「観光の店じゃなくて、函館の人が普段食べてる店に行きたい」。
函館山の夜景は、もう何度も写真で見た。今回の旅の主役は、この港町が育ててきた台所だ。朝市のどんぶりも、澄んだ塩ラーメンも、地元の寿司も、ぜんぶ食べて帰ろうと決めた。
函館朝市の朝、どんぶりから湯気
函館の旅は、朝市から始めたい。函館駅のすぐ西、若松町に広がる函館朝市は、まだ暗いうちから活気づく。細い通路の両側に鮮魚店がひしめき、どんぶり横丁の食堂は朝六時から開いている。頼んだのは、うに、いくら、ほたてがぎっしりのった海鮮丼。市場で仕入れたばかりだというネタは、丼からこぼれ落ちそうなほどの盛りだった。まだ七時前、湯気の立つ味噌汁をすすっていると、仕入れを終えた市場の人たちが賑やかに朝食をとりにくる。旅の一日は、こういう朝から始めたい。

函館塩ラーメン、澄んだ一杯
昼が近づくと、無性に食べたくなるのが函館塩ラーメンだ。札幌の味噌、旭川の醤油と並ぶ、北海道三大ラーメンのひとつだという。運ばれてきた丼をのぞくと、スープは驚くほど澄んでいる。豚骨と鶏がらから引いたという塩スープは、見た目の淡さからは想像できないほど滋味深い。縮れの少ないまっすぐな麺が、透きとおったスープをよくまとう。飾り気のない、けれど飽きのこない一杯。函館の人が長く通い続けてきた理由が、ひとくちで分かる気がした。

坂の街、元町の甘い時間
午後は、元町の坂道をのんびりと。函館山のふもとに広がる西部地区には、教会や洋館が点在し、石畳の坂の向こうに港が見える。とりわけ八幡坂の上から眺める、まっすぐ海へ下る一本道の景色は忘れがたい。坂を歩き疲れたころ、注文を受けてから包むという生チョコクレープを頬張った。なめらかな口どけに、思わず頬がゆるむ。少し足をのばせば、ベイエリアの金森赤レンガ倉庫に、函館みやげの定番のチーズ菓子もある。夜景だけじゃない、この街の「甘い時間」も、旅の記憶に残しておきたい。

有名な夜景より、通いたくなる一杯。
この街の味は、港とともに積み重ねた時間でできている。
港町の寿司と、活いか
夕方、地元の人に「函館の魚といえば」と聞くと、真っ先に返ってきたのは「いか」だった。函館はいかの街。夏の夜には、いか釣り漁船の漁火が沖に灯るという。朝市の食堂では、水槽から揚げたばかりのいかをその場でさばく活いか踊り丼が名物で、皿の上で足がまだ動くほどの鮮度に驚かされた。夜は、柏木町の寿司屋のカウンターへ。津軽海峡で揚がった旬のネタを一貫ずつ握ってもらう。身のしまったネタは甘く、大将との会話も肴になる。観光地の寿司ではなく、港町の日常の寿司が、ここにはあった。

函館山に灯がともる、港町の夜
最後の夜は、函館山へ。ロープウェイで山頂に立つと、くびれた地形にびっしりと灯りがまたたく、あの夜景が眼下に広がった。世界に名だたる夜景を目に焼きつけてから、ベイエリアへ降りる。明治の倉庫を改装したビヤホールで、函館山の伏流水で仕込んだという地ビールをぐいと飲んだ。冷えたグラスの向こうに、レンガの街並みが浮かぶ。五稜郭の居酒屋で地魚を肴に一杯やるのもいい。この街は、朝の市場も、昼の一杯も、夜景も、そして食卓も、どこか懐かしい灯りに包まれていた。函館は、坂と港の街で、そして間違いなく、うまい街だった。

マリンちゃんさあ、あなたも
味わいに行こう。
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登録不要ですぐ試せます・1日3回まで無料ここからは、はじめての函館グルメでも迷わないための実用ガイドです。地元の人が通う名店16軒を朝市の海鮮丼、寿司、塩ラーメンとご当地グルメ、スイーツ、夜の一杯の5カテゴリに分けて、営業時間、定休日、予算、エリアつきで紹介。実際の営業時間で組んだ食べ歩き1日モデルプラン、旅程づくりに効く定休日早見表、名物の相場、宿の料金比較まで、この1ページで函館の食は全部わかります。
函館に来たら、最初の一食は朝市の海鮮丼を。函館駅すぐの函館朝市とどんぶり横丁には、うに、いくら、かに、活いかを盛った丼を出す食堂が集まります。多くが朝6時から7時に開店し、昼過ぎには閉まるので、旅の朝いちばんが狙い目。うに専門店では、ミョウバンを使わない生うにも味わえます。
うにむらかみ 函館駅前店うに函館朝市★3.62300件函館朝市のほど近く、若松町にあるうに専門店。ミョウバンを使わない生うにや塩水うにを、丼やコースで味わえるのが自慢です。うにのおいしさをまっすぐ伝える一杯は、函館ならではの贅沢。昼と夜の営業で、火曜が定休です。
朝市の味処 茶夢海鮮丼どんぶり横丁★3.54520件函館朝市のどんぶり横丁市場にある、海鮮丼の人気食堂。うに、いくら、かに、ほたてなど好きな具を選んで盛れる丼が名物で、朝7時から営業しています。市場ならではの鮮度と盛りのよさで、旅の初日の朝食にぴったりの一軒です。
きくよ食堂 本店海鮮丼函館朝市★3.491,350件昭和31年(1956年)創業と伝わる、函館朝市を代表する老舗食堂。うに、いくら、ほたてをのせた元祖巴丼が看板で、朝6時から開いています。市場で働く人にも観光客にも愛される、函館の朝の定番。無休(元日を除く)なのも旅程に組みやすいところです。
一花亭たびじ活いかどんぶり横丁★3.49509件函館朝市のどんぶり横丁にある食堂で、名物は活いか踊り丼。水槽から揚げたばかりのいかをその場でさばき、足がまだ動く新鮮さで供されると評判です。朝6時から営業し、いかのほか海鮮丼も充実。函館の朝市らしい活気を味わえる一軒です。
いかをはじめ、津軽海峡の豊かな魚が揚がる函館は、寿司も名店ぞろい。柏木町や新川町には、地元で長く愛される寿司屋が点在します。おまかせは店により数千円から二万円台までと幅広く、夜の名店は予約が安心。手ごろな一軒からハレの日の一席まで、好みに合わせて選べます。
鮨おおね田寿司柏木町★3.7867件柏木町にたたずむ、函館でも指折りの評価を集める寿司の名店。地元の海で揚がった旬のネタを、丁寧なおまかせで味わえます。夜のみの営業で予約が安心の実力店。水曜が定休で火曜は不定休となるため、訪問前の確認をおすすめします。
梅乃寿司寿司柏木町★3.65336件柏木町にある、地元で長く愛される寿司の名店。函館近海の魚を吟味した握りやコースが評判で、落ち着いた雰囲気で味わえます。昼と夜の営業で、最終入店は昼13時、夜20時。日曜と第3月曜が定休なので、旅程を組む際はご注意ください。
すし雅寿司新川町★3.64285件新川町にある、気軽に函館の寿司を楽しめる一軒。朝9時半から夕方まで通しで営業し、テイクアウトにも対応しているのが便利です。日曜が定休。手ごろに握りを味わいたいときや、宿での一杯のお供にも重宝します。
海鮮だけが函館ではありません。北海道三大ラーメンのひとつ、澄んだ函館塩ラーメンと、昭和から続く元祖インドカレー。1,000円前後で味わえる、地元に根づいたソウルフードもぜひ。昼が中心の営業が多いので、ランチに組み込むのが正解です。
滋養軒ラーメン松風町★3.65834件松風町にある、函館塩ラーメンの名店として知られる老舗。豚骨と鶏がらから引いた澄んだスープに、細めの麺が合う一杯は素朴で滋味深い味わいです。スープがなくなり次第終了で、営業は昼のみ。火曜、水曜、木曜が定休なので、訪問できる曜日が限られます。
あじさい 本店ラーメン五稜郭町★3.641,984件函館塩ラーメンを代表する、五稜郭町の名店。透き通ったスープに縮れの少ない麺を合わせた王道の一杯で、地元でも観光客でも人気を集めます。通し営業で立ち寄りやすく、第4水曜が定休。函館でまず一杯というなら、外せない一軒です。
元祖インドカレー 小いけカレー宝来町★3.61548件宝来町にある、昭和23年(1948年)創業と伝わる函館名物のカレー店。とろみのある独特のインドカレーは、どこか懐かしく、地元で長く親しまれてきた味です。昼のみの営業で、火曜が定休。寿司や海鮮に少し変化がほしいころの一皿におすすめです。
はこだて塩らーめん しなのラーメン若松町★3.59939件函館朝市にも近い若松町にある塩ラーメンの一軒。函館らしい澄んだ塩スープが評判で、昼夜ともに営業しているのが旅程に組みやすいところです。スープがなくなり次第終了することも。日曜が定休なので、訪問日にはご注意ください。
函館は、早くから西洋文化が入った街。元町の坂やベイエリアには、生チョコクレープやチーズ菓子の名店があります。数百円から千円台で幸せになれる寄り道を、散策の合間にどうぞ。函館みやげ選びにも重宝します。
アンジェリック ヴォヤージュ 本店スイーツ弥生町★3.651,030件函館山ロープウェイにほど近い弥生町にある人気のスイーツ店。注文を受けてから包む生チョコクレープが名物で、なめらかな口どけと評判です。売り切れ次第終了となる日もあり、火曜と水曜が定休。坂の街の散策途中の甘い休憩にぴったりの一軒です。
プティメルヴィーユ 金森赤レンガ倉庫BAYはこだて店洋菓子ベイエリア★3.55291件ベイエリアの金森赤レンガ倉庫にある洋菓子店。ひとくちサイズのチーズケーキ、メルチーズが看板商品で、函館みやげの定番として親しまれています。併設のカフェでひと休みもでき、無休で営業。赤レンガ倉庫の散策とあわせて立ち寄りたい一軒です。
函館の夜は、地元の魚と一杯で。五稜郭や駅前の居酒屋では、近海の魚介の刺身が待っています。ベイエリアには、函館山の伏流水で仕込む地ビールのビヤホールも。予算はおおむね3,000〜5,000円。夜景を眺めてから、レンガの街で乾杯するのが、この街ならではの夜の過ごし方です。
二代目 佐平次居酒屋五稜郭★3.74265件五稜郭エリアにある、評価の高い人気居酒屋。函館近海の魚介を使った刺身や一品料理、日本酒の品ぞろえに定評があります。夜のみの営業で、月曜が定休。予約が安心の一軒で、函館の夜を地元の魚と一杯で締めくくりたいときにおすすめです。
大衆居酒屋魚さんこ居酒屋若松町★3.61488件函館駅にほど近い若松町にある大衆居酒屋。新鮮な魚介の刺身や、こぼれるほど盛った海鮮が人気で、賑やかな雰囲気で楽しめます。夕方16時半から営業し、年中無休なのもうれしいところ。観光の締めに、気軽に函館の海の幸で乾杯できる一軒です。
はこだてビールビールベイエリア★3.49335件函館ベイエリアの大手町にある、地ビール醸造所併設のビヤホール。函館山の伏流水で仕込むクラフトビールを、できたての鮮度で味わえます。海の幸に合う一杯を、レトロな空間で。水曜が定休。ライトアップされたベイエリアの散策とあわせた夜の一杯におすすめです。
※営業時間・定休日・価格は2026年8月時点の公開情報です。臨時休業や早じまい、季節による変更もあるため、訪問前に最新情報をご確認ください。「食べログで見る・予約」は食べログの各店舗ページへ移動します。ネット予約に対応していない店舗は、掲載の電話番号からご予約ください。
風景写真の一部はWikimedia Commonsのライセンス画像を使用しています: 函館朝市 (663highland, CC BY 2.5)、金森赤レンガ倉庫 (663highland, CC BY 2.5)、八幡坂 (bryan, CC BY-SA 2.0)。函館山夜景、元町、いか釣り漁船の写真はTRAVEL HUB編集部素材、店舗写真は食べログ掲載の各店舗ページより。
食べ歩き1日モデルプラン|実際の営業時間で組んだ一日
16店の営業時間をもとに、無理なく回れる一日を組みました。函館朝市の朝どんぶりに始まり、坂の街とベイエリアの甘味を挟み、函館山の夜景と地魚で締める。市電と徒歩で回れる、函館の「うまい」を全部乗せした一日です。
- 7:00
きくよ食堂 本店で朝市の海鮮丼函館朝市は朝6時開店。うに、いくら、ほたての元祖巴丼で一日を贅沢に始める(無休、元日除く)食べログ予約 › - 9:30
金森赤レンガ倉庫とベイエリアさんぽ海沿いのレンガ倉庫群を散策。おみやげ探しや、港の景色を楽しむ - 10:30
プティメルヴィーユでメルチーズ赤レンガ倉庫の洋菓子店で、ひとくちチーズケーキとカフェ休憩(無休)食べログ予約 › - 11:30
元祖インドカレー 小いけで函館カレー宝来町の老舗で、とろみのある元祖インドカレーを。函館名物のひとつ(火曜休)食べログ予約 › - 13:30
元町・八幡坂さんぽとアンジェリックのクレープ教会と坂の街を歩き、注文を受けてから包む生チョコクレープでひと休み(火、水休)食べログ予約 › - 16:00
五稜郭を歩いて、あじさい本店で塩ラーメン市電で五稜郭へ。散策のあとは、函館塩ラーメンの名店で澄んだ一杯を(第4水曜休)食べログ予約 › - 18:30
二代目 佐平次で地魚と一杯五稜郭の人気居酒屋で、近海の魚介の刺身と日本酒。函館の夜を締めくくる(月曜休)食べログ予約 › - 20:30
函館山ロープウェイで夜景旅の締めは、世界に名だたる函館山の夜景。くびれた地形にまたたく灯りを一望する
定休日早見表|火曜と水曜は要注意
函館の食べ歩きには、実は「曜日の罠」があります。とくに火曜と水曜は、寿司やラーメン、スイーツの名店が集中して休むので、旅程づくりの前にこの表をチェックしてください。
| 月曜 | 二代目 佐平次。梅乃寿司は第3月曜が休みです |
|---|---|
| 火曜 | うにむらかみ 函館駅前店、元祖インドカレー 小いけ、アンジェリック ヴォヤージュ、滋養軒。鮨おおね田も火曜は不定休。この日は朝市の食堂やあじさい本店が頼りになります |
| 水曜 | 鮨おおね田、あじさい 本店(第4水曜)、アンジェリック ヴォヤージュ、滋養軒、はこだてビール。寿司とスイーツが手薄になる曜日です |
| 木曜 | 滋養軒。鮨おおね田は木曜のみ19時開店と遅めです |
| 金曜 | 定休の店はほぼなし。朝市も寿司も動いています |
| 土曜 | 定休の店はほぼなし。そのぶん混むので、寿司や夜の居酒屋は予約が安心です |
| 日曜 | 梅乃寿司、すし雅、はこだて塩らーめん しなの |
| 無休・不定休 | きくよ食堂 本店(無休、元日除く)、プティメルヴィーユ、大衆居酒屋魚さんこは無休。茶夢と一花亭たびじは不定休です |
函館の名物お品書き
店選びに迷ったら、まずは函館の名物から。津軽海峡の海の幸と、坂の街が育てた洋菓子文化が、ここには両方あります。
エリア別・函館グルメの楽しみ方
函館の食は、エリアごとに顔が変わります。朝市と駅前、ベイエリア、元町は徒歩で、五稜郭と湯の川は市電で結んで組み合わせるのがおすすめです。
函館朝市・函館駅前 | 朝どんぶりの聖地。うに、いくら、活いかの海鮮丼を朝6時から。うに専門店や塩ラーメン、大衆居酒屋も集まる、函館グルメの中心です |
|---|---|
ベイエリア・金森赤レンガ倉庫 | 明治の倉庫が並ぶ港の一帯。チーズ菓子の洋菓子店や、函館山の伏流水で仕込む地ビールのビヤホールが点在し、夜のライトアップも見どころです |
元町・西部地区(坂の街) | 教会と洋館が点在する坂の街。八幡坂からの港の眺めとともに、生チョコクレープの名店やレトロなカフェで甘い休憩を楽しめます |
五稜郭・湯の川温泉 | あじさい本店の塩ラーメンや人気居酒屋が集まる五稜郭と、温泉宿が並ぶ湯の川。函館山の夜景とあわせて、夜の楽しみが詰まったエリアです |
予約・混雑・旅のコツ
- 朝市の海鮮丼は早い時間に:函館朝市の食堂は朝6時から7時開店。昼前には売り切れや行列になることもあるので、朝いちばんが狙い目です。
- 寿司と夜の居酒屋は予約を:人気の寿司店や居酒屋は満席になりやすく、ネタがなくなり次第終了する店もあります。旅程が決まったら早めに電話予約を。
- 火曜と水曜の定休に注意:寿司、ラーメン、スイーツの名店を中心に火曜や水曜に休む店が多く、滋養軒は火水木が休みです。定休日早見表で訪問日を確認しましょう。
- 移動は市電と徒歩で:朝市、駅前、ベイエリア、元町は徒歩圏。五稜郭や湯の川へは市電が便利です。空港や近郊へ足をのばすなら、函館でレンタカーを比較するのもおすすめです。
モデルコースに組み込むなら
観光と食を無理なく両立させるなら、朝市の朝、坂の街とベイエリアの昼、函館山の夜景と地魚の夜という一日の型がおすすめです。函館は札幌や新千歳空港からのアクセスもよく、大沼国定公園の自然や湯の川温泉の宿とあわせれば、景色と味の両方で忘れられない旅程になります。夜景まで楽しむなら、市街地に一泊するのがおすすめです。
函館の宿を比較して予約する
食べ歩きの拠点は、朝市や駅前の便利なエリアか、湯の川温泉の温泉宿かで旅の性格が変わります。同じ宿でも予約サイト(OTA)ごとに料金やプラン、ポイント還元が異なるため、複数サイトを見比べてから予約するのがいちばんお得です(下記の価格は表示イメージのサンプルです)。
※TRAVEL HUBは各予約サイトの料金をまとめて比較できるメディアです。当サイト自体は予約・決済を行いません。函館の宿をまとめて比較する



