教えてくれます。夏でも水温は低く、素足を浸けると数十秒で痛くなるほど。真夏の沖縄で、ここだけ空気がひんやりしています。
フォトギャラリー




基本情報
| 名称 | 垣花樋川(かきのはなひーじゃー) |
|---|---|
| 所在地 | 沖縄県南城市玉城垣花182 |
| 選定 | 環境省 名水百選(1985年/昭和60年選定)。沖縄県内では数少ない選定地のひとつ |
| 見学料 | 無料 |
| 開放時間 | 見学自由(門や受付はありません)。ただし林の中で照明がなく、日没後は足元が見えないため日中の訪問を強くおすすめします |
| 駐車場 | 入口付近に無料の駐車スペースあり。ただし数台分と小規模なため、満車時は路上駐車せず時間をずらしてください |
| 設備 | トイレ・売店・自動販売機はありません。飲み物と用足しは事前に済ませてください |
| アクセス | 那覇空港から車で約40分。那覇空港自動車道 南風原南ICから国道507号・331号経由 |
| MAPCODE | 232 530 320*11(南城市観光協会公式より) |
| 所要時間の目安 | 30〜40分(往復の石畳の上り下りを含む) |
行き方・駐車場
那覇空港から車で約40分、那覇空港自動車道の南風原南ICから国道507号・331号を南城市方面へ進みます。カーナビが迷いやすいエリアなので、MAPCODE 232 530 320*11 を入れておくと確実です。目印は道路沿いに立つ「垣花樋川 190m」の標識だけで、それ以外に大きな看板はありません。駐車スペースは入口付近にありますが数台分と小さく、満車のときは無理に停めず時間をずらすのが賢明です。ここからが本番で、石畳の坂を約100m下ります。距離だけ見れば短いのですが傾斜が急で、石は苔と水気で滑りやすく、雨のあとは特に危険です。サンダルやヒールは避け、必ずグリップのある靴で。そして忘れがちですが、帰りは同じ坂を登ります。下りで消耗しないよう、ゆっくり行ってください。レンタカーが未手配ならレンタカーの最安値比較からどうぞ。同じ南城市の斎場御嶽とは車で15分ほどの距離なので、南部めぐりの流れで組み込みやすい立地です。
レンタカーは早めに予約を
垣花樋川は南城市の高台の集落にあり、路線バスでの到達は現実的ではありません。沖縄本島南部を回るならレンタカーがほぼ前提です。夏休みと連休は台数が足りず数週間前に売り切れることも珍しくありません。航空券を取ったら、まずレンタカーを押さえるのが鉄則です。














季節ごとの楽しみ方
春(3〜5月)
いちばん歩きやすい季節です。梅雨入り前の4月から5月上旬は石畳が乾いていて、下りの不安が少なくて済みます。新緑が水面に映る時期でもあります。
夏(6〜9月)
この場所が本領を発揮する季節。林が日差しを遮り、湧水の冷気で周囲だけ空気がひんやりしています。足を浸けると数十秒で痛くなるほど冷たい。ただし蚊が多く、石畳は湿って滑ります。
秋(10〜11月)
台風のあとは石畳に落ち葉と泥が溜まり、普段以上に滑りやすくなります。天候が落ち着けば、暑さが引いて坂の上り下りは春と同じくらい快適です。
冬(12〜2月)
訪れる人がぐっと減り、水音だけが聞こえる時間を独り占めできます。水に触れるには冷たすぎますが、湧水量は通年ほぼ一定。日が短いので早めの時間に。
編集部おすすめの過ごし方 5選

1. 湧水口の真下で、水の冷たさを手で確かめる
写真では伝わらないのが水温です。真夏でも手を入れて10秒もすると冷たさが痛みに変わります。この水が何十年もかけて石灰岩を通ってきたのだと思うと、ただの水ではなくなります。

2. 男川と女川の位置関係を確かめる
右から流れるのが男川(いきががー)、上手の左が女川(いなぐがー)。女川は水浴び用でした。なぜ分けたのかを考えながら見ると、水場が単なる設備ではなく集落の秩序そのものだったことが分かります。

3. 石畳の途中で足を止めて、水を運んだ人を想像する
水道が通るまで、集落の人はこの坂を水甕を抱えて毎日往復していました。空身で下るだけでも息が上がる坂です。途中の石は、荷を下ろして休むために置かれたものと伝わります。

4. 下りきった先の眺めを振り返る
水場まで下りると、木々の切れ間から南部の海と集落が見下ろせます。高台の斜面に湧水があるという地形の不思議が、ここで腑に落ちます。

5. 斎場御嶽とセットで「南部の水と祈り」を巡る
車で15分の斎場御嶽も、岩から滴る水を2つの壺で受ける聖水の場所です。沖縄の人々が水をどう扱ってきたかが、2か所を続けて見ると立体的に見えてきます。
あわせて回りたい、近くの見どころ

斎場御嶽
琉球王国最高の聖地で世界遺産の構成資産。岩から滴る聖水を2つの壺で受ける拝所があり、水をめぐる信仰という点で垣花樋川と響き合います。斎場御嶽で詳しく紹介しています。

おきなわワールド(玉泉洞)
同じ琉球石灰岩が生んだ地下の水景。垣花樋川の水が通ってきた地層の内側を歩いて見られます。おきなわワールド(玉泉洞)もどうぞ。

知念岬公園
入場無料の岬の公園。太平洋が一望でき、久高島やコマカ島が間近に見えます。林の中で過ごしたあとの開放感が心地よい場所です。知念岬公園で詳しく紹介しています。

奥武島(沖縄天ぷら)
橋で渡れる小さな島で、揚げたての沖縄天ぷらを1個から食べ歩けます。坂を上り下りしたあとの塩気が沁みます。奥武島もどうぞ。
近くの人気飲食店
垣花樋川の周辺は住宅と畑が広がる静かな集落で、歩いて行ける飲食店はありません。車で数分から15分ほどの範囲に、南城市らしい沖縄そばの店があります。
沖縄すばやぁ 垣花そば沖縄そば11:00〜15:30(LO15:15)/〜¥999/南城市つきしろ1756-4📍Googleマップで現在地からのルートを見る店名に「垣花」を冠する沖縄そばの店。昔ながらの製法にこだわり、看板の垣花そばに炊き込みご飯「じゅーしー」を合わせたセットが定番です。平日はフーチバー(よもぎ)のトッピングが無料。定休日は出典により記載が分かれるため、公式でご確認ください。
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リゾートレストランせいふぁー沖縄そば・食堂・カフェ南城市知念字久手堅539 南城市地域物産館2F/098-948-1070/〜¥1,999📍Googleマップで現在地からのルートを見る斎場御嶽のチケット売場と同じ建物の2階。看板メニューは「せいふぁ〜そば」で、かまぼこと豚肉がのった沖縄そばです。垣花樋川から斎場御嶽へ流れる行程なら、そのまま昼食に組み込めます。営業時間と定休日は出典により記載が分かれるため、訪問前に電話でご確認ください。
食べログ予約 ›
※営業時間、定休日は季節により変動することがあります。訪問前に最新情報をご確認ください。
見学のコツ
垣花樋川はガイドツアーのない、完全に自由見学の場所です。だからこそ、知っているかどうかで見え方が変わります。
水場の構造を先に頭に入れておく右から流れるのが男川(いきががー)、上手の左が女川(いなぐがー)で水浴び用、さらに下の浅い泉がウマアミシーで馬用。この3つの役割を知ってから下りると、ただの湧水が集落の生活インフラとして立ち上がって見えます。
見学無料/受付・ガイドはありません。案内板は現地の入口付近にあります
「190m」の数字を信じすぎない標識には190mとありますが、体感の負荷は距離ではなく傾斜で決まります。石畳の下り約100mは想像よりきつく、帰りは同じ坂を登ります。時間に余裕を持ち、下りで飛ばさないのがコツです。
所要30〜40分の目安/滑りにくい靴が必須。雨のあとは特に慎重に
このエリアの宿(料金比較)
南城市は那覇から車で40分ほど。朝いちばんの誰もいない時間に垣花樋川へ下りたいなら、このエリアに泊まる価値があります。太平洋から昇る朝日を宿から見られるのも南部ならではです。

南城市・南部エリア
湧水と聖地めぐりの拠点向き※上記は表示イメージのサンプル価格です。実際の料金・プラン・空室状況は各予約サイトの最新情報をご確認ください。
あると助かるアイテム
この場所で効くのは、日焼け対策よりも「滑らない靴」と「自前の水分」です。トイレも売店もない林の中の湧水地であることを前提に選びました。
滑りにくいウォーキングシューズ垣花樋川で最も重要な装備です。急な石畳が苔と水気で濡れており、サンダルで来た人が途中で引き返す姿は珍しくありません。グリップのある靴かどうかで、この場所を見られるかが決まります。
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虫よけスプレー木々に覆われた湿った林の中で、しかも水場です。蚊にとっては最高の環境。立ち止まって水場を眺めている数分がいちばん刺されやすい時間なので、下りる前にひと吹きしておくと快適さが変わります。
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保冷ボトル現地に自動販売機も売店もありません。湧水は名水ですが、生水をそのまま飲む前提の設備は整っていません。急な坂を往復するので、冷たい飲み物を自分で持ち込むのが正解です。
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タオル手や足を水に浸けたくなる場所ですが、拭くものは何もありません。坂を登り返すときの汗にも使えます。濡れた手のまま急な石畳を登るのは危ないので、1枚あると安心です。
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ウェットティッシュトイレも手洗い場もない場所です。水場の水は集落が大切に守ってきた生活の水なので、手や物を洗う目的では使わないのがマナー。汚れを落としたいときのために自前で用意しておきましょう。
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よくあるご質問(FAQ)
垣花樋川の入場料はいくらですか。
無料です。受付や門はなく、いつでも自由に見学できます。ただし林の中で照明がないため、日没後は足元がまったく見えません。日中の訪問を強くおすすめします。
垣花樋川に駐車場はありますか。
入口付近に無料の駐車スペースがありますが、数台分と小規模です。満車のときは集落の生活道路での路上駐車は避け、時間をずらしてお越しください。カーナビにはMAPCODE 232 530 320*11 を入れると確実です。
垣花樋川はどのくらい歩きますか。
道路の入口から水場まで、石畳の坂を約100m下ります。標識には190mと表示されています。距離は短いのですが傾斜が急で、苔と水気で滑りやすく、帰りは同じ坂を登ります。サンダルやヒールは避け、必ずグリップのある靴でお越しください。往復と見学で30〜40分が目安です。
垣花樋川にトイレや売店はありますか。
ありません。トイレ、売店、自動販売機のいずれもないため、飲み物と用足しは事前に済ませてから向かってください。周辺は住宅と畑の静かな集落で、歩いて行ける店もありません。
垣花樋川の水は飲めますか。
1985年に環境省の名水百選に選定された湧水で、かつては集落の飲料水や農業用水として使われてきました。ただし現在は水質検査の結果が常時公表されているわけではなく、飲用を前提とした設備も整っていません。飲み水は持参し、湧水は見て触れて楽しむのが安心です。地元の方が今も大切に守る水場なので、洗剤の使用など水を汚す行為は控えてください。
垣花樋川は、沖縄本島 3泊4日モデルコースの南部を回る行程に組み込むと動きやすいスポット。斎場御嶽、おきなわワールド、奥武島とつなげる順番はモデルコースでどうぞ。
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那覇空港ゆきの国内線をANA、JAL、スカイマーク、ソラシドエア、ピーチなど横断比較。空席は日々動くので早めのチェックが安心です。
















