
乙女の像
二人の裸婦が、向かい合ったまま手を触れ合わせている。高村光太郎が最後に遺したのは、答えではなく、その隙間でした。
このページでわかること
- 高村光太郎の最後の作品となった経緯と、昭和28年の建立
- 高さ約2.1m、向かい合う二体という構図に込められた意味
- 「智恵子の顔か」という問いに、光太郎自身が返した答え
- 休屋からの歩き方と、十和田神社との組み合わせ方
- 八甲田・十和田湖エリアの宿の料金比較(楽天、じゃらん、Booking.com)
乙女の像って、どんな場所?
十和田湖畔・休屋の御前ヶ浜に、二体のブロンズ像が立っています。高さ約2.1メートル。裸婦がまったく同じ姿で向かい合い、片手をそっと触れ合わせている。詩人にして彫刻家、高村光太郎の最後の作品です。昭和28年、十和田湖の国立公園指定15周年を記念して建立されました。県が当初計画していたのは、自然石を使ったありきたりの記念碑でした。それを「世界的な景勝地に似つかわしくない」と白紙に戻したのが、初の民選知事・津島文治です。そこから谷口吉郎、草野心平、佐藤春夫といった錚々たる顔ぶれが集まり、制作は高村光太郎へ。光太郎は現地を見て「十和田湖の美しさに深く感動した。湖上を遊覧しているうちにいくつも制作イメージが湧いた」と快諾しました。なぜ同じ像が二体、向かい合っているのか。光太郎はこう語っています。「湖水に写った自分の像を見ているうちに、同じものが向かい合い、見合うなかで深まっていくものがあることを感じた」。そして「彫刻は空間を見る。二体の間にできるスキ間に面白味がある」とも。つまり見るべきは像ではなく、像と像のあいだの何もない空間なのです。制作中、像の顔は白布で覆われ、誰にも見せませんでした。完成後「あれは智恵子夫人の顔だ」と言われるようになったとき、光太郎はこう答えています。「智恵子だという人があってもいいし、そうでないという人があってもいい。見る人が決めればいい」。この像は、答えを渡してくれません。だから七十年以上経った今も、人がここまで歩いてきます。
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基本情報
| 名称 | 乙女の像(おとめのぞう) |
|---|---|
| 所在地 | 青森県十和田市奥入瀬十和田湖畔休屋(御前ヶ浜) |
| 作者 | 高村光太郎。彼の最後の作品となった/設計=谷口吉郎(建築家)、鋳造=伊藤忠雄 |
| 建立 | 昭和28(1953)年。十和田湖の国立公園指定15周年記念。除幕式は同年10月21日 |
| 大きさ | 高さ約2.1メートルの裸婦像が二体、向かい合う |
| モデル | 体のモデルは藤井照子(当時19歳)。顔は「智恵子夫人」と言われるが、光太郎は「見る人が決めればいい」と答えた |
| 見学料 | 無料。休屋から徒歩圏の湖畔にあります |
| 関連 | 原型の60cm大の小型像は青森県立郷土館に展示。そばには詩「十和田湖畔の裸像に与う」の石碑 |
※建立年、作者、高さ(約2.1m)、モデル、制作の経緯は青森県公式観光サイト「Amazing AOMORI」および十和田湖国立公園協会の公式サイトを編集部が直接確認した内容です(2026年7月15日時点)。
行き方・駐車場
乙女の像は十和田湖畔・休屋の御前ヶ浜にあります。休屋のバス停や駐車場から湖畔の道を歩いて15分ほど。舗装された道ですが、それなりに歩きます。この道の途中から「開運の小道」が分岐し、十和田神社へ通じているため、乙女の像と十和田神社はセットで回るのが定番です。十和田湖遊覧船の発着も休屋なので、遊覧船とあわせて半日の行程が組めます。奥入瀬渓流を子ノ口まで歩き、湖畔道路で休屋へ回るという動線が、Day3の王道です。レンタカーの最安値比較もあわせてどうぞ。
休屋に車を置いて、あとは歩く
乙女の像の目の前まで車で乗り付けることはできません。休屋の駐車場に置いて、湖畔を15分歩きます。十和田神社、遊覧船乗り場もすべて休屋起点なので、車は一度置いたらそのまま。歩く前提で時間を見ておくと、慌てずに済みます。














季節ごとの楽しみ方
春(3〜5月)
新緑が芽吹き、ブロンズの緑青と若葉の色が響き合う季節。人も少なく、像とゆっくり向き合えます。
夏(6〜9月)
十和田湖の水が最も青く見える季節。御前ヶ浜まで歩く道が気持ちよく、遊覧船との組み合わせも快適です。
秋(10〜11月)
除幕式が行われたのも10月21日。紅葉のなかに立つ二体は、光太郎が「きよめの雨だね」と言った日の景色に最も近いはずです。
冬(12〜2月)
雪の御前ヶ浜に立つ二体。冬の十和田湖は交通が限られますが、この静けさを見た人は少ない。
編集部おすすめの過ごし方 5選

1. 像ではなく、二体の「あいだ」を見る
光太郎は「彫刻は空間を見る。二体の間にできるスキ間に面白味がある」と語りました。像そのものより、その隙間を見る。この一言を知っているかどうかで、見え方が完全に変わります。

2. 背中の線を、目で伸ばしてみる
「二体の背の線を伸ばした三角形が無限を表す」と光太郎は説明しています。背後に回って、二人の背中の線を空へ伸ばしてみてください。

3. 顔を見て、自分で決める
「あれは智恵子夫人の顔」と言われたとき、光太郎は「見る人が決めればいい」と答えました。正解は用意されていません。自分の目でどう見えるかが、そのまま答えです。

4. 「十和田湖畔の裸像に与う」の詩碑を探す
そばには光太郎の詩を刻んだ石碑があります。落成当時の高揚した気分がそのまま出た、気迫のある詩です。像を見たあとに読むと効きます。

5. 休屋から、歩いて向かう
車で真横に着けられないのが、この像の良いところです。湖を左手に15分歩く。その時間が、向かい合う二体に会うための準備になります。
あわせて回りたい、近くの見どころ

十和田神社
杉並木の参道が続く古社。乙女の像への湖畔道から「開運の小道」が分岐しており、2か所はセットで回るのが定番です。

十和田湖遊覧船
休屋発着の湖上遊覧。光太郎が「湖上を遊覧しているうちにいくつも制作イメージが湧いた」と語った、まさにその水の上から十和田湖を見られます。
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近くの人気飲食店
休屋には湖畔の食堂が並びます。十和田湖といえば、和井内貞行が育てたヒメマスです。
みずうみ亭食堂・郷土料理十和田湖休屋/ヒメマス料理など📍Googleマップで現在地からのルートを見る十和田湖といえばヒメマス。和井内貞行が命を懸けて育てた魚が、いまも湖畔の食卓にのぼっている。その事実を知ってから食べると、味の背景が一段深くなります。
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かえで食堂食堂十和田湖休屋/湖畔散策の途中に📍Googleマップで現在地からのルートを見る休屋の散策路沿い、気取らない湖畔の食堂です。乙女の像まで往復したあと、腰を下ろして一息つくのにちょうどいい距離にあります。
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※営業時間、定休日は季節により変動することがあります。訪問前に最新情報をご確認ください。
像の見どころ
光太郎が残した3つの言葉を知ってから見ると、この像は急に喋り出します。
二体の「あいだ」の空間「彫刻は空間を見る。二体の間にできるスキ間に面白味がある」。光太郎自身がそう語った、この像の本体は隙間のほうです。
背中が描く三角形「二体の背の線を伸ばした三角形が無限を表す」。背後に回ったときだけ見える構図です。
顔をめぐる問い制作中、顔は白布で覆われ誰にも見せませんでした。「智恵子だという人があってもいいし、そうでないという人があってもいい。見る人が決めればいい」と光太郎は答えています。
このエリアの宿(料金比較)
乙女の像がある休屋は、十和田湖観光の中心です。ここに泊まれば、朝いちばんの誰もいない御前ヶ浜で二体と向き合えます。奥入瀬渓流温泉から湖畔道路を上がってくる組み方も、Day3の動線として自然。紅葉期(10月中旬〜下旬)は十和田湖周辺の宿も早くから埋まるため、日程が決まったら先に押さえておくのが安全です。

八甲田・十和田湖・奥入瀬
十和田湖・休屋周辺※上記は表示イメージのサンプル価格です。実際の料金・プラン・空室状況は各予約サイトの最新情報をご確認ください。
あると助かるアイテム
休屋から片道15分の湖畔歩き。屋根のない場所に立つ像だからこその5つです。
ウォーキングシューズ休屋から御前ヶ浜まで片道15分、十和田神社の参道も歩くとなると、それなりの距離になります。舗装路と土の道が混ざるので、歩きやすい靴が快適です。
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折りたたみ傘像は完全な屋外に立ち、周囲に雨宿りする場所はありません。湖畔の天気は変わりやすく、一本あれば行程が止まりません。
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御朱印帳乙女の像から「開運の小道」を辿れば十和田神社です。セットで回る人が多い道なので、一冊持っていくと旅の記録が残ります。
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虫除けスプレー湖畔の林を抜けて歩きます。夏場は蚊が出るので、像の前でゆっくり過ごしたいなら一本あると集中が切れません。
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モバイルバッテリー正面、背面、隙間ごし。この像は撮る角度が多く、思った以上にシャッターを切ります。遊覧船や十和田神社も控えているなら、なおさら。
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よくあるご質問(FAQ)
乙女の像は誰の作品ですか。
詩人にして彫刻家の高村光太郎の作品で、彼の最後の作品となりました。昭和28(1953)年に十和田湖の国立公園指定15周年を記念して建立され、除幕式は同年10月21日に行われました。設計は建築家の谷口吉郎、鋳造は伊藤忠雄が手がけています。
乙女の像の大きさを教えてください。
高さ約2.1メートルの裸婦像が二体、向かい合って立っています。青森県公式観光サイトによる数値です。
なぜ同じ像が二体、向かい合っているのですか。
高村光太郎は「湖水に写った自分の像を見ているうちに、同じものが向かい合い、見合うなかで深まっていくものがあることを感じた。それで同じものをわざと向かい合わせた」と語っています。また「二体の背の線を伸ばした三角形が無限を表す」「彫刻は空間を見る。二体の間にできるスキ間に面白味がある」とも述べています。
乙女の像の顔は智恵子夫人なのですか。
制作中、像の顔は白布で覆われ誰にも見せませんでした。完成後に「あれは智恵子夫人の顔」と言われるようになりましたが、光太郎は「智恵子だという人があってもいいし、そうでないという人があってもいい。見る人が決めればいい」と答えています。なお体のモデルは、当時19歳の藤井照子という女性でした。
乙女の像へはどうやって行きますか。
十和田湖畔・休屋の御前ヶ浜にあり、休屋の駐車場やバス停から湖畔の道を歩いて15分ほどです。像の目の前に駐車場はありません。途中から十和田神社へ通じる「開運の小道」が分岐しているため、2か所をあわせて回るのが定番です。
乙女の像は、青森ねぶた+奥入瀬 2泊3日モデルコースのDay3、奥入瀬渓流を歩ききったあとの十和田湖・休屋パートに組み込めます。全行程の回り方はこちらでどうぞ。
航空券も、まとめて比較
青森空港ゆきの国内線をJAL、ANA、FDAなど横断比較。空港から十和田湖までは車で2時間前後。便と車をあわせて押さえるのが確実です。
















