
屋久島 2泊3日モデルコース
縄文杉と苔むす森、海へ落ちる滝
往復10時間。それでも人は、一本の木に会いに行きます。九州最高峰の宮之浦岳を抱く屋久島は、海の上に山が立ち上がった島です。荒川登山口のマイカー規制の越え方、2種類ある協力金の違い、縄文杉トレッキングの時間割と装備、苔むす森、海へ落ちる滝、岩礁に現れる湯まで。2泊3日の回り方を、安全の勘どころつきでまとめました。
この記事でわかること
- 屋久島が「洋上アルプス」と呼ばれる理由と、島ぜんたいの地理感覚
- 荒川登山口のマイカー規制(3月1日〜11月30日)の越え方と登山バスの料金
- まぎらわしい2種類の協力金の違い(山岳部1,000円と森林環境800円)
- 初めてでも迷わない2泊3日のモデルコース(時刻、移動つき)
- 縄文杉、白谷雲水峡、大川の滝ほか必訪スポットの回り方
- 屋久島の宿の選び方と料金比較
往復22km、標高差610m、標準9〜10時間。数字だけ並べると、それは登山の記録です。けれど荒川登山口から歩き出した人が語るのは、たいてい数字の話ではありません。トロッコ道の枕木を延々と踏む単調な時間、ウィルソン株の空洞で見上げたハート形の空、そして最後にあらわれる一本の前で、なぜか言葉が出てこなかったこと。この記事は、そんな屋久島を2泊3日でいちばん確実に、いちばん安全に味わうための「黄金モデルコース」です。読み終えるころには、自分の旅のスケジュールがそのまま組み上がっているはずです。
屋久島ってどんな島?「洋上アルプス」と呼ばれる理由

屋久島は、鹿児島県の南、海の上にぽつんと浮かぶ円い島です。ただの離島と違うのは、その島に九州最高峰の宮之浦岳(標高1,936m、日本百名山)がそびえていること。海抜0mの砂浜から、1,936mの山頂までが、ひとつの島の中に詰まっています。海の上に高い山が連なるその姿から、屋久島は「洋上アルプス」とも呼ばれます。島の一部は世界自然遺産に登録されています。
この「海から山まで」という構造が、屋久島の風景をぜんぶ説明してくれます。標高が上がるほど気温は下がるので、海辺の亜熱帯的な植生から、山の上の冷涼な森まで、車で1時間も走らないうちに景色が入れ替わります。西部林道で照葉樹林を抜け、白谷雲水峡で苔の森に入り、太鼓岩まで登れば九州最高峰が正面に現れる。同じ島の中の出来事とは思えません。
そして屋久杉です。屋久島の山地に育つ杉は、成長がひどく遅い代わりに、樹脂を多く含んで腐りにくく、結果としてとてつもなく長く生きます。縄文杉はその象徴で、往復約22kmの道の先にただ一本、立っています。ウィルソン株のように、江戸期に伐られた切り株が数百年たった今も森に残っているのも、この木の性質ゆえです。
往復10時間。それでも人は、この一本に会いに行く。
屋久島でいちばん多く歩かれている理由。
もうひとつ、旅の前に必ず知っておくべきことがあります。縄文杉へ続く荒川登山口は、3月1日〜11月30日がマイカー規制です。この一点を知らずに出発すると、旅が丸ごと崩れます。次の章で、その越え方から順にご案内します。
アクセス・基本情報・ベストシーズン
屋久島への玄関口は鹿児島です。飛行機なら鹿児島空港から屋久島空港へ約30〜35分。東京、大阪等からは鹿児島空港での乗り継ぎになります。船なら鹿児島本港から宮之浦港へ、高速船(トッピー、ロケット)で概ね2〜3時間、フェリー(フェリー屋久島2)で約4時間です。午前の便で着けば、到着日の午後から観光にあてられます。
航空券も、まとめて比較
鹿児島空港から屋久島空港へは約30〜35分。遠方からは鹿児島空港での乗り継ぎになります。夏休みの屋久島便は早くに埋まるので、日程が決まったら早めのチェックが安心です。
















| 主なアクセス | 飛行機は鹿児島空港から屋久島空港へ約30〜35分。船は鹿児島本港から宮之浦港へ、高速船(トッピー、ロケット)で概ね2〜3時間、フェリー(フェリー屋久島2)で約4時間 |
|---|---|
| マイカー規制 | 荒川登山口は毎年3月1日〜11月30日が終日規制。マイカー、レンタカー、二輪車、自転車は町道荒川線へ入れません。屋久杉自然館前で登山バスに乗り換え、約40分。片道券2,000円、往復券3,000円(いずれも協力金1,000円を含む)。予約、座席指定は不可 |
| 協力金(2種類) | 荒川登山口、淀川登山口方面=山岳部環境保全協力金(中学生以上、日帰り1,000円、山中泊2,000円)。白谷雲水峡、ヤクスギランド=森林環境整備推進協力金(高校生以上1人800円、団体20名以上は1人600円) |
| ベストシーズン | 縄文杉トレッキングが歩きやすいのは5〜10月。ただし夏は熱中症、秋は日没の早さに注意。海水浴場の開設は例年7月中旬〜8月31日、ウミガメの産卵期は5〜8月 |
| 気候・服装 | 雨の多い島で、天気は変わりやすい。上下セパレートの登山用レインウェアは必携(綿シャツ、スニーカーは非推奨)。長い行程では防水トレッキングシューズ、ヘッドライト、行動食、飲料水を |
| 所要日数の目安 | 縄文杉は往復約22km、標高差610m、標準9〜10時間の1日仕事。組み込むなら2泊3日が目安 |
島内はレンタカーがあると世界が広がります
ヤクスギランド行きの路線バスは1日往復2本のみ。大川の滝、西部林道、南部の温泉まで自分の時間で回るなら、レンタカーが最も自由が利きます。ただし荒川登山口だけは規制期間中マイカーで入れず、登山バスへの乗り換えが必須です。














宮之浦と安房、どちらを起点にするか(時間の組み立て方)
屋久島の拠点になる集落は、北の宮之浦と東の安房です。宮之浦は港と環境文化村センター、益救神社があり、島の玄関口。安房は屋久杉自然館に近く、つまり荒川登山バスの乗り場に近い集落です。縄文杉に行くなら、前夜は安房周辺に泊まるのが合理的です。バスは早朝発、起床は4時台。この30分の差が、当日の体力に効いてきます。宿は複数の予約サイトで横断比較して押さえるのがおすすめです。
2泊3日モデルコース(時刻・移動つき)
ここからが本題です。設計方針はシンプルで、縄文杉に丸1日を明け渡すこと。往復10時間前後かかる以上、他の予定と同居させることはできません。そこで到着日(Day1)は北部を軽く周遊、Day2は縄文杉に全振り、Day3で南部の滝と温泉を回収して帰路につく構成にしました。時刻はあくまで目安です。屋久島で最も大切なのは、下山時刻から逆算すること。これは満足度ではなく、安全の話です。

屋久島空港 or 宮之浦港に到着 → レンタカー受取
午前の便で着けば、ここから半日使えます。島内はバスの本数が限られるので、レンタカーがあると行動範囲がまるで変わります。移動:安房の屋久杉自然館まで車

屋久島世界遺産センター(無料)+屋久杉自然館(600円)
ここを先に見るかどうかで、翌日の縄文杉の重みが変わります。「樹齢何千年」が数字でなくなる場所。世界遺産センターは環境省の施設で入館無料、9:00〜17:00(入館16:30まで)。自然館は大人600円で、目の前が翌朝の登山バス乗り場です。下見も兼ねて。移動:宮之浦へ車

志戸子ガジュマル公園
幹がどれなのか、わからなくなります。垂れた根が土に届き、そこからまた木が始まる。2026年4月から入園無料になりました(開園8:30〜17:00)。移動:西部林道へ、島の西側を南下

西部林道(約17km)
環境省が「世界遺産地域を車道が通っている唯一の場所」と説明する道。先に道を渡っているのは人ではなく、ヤクシマザルとヤクシカです。幅員が狭く蛇行し、大型車両は通行できません。携帯は圏外になります。徐行と、餌を与えないこと。移動:永田いなか浜へ

永田いなか浜で夕景
花崗岩が砕けた黄色い砂が約1km続く、日本一の海がめ産卵地。2005年にラムサール条約の登録湿地に指定されました。夏は口永良部島の右側に日が沈みます。5月1日〜9月30日の夜間、浜への立ち入りはご遠慮を。ウミガメ観察は公式の観察会(要予約、受付20:00〜20:30、大人3,000円、中学生以下500円)への参加が必要です。移動:安房の宿へ

安房周辺の宿にチェックイン、早めに就寝
明日は4時台起床です。荷造りは今夜のうちに。ヘッドライトの電池、レインウェア、行動食、水。朝あわてて詰めると、必ず何かを忘れます。

起床 → 屋久杉自然館前へ
まだ暗いうちに出ます。昨日下見をしておいた乗り場へ。登山バスは予約も座席指定もできません。片道券2,000円、往復券3,000円(いずれも協力金1,000円込み)。移動:登山バスで荒川登山口へ約40分

荒川登山口 → トロッコ道へ
ここから往復約22km、標高差610m、標準9〜10時間の一日が始まります。前半はひたすらトロッコ道。単調ですが、枕木は濡れるとよく滑ります。ここで飛ばすと後半に効くので、意識してゆっくり。移動:ウィルソン株まで徒歩約3時間

ウィルソン株(標高1,030m)
江戸期に伐られた切り株の中は、畳10畳ほどの空洞。奥に湧水と祠があります。中に入り、特定の位置から見上げると、天井がハート形に切り抜かれる。名は大正時代に屋久島を調査した植物学者アーネスト・ヘンリー・ウィルソンにちなみます。見学は15〜20分ほど。移動:縄文杉へ、ここから登りが本格化

縄文杉に会う
5時間歩いてきて、展望デッキから見るのは一本の木です。それだけです。それなのに、多くの人がここで黙ります。ここが折り返し点。滞在は長くても20〜30分にして、帰りの時間を確保してください。移動:荒川登山口へ下山、徒歩約5時間

荒川登山口へ下山 → 登山バスで屋久杉自然館前へ
下りのトロッコ道は、疲れた脚に効きます。日が短い時期はこの時間でもう暗いので、ヘッドライトを出しておいてください。移動:登山バスで約40分

尾之間温泉で流す(300円)
扉を開けた瞬間に硫黄が鼻へ届く、単純硫黄泉、源泉約49℃の共同浴場。約350年前の開湯と言い伝えられています。営業は7時〜21時(月曜のみ12時〜21時=午前が休みで、終日休みではありません)。大人300円、小人150円。10時間歩いた脚に、この湯は効きます。

千尋の滝
主役は滝ではないかもしれません。落差約60mの滝の隣に、巨大な花崗岩の一枚岩が山の斜面ごと横たわっています。安房から車で約23分。駐車場、トイレともにあります。移動:大川の滝へ、島の南西へ

大川の滝(落差88m)
滝壺の手前で、会話が続かなくなります。88mを落ちてきた水が、音ではなく風圧になって顔に届くからです。日本の滝100選。駐車場から徒歩約2分で滝壺のすぐ手前まで行けます。安房から車で約55分。駐車場は普通車5台のみなので、時間帯によっては待ちます。岩は滑るので足元に注意を。移動:中間集落へ

中間ガジュマル
車ごと、木の下をくぐり抜けます。中間川のほとりに立つ巨大なガジュマルで、幹や枝がトンネル状に。駐車場は2台のみ、しかも集落の生活道路沿いです。対向車と歩行者、そして地域の方への配慮を忘れずに。移動:昼食へ

トローキの滝
落差は5m程度。それでも忘れられないのは、この滝の落ち先が川ではなく、海だからです。滝自体には駐車場もトイレもないので、ぽん・たん館を起点に徒歩5分。安房港から車で約13分。滞在は短時間で済みます。移動:春田浜へ

春田浜海水浴場(夏季のみ)
屋久島最大の隆起サンゴ礁海岸にできた天然プール状の海水浴場。タイドプールを覗くと熱帯魚がいます。開設は7月中旬〜8月31日、9:00〜18:00、利用料無料。トイレ、更衣室、シャワーあり。山を歩いた脚を海で冷やすのは、なかなか贅沢です。移動:屋久島空港 or 港へ

屋久島空港 or 宮之浦港・安房港から帰路
3日間で、海抜0mから1,000mの森までを歩いた満足感とともに。たんかんや島のお茶をお土産に。
健脚向けの延長オプション。太忠岳・天柱石(標高1,497m、往復6〜7時間、約7km)はヤクスギランドの奥、蛇紋杉から入るルート。山頂に高さ40mの巨石が待っています。モッチョム岳(標高940m、往復約5.5km、標高差667m、7〜9時間)は「東洋のマッターホルン」と呼ばれる岩峰で、登山初心者には不向きとされる本格コースです。どちらも日帰りできますが、出発時刻と下山時刻を先に決めてから入山してください。
必訪スポット詳細ガイド
モデルコースに登場した主役級スポットを、もう少し詳しくご紹介します。回る順番や滞在時間の参考にしてください。
① 縄文杉への道(縄文杉・ウィルソン株)

縄文杉
荒川登山口から往復約22km、標高差610m、標準所要時間9〜10時間。早朝出発が前提の「1日仕事」です。前半はトロッコ道が延々と続き、後半に登りが本格化します。歩きやすいのは5〜10月ですが、夏は熱中症、秋は日没の早さに注意が必要です。マイカー規制と協力金の詳細は縄文杉トレッキングで紹介しています。

ウィルソン株
荒川登山口から徒歩約3時間、標高1,030m地点にある、縄文杉へ向かう登山道の経由地です。江戸期に伐採された切り株で、内部は畳10畳ほどの空洞。奥に湧水と祠があり、特定の位置から見上げると天井がハート形に見えます。名称は大正時代に屋久島を調査した植物学者アーネスト・ヘンリー・ウィルソンにちなみます。詳しくはウィルソン株で紹介しています。
② 苔むす森と屋久杉の森(白谷雲水峡・太鼓岩・ヤクスギランド)
白谷雲水峡は、一面の苔に覆われた原生林です。入口の管理棟で森林環境整備推進協力金(高校生以上1人800円、団体20名以上は1人600円)を納めます。苔むす森コースは往復3〜4時間ほど。宮之浦から車で約30分で、入口に管理棟、トイレ、駐車場がありますが、森の中に売店はありません。早朝は人が少なく、光が斜めに差して苔が最も美しく見えます(白谷雲水峡)。太鼓岩は白谷雲水峡の最奥、標高1,050mの一枚岩の展望台。入口から往復4〜5時間、約5.5km、標高差430mです。岩の上には柵がないので足元に注意を。太鼓岩は白谷雲水峡の中のため山岳部協力金は不要ですが、辻峠を越えて縄文杉方面へ向かう場合のみ別途必要です(太鼓岩)。ヤクスギランドは標高約1,000mの屋久杉の森で、協力金は白谷雲水峡と同じ800円。散策コースは5つあり、いちばん短いもので30分ほど。午前中は光が斜めに差し、苔と巨木のコントラストが美しく出ます(ヤクスギランド)。


③ 島の滝(大川の滝・千尋の滝・トローキの滝)
屋久島は水の島です。大川の滝は落差88m、日本の滝100選に選ばれた島最大級の滝で、駐車場から徒歩約2分で滝壺のすぐ手前まで行けます。宮之浦から車で約75分、安房から約55分。トイレと駐車場(多目的トイレあり)がありますが、駐車場は普通車5台のみで滝の規模に対して非常に少なく、時間帯によっては待つことになります。狙い目は大型バスや車が集まりにくい早朝、雨のあとは水量が増して迫力が増します(大川の滝)。千尋の滝は落差約60mですが、見どころは滝の左手に広がる巨大な花崗岩の一枚岩。安房から車で約23分、駐車場とトイレがあります(千尋の滝)。トローキの滝は落差5m程度と小さいものの、川が直接海に流れ落ちる日本でも珍しい滝で、潮位で落差が変化します。滝自体に駐車場もトイレもないので、ぽん・たん館から徒歩5分でどうぞ(トローキの滝)。


④ 島の湯(平内海中温泉・湯泊温泉・尾之間温泉)
屋久島の温泉は、どれも300円です。平内海中温泉は岩礁に湧く海中温泉で、入れるのは1日2回の干潮の前後、約2時間だけ。満潮時は海面下に沈みます。訪問日の潮位表の事前確認が必須です。泉質はアルカリ性単純温泉、源泉温度46.5℃。こころざし300円、脱衣所あり、駐車場は5台のみ。男女混浴で、水着や下着を着用しての入浴は禁止(バスタオル巻き、湯浴み着は可)、混浴のため許可なく写真撮影も禁止です(平内海中温泉)。湯泊温泉は干潮に左右されない代替で、24時間入浴可。アルカリ性単純温泉、源泉38.4℃、岩に囲まれた円形の湯船です。300円をこころざしとして納めます。男女別ですが、屋久島町の公式が「申し訳程度の仕切り」と表現するとおり仕切りは簡素です(湯泊温泉)。尾之間温泉は単純硫黄泉、源泉約49℃の共同浴場。7時〜21時(月曜のみ12時〜21時)、大人300円、小人150円。約350年前の開湯と言い伝えられています(尾之間温泉)。


他にも訪れたい屋久島の観光スポット
ここまでご紹介した必訪スポットに加えて、屋久島にはまだまだ感動的な景色が広がっています。屋久杉と原生林、島の滝、ガジュマルと林道、ビーチとウミガメ、温泉まで、それぞれの行き方・料金・ベストシーズンを詳しくまとめた個別ガイドはこちらです。

縄文杉トレッキング
往復約22km、標高差610m、標準9〜10時間。それでも人は、この一本に会いに行きます。
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ウィルソン株
切り株の中に立ち、見上げる。空が、ハートの形に切り抜かれています。荒川登山口から徒歩約3時間。
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白谷雲水峡
緑が、音を吸い込んでいく。一面の苔に覆われた森。協力金800円、苔むす森コースは往復3〜4時間。
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太鼓岩
標高1,050m。数時間ずっと緑の中を歩いてきた目に、九州最高峰が正面から流れ込んできます。
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ヤクスギランド
30分でも、3時間でも。標高1,000mの屋久杉の森は、歩ける時間だけ受け止めてくれます。協力金800円。
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太忠岳・天柱石
標高1,497m。山頂で待っているのは山でも海でもなく、高さ40mの巨石でした。往復6〜7時間。
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モッチョム岳
標高940m、通称「東洋のマッターホルン」。往復約5.5km、7〜9時間の本格登山コースです。
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大川の滝
落差88m、日本の滝100選。滝壺の手前で、会話が続かなくなります。駐車場から徒歩約2分。
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千尋の滝
主役は滝ではないかもしれません。落差約60mの滝の隣に、巨大な花崗岩の一枚岩が横たわっています。
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トローキの滝
落差は5m程度。それでも忘れられないのは、この滝の落ち先が川ではなく、海だからです。
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西部林道
世界遺産の中を、車で走れる場所。しかも先に道を渡っているのは、人ではありません。約17km。
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中間ガジュマル
車ごと、木の下をくぐり抜ける。中間川のほとりに立つ、トンネル状の巨大なガジュマル。
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志戸子ガジュマル公園
幹がどれなのか、わからなくなる。垂れた根が土に届き、そこからまた木が始まる森。入園無料。
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永田いなか浜
黄色い砂に残る、大きな生き物の足跡。日本一のウミガメ産卵地で、ラムサール条約の登録湿地です。
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一湊海水浴場
屋久島最北端の港町に、屋久島一の広さを誇る渚。波はおだやかで、海の底まで見通せます。
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春田浜海水浴場
隆起サンゴが積み重なる岩場の先に、コバルトブルーの遠浅。夏だけ開かれる天然プール状の海。
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平内海中温泉
満潮なら、海の底。干潮の前後だけ、岩礁の間に現れる混浴の湯。こころざし300円。
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湯泊温泉
時計を気にしなくていい湯が、島の南にひとつだけ。24時間入浴可、300円、男女別です。
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尾之間温泉
扉を開けた瞬間に、硫黄が鼻へ届く。集落の人が今日も入りに来る、源泉約49℃の共同浴場。300円。
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屋久島世界遺産センター
世界自然遺産、という肩書きを肩書きのまま持ち帰らないために。環境省の施設、入館無料。
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屋久杉自然館
樹齢何千年、と聞いても数字にしか思えない。その数字が急に重さを持つ、山に入る前の展示施設。
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屋久島環境文化村センター
宮之浦港に着いたその足で、屋久島の自然と文化にふれられる場所。大人530円。
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益救神社
港から歩いて5分。日本最南端の式内社で、船を降りたばかりの旅人が最初に足を止める場所。
詳細ガイド ›アクティビティ:世界自然遺産の島で、もう一歩ふみ込む

屋久島は、遊歩道を歩くだけで満ち足りる島です。それでも「もう一歩」を求めるなら、選択肢はあります。目的別に整理します。
ガイドと歩く屋久島の森同じ森でも、ガイドと歩くと見えるものが変わります。苔の名前、屋久杉と小杉の違い、鹿の通り道。ひとりなら通り過ぎてしまうものに、名前がつく体験です。縄文杉のような長丁場では、ペース配分と天候判断を任せられる安心感もあります。
海の底まで見通す、屋久島の海屋久島は山の島だと思われがちですが、海の透明度も相当なものです。一湊はダイビングの名所として知られ、春田浜の隆起サンゴのタイドプールでは熱帯魚が普通に泳いでいます。山を歩いた翌日、体をゆるめるのにも向いています。
水面から島を見上げる屋久島は「ひと月に35日雨が降る」と言われるほど水の多い島で、その水はやがて川になって海へ出ます。カヤックで川面に浮かぶと、いつも見上げていた照葉樹林を、水の高さから見上げ直すことになります。
屋久島グルメ:島の恵みを味わう

屋久島の食は、海と山の両方から届きます。港に揚がる地魚と、島で育つ牛や鹿、そして果実とお茶。10時間歩いた日の夜に、この島の食卓があることの意味は大きいです。
島の地魚を、島で食べるトビウオ、首折れサバ、シマアジ。屋久島の食卓は、朝に揚がったものがそのまま夜に出てきます。とくにトビウオは屋久島を代表する魚で、姿揚げは羽を広げたまま皿にのって出てきます。宮之浦と安房の港町に、地魚を出す店が集まっています。
縄文牛とジビエ、山の恵み屋久島には「縄文牛」というブランド牛があり、島にはヤクシカも生息しています。山を10時間歩いた日の夜、肉が体に入っていく感覚は格別です。安房には、縄文牛やジビエを出す店が集まっています。
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島の食堂で、島の定番を観光客向けの店ではなく、島の人が普通に昼を食べている店。トビウオ料理や島の定食が、気負いなく出てきます。縄文杉から下山した日の夕方、ここに座れることが何よりのごほうびになります。
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たんかんとお茶、島の甘いもの屋久島はたんかんやポンカンの島でもあり、島のお茶も作られています。歩き詰めの旅程の合間、冷たい甘いものが体に沁みる瞬間があります。空港近くの小瀬田にも、南部の尾之間にも、寄れる店があります。
旅の最後の夜に、少しだけ特別を2泊3日の最後の夜だけ、少し良い皿を選ぶという手もあります。屋久島南部の麦生には、海を望むホテルのレストランがあります。10時間歩いた自分に、これくらいは許してもいいはずです。
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宿泊エリアの選び方と料金比較
屋久島の宿は、大きく宮之浦、安房、南部(尾之間・麦生ほか)に分かれます。ポイントはひとつだけ。縄文杉に行くなら、前夜は安房周辺に泊まることです。屋久杉自然館前の登山バス乗り場に近く、4時台起床の負担が目に見えて軽くなります。宮之浦は港と観光施設が集まる島の玄関口で、船で入る人や到着日の泊まりに便利。南部は尾之間温泉や海を望む宿があり、のんびり過ごしたい方に向きます。ただし屋久島の宿は各予約サイトとも集落単位の絞り込みができないため、下記は島全体での料金比較です。宿の詳細ページで所在集落をご確認ください。

屋久島の宿
宮之浦・安房・南部から選ぶ(縄文杉なら安房周辺)※Booking.comの金額は2026年8月10日(1泊1室2名)で編集部が実際に検索した時点の最安値です。どの予約サイトが最も安いかは日程と宿によって入れ替わるため、当ページでは「最安」の断定を避け、各サイトで見比べていただく形にしています。TRAVEL HUBは予約サイト各社の料金をまとめて比較できるメディアで、当サイト自体は予約、決済を行いません。料金、プラン、空室状況は各予約サイトの最新情報をご確認ください。屋久島の宿をまとめて比較する
服装・持ち物・知っておきたい注意点
防水トレッキングシューズ屋久島は雨の多い島です。縄文杉は往復約22km、しかもトロッコ道の枕木と木の根はよく滑ります。スニーカーで挑むと、下山の頃には足が悲鳴を上げます。ここだけは妥協しないでください。
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LEDヘッドランプ縄文杉は早朝出発が前提で、日が短い時期は行きも帰りも暗い時間に歩きます。手に持つ懐中電灯では両手が塞がり、鎖場や階段で危険です。頭に着けるタイプを必ず用意してください。予備電池もあわせて。
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水筒・マイボトル荒川登山口から先に売店はひとつもありません。往復10時間を自分の持ち物だけで歩くことになります。屋久島の沢水は飲めるとされる場所もありますが、出発前に満たしておくのが基本です。
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小銭入れ屋久島の温泉は「こころざし」を箱に納める方式です。平内海中温泉300円、湯泊温泉300円、尾之間温泉300円。無人の脱衣所に箱が置いてあるだけの場所もあるので、100円玉を用意しておくとまごつきません。
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虫除けスプレー亜熱帯の照葉樹林です。苔むす森でじっくり写真を撮りたいなら、一本あるだけで景色に集中できます。西部林道で車を降りるときにも効きます。
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日焼け止め森の中は日陰でも、ビーチと海中温泉には遮るものがありません。春田浜の隆起サンゴの岩場も、平内海中温泉の湯船も、日差しを避ける場所がないと考えてください。夏の日差しを甘く見ると、旅の後半がつらくなります。
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ベストシーズンと月別の楽しみ方
縄文杉トレッキングが歩きやすいのは5〜10月です。ただし同じ「歩きやすい」でも中身が違います。7〜8月は日が長く行動時間を確保しやすい反面、熱中症への備えが要ります。飲料水は多めに。この時期は海水浴場(例年7月中旬〜8月31日開設)が開き、永田いなか浜のウミガメ産卵期(5〜8月)とも重なるので、山と海を両方味わえる季節です。9〜10月は暑さがやわらいで歩きやすくなりますが、日没が早くなるぶん下山時刻の管理がシビアになります。ヘッドライトの重要度が上がる季節です。マイカー規制は3月1日〜11月30日なので、12月〜2月は荒川登山口まで車で入れますが、冬の屋久島の山は別物と考えてください。モッチョム岳のように冬でもほぼ積雪がなくオールシーズン登山可能とされる山もありますが、標高の高い山域は事情が異なります。そして通年で言えることがひとつ。屋久島の雨は「はずれ」ではありません。苔むす森は、雨の日ほど息を吹き返します。
よくあるご質問(FAQ)
縄文杉に自家用車で行けますか。
行けません。毎年3月1日〜11月30日は終日、町道荒川線(荒川三叉路〜荒川登山口)へ一般車両が進入できません。マイカー、レンタカー、二輪車、自転車を含みます。屋久杉自然館前で登山バスに乗り換えてください。荒川登山口までは約40分、片道券2,000円(バス代1,000円+協力金1,000円)、往復券3,000円(バス代2,000円+協力金1,000円)です。予約や座席指定はできません。
縄文杉は何時間かかりますか。体力に自信がなくても行けますか。
荒川登山口から往復約22km、標高差610m、標準所要時間は9〜10時間です。早朝出発が前提で、日が短い時期は行きも帰りも暗い中を歩きます。トロッコ道が長く続くため技術的な難所は多くありませんが、距離そのものが体力を要します。不安がある場合は、白谷雲水峡の苔むす森コース(往復3〜4時間)やヤクスギランド(最短30分コース)に替えるのが現実的です。無理をして下山が遅れることが、屋久島で最も避けたい事態です。
入山に協力金は必要ですか。
2種類あります。荒川登山口(縄文杉)、淀川登山口方面へ入る場合は世界自然遺産屋久島山岳部環境保全協力金が必要で、中学生以上、日帰り1,000円、山中泊2,000円、小学生以下は不要です。登山バス券の購入時に併せて納入できます。白谷雲水峡とヤクスギランドは別で、入口の管理棟で森林環境整備推進協力金として高校生以上1人800円(団体20名以上は1人600円)を納めます。白谷雲水峡から縄文杉やウィルソン株を目指す場合は、両方が必要になります。
どんな装備が必要ですか。
縄文杉やモッチョム岳のような長い行程では、防水のトレッキングシューズ、上下セパレートの登山用レインウェア、ヘッドライト、行動食、飲料水が必須です。綿のシャツとスニーカーは推奨されません。屋久島は雨の多い島で、天気は変わりやすく、荒川登山口から先に売店はひとつもありません。折りたたみ傘では手が塞がり、ポンチョでは風に煽られます。雨具だけは登山用を用意してください。
平内海中温泉はいつでも入れますか。
入れません。1日2回の干潮の前後、約2時間だけです。満潮時は海面下に沈みます。訪問日の潮位表を必ず事前に確認してください。こころざし(入浴協力金)は300円、男女混浴で、水着や下着を着用しての入浴は禁止です(バスタオル巻き、湯浴み着は可)。混浴のため、許可なく写真を撮ることも禁止されています。干潮を気にせず入りたい場合は、24時間入浴できて男女別の湯泊温泉(300円)が代替になります。
ウミガメの産卵は見られますか。
永田いなか浜は日本一の海がめ産卵地で、産卵期は5〜8月です。ただし個人で夜の浜に立ち入ることはできません。5月1日から9月30日の夜間は永田浜への立ち入りをご遠慮願うことになっており、観察は永田ウミガメ連絡協議会主催の観察会に参加する形になります。要予約で、受付は20:00〜20:30、料金は大人3,000円、中学生以下500円(幼児無料)です。産卵中の光やフラッシュ撮影は、ウミガメを驚かせ産卵放棄につながるため厳禁です。
屋久島の観光は何泊必要ですか。
縄文杉を組み込むなら2泊3日が目安です。縄文杉が丸1日を専有するため、本記事は到着日に北部を軽く回り、2日目を縄文杉に全振りし、3日目に南部の滝と温泉を回収する構成にしています。縄文杉を白谷雲水峡やヤクスギランドに替えるなら、より短い日程でも組めます。
雨の日はどう過ごせばいいですか。
屋久島は雨の多い島なので、雨の日の逃げ場を先に決めておくと旅が崩れません。屋久島世界遺産センター(入館無料)、屋久杉自然館(大人600円)、屋久島環境文化村センター(大人530円)はいずれも屋内です。温泉に切り替えるのも手で、尾之間温泉、湯泊温泉はどちらも300円。そして苔むす森は、じつは雨の日ほど苔が生き生きとして美しく見えます。雨は屋久島では「はずれ」ではありません。
まとめ:屋久島は、歩いた時間だけ返してくれる島
屋久島の魅力は、自分の脚で行った先にしか答えがないことです。縄文杉は、車では絶対に辿り着けません。往復22km、9〜10時間かけて歩いた人だけが、あの一本の前に立てます。ウィルソン株のハートも、太鼓岩から流れ込んでくる九州最高峰も、苔むす森の静けさも、全部そうです。だからこそ、たった一本の木の前で人は黙るのだと思います。
大切なのは、下山時刻から逆算することと、雨を嫌わないこと。この島の緑は、雨が育てました。そして無理をしないこと。縄文杉が難しければ白谷雲水峡があり、ヤクスギランドなら30分から歩けます。屋久島は、歩いた時間のぶんだけ返してくれる島で、その時間は人によって違っていいはずです。この記事が、あなたと屋久島の出会いの一助になればうれしいです。気に入った宿が見つかったら、ぜひ複数の予約サイトで料金を見比べて、いちばんお得な一泊を見つけてください。
